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5-1 (番外編)
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※挿絵にAIを利用しています。
風呂上がりにミネラルウォーターを一口飲みながら、スマホが点滅しているのに気づいて画面を開く。神島から来ていたメッセージを見た途端、驚いて口に含んでいたミネラルウォーターにむせた。
「ゴホ…ッ、─…っ!」
"今日の檜山" というメッセージとともに届いた一枚の写真。それは、白いスーツ姿の檜山だった。
檜山だ…
3日ぶりの檜山の姿に思わず見惚れる。
この時間だとアメリカはまだ朝だ。タブレットを眺めて、展示会が始まる前の準備だろうか。白いスーツが良く似合っている。
こんな可愛い檜山が展示会のブースにいたら、用がなくても話し掛ける奴がいそうだなと少し心配になりつつ、そこは檜山のことだから、容赦なく冷たくあしらいそうな気もする。
こういう時の檜山がめちゃくちゃ格好いいのは俺もよく知っている。今回も精一杯頑張っているのだなと、その姿を見て微笑む。
それにしても、今日ほど神島の存在を有り難いと思ったことはない。
檜山と同じ展示会に神島も営業として参加するというのは聞いていたが、まさかこんな写真を送ってくれるとは…
檜山はあの性格だ。自撮りの写真など当然送ってくれるはずもない。持つべきものは友人だという諺に俺は心から納得した。
檜山から避けられている時に神島には相談に乗ってもらった。檜山と付き合うまでの経緯をアイツに詳しく話すかはともかく、この写真の件も含めて、日本に帰ったらうまいメシでも奢らねばなるまい。
◇
その後も神島が何枚か檜山の写真を送ってはくれたけど、檜山のいない2週間は長かった。
簡単なメッセージのやり取りはしていたが、いかんせん時差が大き過ぎて、それは最小限に留めざるを得なかった。
出発前に檜山を抱いた感触は、もはや数え切れないほど繰り返し反芻した。思い出す度にあの感触が恋しくなるばかりで、やっと付き合えたのになんの拷問なのかと苦悶する。
それでも、檜山が頑張っているならと、俺は半ばムキになって無駄に仕事に没頭して過ごした。
明日、檜山が帰ってくる。
やっと会える──…
風呂上がりにミネラルウォーターを一口飲みながら、スマホが点滅しているのに気づいて画面を開く。神島から来ていたメッセージを見た途端、驚いて口に含んでいたミネラルウォーターにむせた。
「ゴホ…ッ、─…っ!」
"今日の檜山" というメッセージとともに届いた一枚の写真。それは、白いスーツ姿の檜山だった。
檜山だ…
3日ぶりの檜山の姿に思わず見惚れる。
この時間だとアメリカはまだ朝だ。タブレットを眺めて、展示会が始まる前の準備だろうか。白いスーツが良く似合っている。
こんな可愛い檜山が展示会のブースにいたら、用がなくても話し掛ける奴がいそうだなと少し心配になりつつ、そこは檜山のことだから、容赦なく冷たくあしらいそうな気もする。
こういう時の檜山がめちゃくちゃ格好いいのは俺もよく知っている。今回も精一杯頑張っているのだなと、その姿を見て微笑む。
それにしても、今日ほど神島の存在を有り難いと思ったことはない。
檜山と同じ展示会に神島も営業として参加するというのは聞いていたが、まさかこんな写真を送ってくれるとは…
檜山はあの性格だ。自撮りの写真など当然送ってくれるはずもない。持つべきものは友人だという諺に俺は心から納得した。
檜山から避けられている時に神島には相談に乗ってもらった。檜山と付き合うまでの経緯をアイツに詳しく話すかはともかく、この写真の件も含めて、日本に帰ったらうまいメシでも奢らねばなるまい。
◇
その後も神島が何枚か檜山の写真を送ってはくれたけど、檜山のいない2週間は長かった。
簡単なメッセージのやり取りはしていたが、いかんせん時差が大き過ぎて、それは最小限に留めざるを得なかった。
出発前に檜山を抱いた感触は、もはや数え切れないほど繰り返し反芻した。思い出す度にあの感触が恋しくなるばかりで、やっと付き合えたのになんの拷問なのかと苦悶する。
それでも、檜山が頑張っているならと、俺は半ばムキになって無駄に仕事に没頭して過ごした。
明日、檜山が帰ってくる。
やっと会える──…
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