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本編

20.5、俺の名前は沢山あってな…()

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 これは、庭から書庫に向かう最中の会話である。

「そう言えば、なんでリンドウなの?他にもいっぱいあったよね?」
「んぇ?あぁ、別に何となく…特に理由はないよ。何で?」
「だってさ、リンドウって確か兄貴がつけた奴じゃないっけ?」
「は?違ぇよ。彼奴がつけたのは確か泡藤。漢字変えただけのやつ。竜胆は、あれだよ。お前が彼奴からパクってきたゲームのアバターにつけたのが最初」
「あぁ、そんなこともあったなぁ…あの後、怒られてキレたりんちゃんと兄貴の喧嘩、凄かったなぁ…」
「だって俺、お前が持ってきたゲームやっただけで、彼奴のだって知らなかったのに。何で俺まで怒られなきゃなんねぇんだよ。悪いのみゃーのだけじゃん」
「えー?共犯でしょ、あれは」
「はぁ??」

 ドMが発動するため、蹴りも文句も入れられない俺は、拳を握るだけに耐える。ちくしょう、今すぐ蹴りたい。悦ばれるのがオチだけど。
 そして、そんな俺とみゃーのに挟まれて歩いているのが赤目さんである。主に俺の精神面での安全対策で隣に置こうとしたら、自主的に来てくれた。非常に有り難い。

「…お前、他にも名前があるのか?」
「ん?おー、まぁ。みゃーのもあるぞ」
「僕はせいぜい、本名とりんちゃんが呼ぶみゃーのぐらいだよ。ゲームの名前は一つを使い回してたし」
「お前、本当少ないよな」
「りんちゃんが多すぎるだけだよ?」
「ほぅ…どれくらいあるんだ?」
「えーと、本名とリンドウとさっき言ったアワフジだろ?あとは…アヤメ、シゴク、スミレ、シタン、キョウフジ、キキョウ、ハトバ、メッシ、シコン、ボタン、カキツバタ、サキトビ、アイリス、アスター、オーベル、プラム、ライラック…」
「分かった、もういい。気軽に聞いた俺が悪かった」
「え、まだあんだけど…」
「多すぎるだろう……」
「あれは?「うちの猫が可愛すぎて辛い」は入れないの?」
「それ、名前っつーかただのネタネームだろ」
「じゃあ、明らかにうちの兄貴に向けたんであろう「クソ緑まじブッコロ★」は?」
「だから、何でさっきから名前じゃない名前ばっか出してくんだよ。あとそれはノリでつけた奴だし、一時間後には変えた…何でお前そんなの覚えてんの?」
「え?りんちゃんの名前は一通り頭にいれてるけど?」
「助けて赤目さん、こいつストーカーでもあった」
「よし、任せろ」
「あははは、りんちゃんってば冗談キツイ…ちょっと騎士さん、本当に僕を始末しようとしないで、待って僕一応勇者…」
「関係ないな」
「関係大アリだから!!ちょっとりんちゃん止めて!!」
「いけ!赤目さん!!きりさく!!」
「よし!!」
「よし、じゃない!!ポ○モンじゃないんだから!!」
「皆さん、廊下で騒がないでください」
「「「はい」」」

 やっぱりラナさん最強説……
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