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今日はあの夜のように簡単にはイクまいと思っていた。抱くのは2回目だし、さすがにある程度「持つ」だろうと考えていたのだが、俺の予想は全くもって甘かった。
「ハァ…っ、檜山…」
「ひ、あぁ…ッ! 待…ッ、村瀬…っ、これ、だめ…ッ、あぁ…ッ、変に、なる…!」
快感に抗うような檜山の喘ぎとは裏腹に、搾り取るようにキュウキュウと締め付けてくるナカが凶悪で、油断するとすぐに持っていかれそうになる。
あの夜と同じ。俺の下で檜山の潤んだ瞳が縋るみたいにこちらを見ている。気持ち良くて、愛しくて、頭が真っ白になりそうだ。
せめて先にはイクまいと、逃げようとするそこを性急にズンズンと繰り返し突き上げ、檜山の余裕を奪っていく。
「ダメ、待って、やぁ…ッ、ソコばっかり…っ、ひ…っ、あぁあ…ッ!?」
腰を捩らせて弱いポイントをずらそうとする檜山を抱き締める。腕の中に閉じ込めて、逃さないように腰を打ち付ける。泣き出しそうな喘ぎ声がただひたすら可愛くて、そのまま檜山を追い詰めながら、自身の限界に耐える。
「ひぁあ…ッ、だめ、もう…ッ! イ、イっちゃう、待って…ッ!」
「いいよ…、ん…ッ、 俺も、もう…」
「あぁっ、や…ッ、イ、イク…ッ、あぁああーー…ッ!!」
檜山を抱くまで、知らなかった。心底惚れた相手との行為はこんなにも余裕がなくなるものだなんて。
そして、それはこんなにも幸せで、心が満たされるものだなんて──…
◇
行為後、俺のブカブカのスウェットを再度着せた檜山は、ベッドの中で耳まで真っ赤にして顔を隠していた。
「そんな恥ずかしがらなくても…」
「だ、だって…!」
顔を上げた檜山と目が合う。何かを言おうとした檜山はパクパクと口を数回動かすが、それは声にはならず、結局、何も言わずにそのまま再び顔を隠した。
可愛い。
そして、めちゃくちゃ愛しい。
「最中は、俺と繋がれて嬉しいだとか大好きだとか言ってたくせに…」
「な…っ、なんで言うの、人のそういう恥ずかしい言葉を…っ!」
それは、俺にとってはこれ以上ない幸せな言葉。あの瞬間は、これからも頭の中で何度だってリピートするだろう。
「ねぇ、檜山」
「な、な…に…?」
「あの雷の夜、なんで俺に抱かせてくれたの。あの段階では、まだ俺のこと好きだったとは思えないんだけど」
俺の中で少しだけ疑問に思っていたことを聞く。
あの夜、檜山を抱けたのは、俺が雷を怖がる檜山に付け込んだからだ。通常の心理状態の檜山だったら、多分あんな展開にはならなかったのではないかと思っている。
「む、村瀬なら大丈夫だと、思ったの…」
「……?」
「あの夜、村瀬があたしを抱きたいと思ってるって言ったとき、村瀬に好きでいてもらえたら、絶対幸せだって思った」
「……」
「5年間、仕事の中で村瀬を見てきて、人間的に尊敬してたし、村瀬の特別な存在になれるなんて、そんな素敵なことはないってあのとき急に思えたの」
それはなんて殺し文句だろう。
恋愛感情抜きに仕事仲間として檜山の信頼を得てきた5年間は、回り道に見えて、彼女の心を動かすのに必要な時間だったのかもしれない。
「つーか、そんなこと言われたら、めちゃくちゃ大事にしたくなるじゃん…」
そう言って、脱力して檜山に微笑む。
完敗だ。もう完全に、俺の心は檜山にがっちり掴まれている。
「ね、檜山。キスしても、いい?」
「…エッチじゃないやつなら…」
「今は、別にエッチなやつでもいいんじゃない?」
俺の言葉に檜山の丸い瞳が泳ぐ。
そんな檜山を愛しいなと思いながら笑って、俺は触れるだけの優しいキスをした。
「ハァ…っ、檜山…」
「ひ、あぁ…ッ! 待…ッ、村瀬…っ、これ、だめ…ッ、あぁ…ッ、変に、なる…!」
快感に抗うような檜山の喘ぎとは裏腹に、搾り取るようにキュウキュウと締め付けてくるナカが凶悪で、油断するとすぐに持っていかれそうになる。
あの夜と同じ。俺の下で檜山の潤んだ瞳が縋るみたいにこちらを見ている。気持ち良くて、愛しくて、頭が真っ白になりそうだ。
せめて先にはイクまいと、逃げようとするそこを性急にズンズンと繰り返し突き上げ、檜山の余裕を奪っていく。
「ダメ、待って、やぁ…ッ、ソコばっかり…っ、ひ…っ、あぁあ…ッ!?」
腰を捩らせて弱いポイントをずらそうとする檜山を抱き締める。腕の中に閉じ込めて、逃さないように腰を打ち付ける。泣き出しそうな喘ぎ声がただひたすら可愛くて、そのまま檜山を追い詰めながら、自身の限界に耐える。
「ひぁあ…ッ、だめ、もう…ッ! イ、イっちゃう、待って…ッ!」
「いいよ…、ん…ッ、 俺も、もう…」
「あぁっ、や…ッ、イ、イク…ッ、あぁああーー…ッ!!」
檜山を抱くまで、知らなかった。心底惚れた相手との行為はこんなにも余裕がなくなるものだなんて。
そして、それはこんなにも幸せで、心が満たされるものだなんて──…
◇
行為後、俺のブカブカのスウェットを再度着せた檜山は、ベッドの中で耳まで真っ赤にして顔を隠していた。
「そんな恥ずかしがらなくても…」
「だ、だって…!」
顔を上げた檜山と目が合う。何かを言おうとした檜山はパクパクと口を数回動かすが、それは声にはならず、結局、何も言わずにそのまま再び顔を隠した。
可愛い。
そして、めちゃくちゃ愛しい。
「最中は、俺と繋がれて嬉しいだとか大好きだとか言ってたくせに…」
「な…っ、なんで言うの、人のそういう恥ずかしい言葉を…っ!」
それは、俺にとってはこれ以上ない幸せな言葉。あの瞬間は、これからも頭の中で何度だってリピートするだろう。
「ねぇ、檜山」
「な、な…に…?」
「あの雷の夜、なんで俺に抱かせてくれたの。あの段階では、まだ俺のこと好きだったとは思えないんだけど」
俺の中で少しだけ疑問に思っていたことを聞く。
あの夜、檜山を抱けたのは、俺が雷を怖がる檜山に付け込んだからだ。通常の心理状態の檜山だったら、多分あんな展開にはならなかったのではないかと思っている。
「む、村瀬なら大丈夫だと、思ったの…」
「……?」
「あの夜、村瀬があたしを抱きたいと思ってるって言ったとき、村瀬に好きでいてもらえたら、絶対幸せだって思った」
「……」
「5年間、仕事の中で村瀬を見てきて、人間的に尊敬してたし、村瀬の特別な存在になれるなんて、そんな素敵なことはないってあのとき急に思えたの」
それはなんて殺し文句だろう。
恋愛感情抜きに仕事仲間として檜山の信頼を得てきた5年間は、回り道に見えて、彼女の心を動かすのに必要な時間だったのかもしれない。
「つーか、そんなこと言われたら、めちゃくちゃ大事にしたくなるじゃん…」
そう言って、脱力して檜山に微笑む。
完敗だ。もう完全に、俺の心は檜山にがっちり掴まれている。
「ね、檜山。キスしても、いい?」
「…エッチじゃないやつなら…」
「今は、別にエッチなやつでもいいんじゃない?」
俺の言葉に檜山の丸い瞳が泳ぐ。
そんな檜山を愛しいなと思いながら笑って、俺は触れるだけの優しいキスをした。
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