7 / 25
1-7
しおりを挟む
翌朝、目が覚めると、檜山は真っ赤な顔をしてシーツにくるまっていた。
「何照れてんの」
「だ、だって、あんな…!」
そう言って顔を出した檜山は何かを言いかけたところで、恥ずかしそうにそっぽを向く。
「あんな気持ちよくなっちゃうと思わなかった?」
「ち、ちが…っ!」
「いっぱい可愛い声で喘いでたしね」
「な、なんでそういうこと言うの、バカ…!」
「ずっと雷の音に反応してたから集中させた方がいいかと思ったんだけど、結構うまくいったよね」
「……っ!」
「一人でやり過ごすよりは雷怖くなかったんじゃないの」
そう言うと耳まで真っ赤にしながら檜山は当惑した表情を浮かべた。
図星…ということだろうか。何にせよ、俺と居たことで恐怖が和らいだなら良かった。まぁ、俺の方が沢山の幸せを貰ってしまった気もするが。
結局あの後、檜山は疲れたようにそのまま眠りに落ちて、夜の間に雷雨はおさまった。カーテンの隙間から漏れる明るい光を見る限り、今日はいい天気だろう。
そして、なんとかギリギリ理性的に抱けた昨夜の俺に安堵する。可愛いと思ってはいたが、ベッドの中の檜山の破壊力はヤバイ。
「あ、あの…、村瀬…?」
「ん…?」
「わ、忘れてね! あ、あんなになっちゃったのは、昨日だけっていうか…っ」
取り乱したようにそう言う檜山をシーツごと抱き締める。
「忘れるなんて無理だから。つーか、これで終わりだったら悲しすぎて死ぬ」
そう。あんな檜山を知ってしまったら、俺はもう檜山を手放したりできない。俺は檜山の顔をシーツから出すと、頬を両手で包んだ。
「これからは雷が来たら、俺が檜山のそばにいるから」
真っ赤な顔をした檜山に、俺は優しくキスをした。
幸せボケしすぎて、爪が甘かったと後で後悔することも知らずに…
「何照れてんの」
「だ、だって、あんな…!」
そう言って顔を出した檜山は何かを言いかけたところで、恥ずかしそうにそっぽを向く。
「あんな気持ちよくなっちゃうと思わなかった?」
「ち、ちが…っ!」
「いっぱい可愛い声で喘いでたしね」
「な、なんでそういうこと言うの、バカ…!」
「ずっと雷の音に反応してたから集中させた方がいいかと思ったんだけど、結構うまくいったよね」
「……っ!」
「一人でやり過ごすよりは雷怖くなかったんじゃないの」
そう言うと耳まで真っ赤にしながら檜山は当惑した表情を浮かべた。
図星…ということだろうか。何にせよ、俺と居たことで恐怖が和らいだなら良かった。まぁ、俺の方が沢山の幸せを貰ってしまった気もするが。
結局あの後、檜山は疲れたようにそのまま眠りに落ちて、夜の間に雷雨はおさまった。カーテンの隙間から漏れる明るい光を見る限り、今日はいい天気だろう。
そして、なんとかギリギリ理性的に抱けた昨夜の俺に安堵する。可愛いと思ってはいたが、ベッドの中の檜山の破壊力はヤバイ。
「あ、あの…、村瀬…?」
「ん…?」
「わ、忘れてね! あ、あんなになっちゃったのは、昨日だけっていうか…っ」
取り乱したようにそう言う檜山をシーツごと抱き締める。
「忘れるなんて無理だから。つーか、これで終わりだったら悲しすぎて死ぬ」
そう。あんな檜山を知ってしまったら、俺はもう檜山を手放したりできない。俺は檜山の顔をシーツから出すと、頬を両手で包んだ。
「これからは雷が来たら、俺が檜山のそばにいるから」
真っ赤な顔をした檜山に、俺は優しくキスをした。
幸せボケしすぎて、爪が甘かったと後で後悔することも知らずに…
0
お気に入りに追加
61
あなたにおすすめの小説
じれったい夜の残像
ペコかな
恋愛
キャリアウーマンの美咲は、日々の忙しさに追われながらも、
ふとした瞬間に孤独を感じることが増えていた。
そんな彼女の前に、昔の恋人であり今は経営者として成功している涼介が突然現れる。
再会した涼介は、冷たく離れていったかつての面影とは違い、成熟しながらも情熱的な姿勢で美咲に接する。
再燃する恋心と、互いに抱える過去の傷が交錯する中で、
美咲は「じれったい」感情に翻弄される。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】


イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。



ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる