公国第二王子の一途な鐘愛 〜白い結婚ではなかったのですか!?〜

緑野 蜜柑

文字の大きさ
上 下
49 / 75
~7. 婚姻の理由~

籠絡*

しおりを挟む
「殿下…?」

頬にかかる彼女の髪を指で退ける。一週間ほど前に彼女の首筋に付けた噛み痕は、もう薄く消えかけていた。

「…逃げないと、言ったな?」
「え⋯? ええ…」

確認する僕にロザリアが頷く。彼女の下腹部に手を降ろし、白い肌を撫でる。自身が埋まっているあたりを軽く押すと、ロザリアの身体がピク…と僅かに反応した。

「逃げるなよ?」
「え…? ひぁ…ッ!?」

腰を引き、入り口ギリギリまで自身を抜く。そのまま、ズプン…っと再度それを沈めた瞬間、ロザリアの身体が反射的にビクッと後退った。

「嘘つきだな」
「ち、違いますわ…っ、今のは、身体が、勝手に…!」
言質げんちは取ったからな。僕も手伝ってやろう」
「え…?」

ロザリアの膝の裏に手を当て、両脚をM字に開く。そのまま柔らかい太ももをベッドに押さえ付け、ロザリアの下半身を固定した。

「で、殿下…っ! こ、こんな格好…っ」
「これなら逃げないで済むだろう?」

左右に開かせた脚の中心で、ロザリアの秘部が無防備に天を向いている。赤く熟したひだがヒクヒクと僕を締め付ける。

次の一突きに向けてゆっくり腰を引き抜く。彼女の愛液を纏った自身が、濡れて光っている。その官能的な光景に、息を呑んだ。

「で、殿下…っ、待…っ、ひぁ…ッ!?」

槌を上から打ち付けるように、体重をかけて其処を貫く。彼女の柔らかい肉壁が、熱い塊を最奥で受け止める。組み敷かれた彼女に、逃げる余地はない。

「あぁ。今度は逃げずに、いい子だ…」
「待…っ、これ…っ、動けな…ッ、あぅ…っ、そんな深いの、だめ…ッ、ひん…ッ!」

無抵抗な其処に、猛った陰茎を繰り返し突き下ろす。身動きの取れない彼女は真っ赤な顔をして、羞恥と快感の狭間で耐えていた。

「んん…っ、あ…ッ、やぁ…っ」
「ハァ…、いやらしいな。こんなに太い僕を、根元まで軽々と咥え込んで…」
「や…っ、見ないで…!」

制止する彼女を無視して、結合部をじっくり視姦する。欲しがるようにヒクつく其処からは既に愛液が幾筋も垂れ、シーツを濡らしていた。

「なぁ、ロザリア…」
「んん…っ、は…い…」
「いつもより興奮しているのではないか?」
「─…!? そ、そんなこと…っ!」

僕の問いにロザリアが困惑した表情を見せる。

「動けないのが悦いのか、それとも、恥ずかしい姿を見られるのが好きなのか…」
「ち、違いますわ…!」

真っ赤な顔をして、ロザリアが否定する。繋がった其処が痛いほどに、キュウ…と僕を締め付ける感覚に、微笑した。

閨を重ねるたび、彼女の身体が僕に馴染んでいる感覚があった。最初は戸惑いと羞恥で占めていた瞳が、最近は、欲するように僕を見つめる瞬間があるのを知っている。

「で、殿下だって…」
「え…?」
「い、いつもより…、興奮なさっているでしょう…?」

そう聞いたロザリアに背筋がゾクッとした。熱い血が、すでに充分に硬い陰茎を更に昇る。あぁ、これだ。この瞳の貴女を見る瞬間が、僕は堪らなく嬉しい。

「貴女のこんな姿を見て、興奮しない訳がないだろう…?」
「─…っ!」
「あぁ、ほら。また垂らして…」

柔らかい太ももを彼女の蜜がしたたる。親指で掬い取ると、口に運び、ペロッと舐めた。

「で、殿下…っ!?」
「淫らな貴女の身体は、夫の僕が責任を持って慰めねばな」

そう微笑むと、僕は理性を追いやり、ロザリアに覆い被さる。手が届かなかった貴女が、今は腕の中で僕を求めてくれている。

身体だけでも構わない。このまま貴女を籠絡できるのなら。そう思いながら、僕は彼女に激しく腰を打ち付けた…
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

溺愛されている妹がお父様の子ではないと密告したら立場が逆転しました。ただお父様の溺愛なんて私には必要ありません。

木山楽斗
恋愛
伯爵令嬢であるレフティアの日常は、父親の再婚によって大きく変わることになった。 妾だった継母やその娘である妹は、レフティアのことを疎んでおり、父親はそんな二人を贔屓していた。故にレフティアは、苦しい生活を送ることになったのである。 しかし彼女は、ある時とある事実を知ることになった。 父親が溺愛している妹が、彼と血が繋がっていなかったのである。 レフティアは、その事実を父親に密告した。すると調査が行われて、それが事実であることが判明したのである。 その結果、父親は継母と妹を排斥して、レフティアに愛情を注ぐようになった。 だが、レフティアにとってそんなものは必要なかった。継母や妹ともに自分を虐げていた父親も、彼女にとっては排除するべき対象だったのである。

バイバイ、旦那様。【本編完結済】

ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
妻シャノンが屋敷を出て行ったお話。 この作品はフィクションです。 作者独自の世界観です。ご了承ください。 7/31 お話の至らぬところを少し訂正させていただきました。 申し訳ありません。大筋に変更はありません。 8/1 追加話を公開させていただきます。 リクエストしてくださった皆様、ありがとうございます。 調子に乗って書いてしまいました。 この後もちょこちょこ追加話を公開予定です。 甘いです(個人比)。嫌いな方はお避け下さい。 ※この作品は小説家になろうさんでも公開しています。

《完結》愛する人と結婚するだけが愛じゃない

ぜらいす黒糖
恋愛
オリビアはジェームズとこのまま結婚するだろうと思っていた。 ある日、可愛がっていた後輩のマリアから「先輩と別れて下さい」とオリビアは言われた。 ジェームズに確かめようと部屋に行くと、そこにはジェームズとマリアがベッドで抱き合っていた。 ショックのあまり部屋を飛び出したオリビアだったが、気がつくと走る馬車の前を歩いていた。

1度だけだ。これ以上、閨をともにするつもりは無いと旦那さまに告げられました。

尾道小町
恋愛
登場人物紹介 ヴィヴィアン・ジュード伯爵令嬢  17歳、長女で爵位はシェーンより低が、ジュード伯爵家には莫大な資産があった。 ドン・ジュード伯爵令息15歳姉であるヴィヴィアンが大好きだ。 シェーン・ロングベルク公爵 25歳 結婚しろと回りは五月蝿いので大富豪、伯爵令嬢と結婚した。 ユリシリーズ・グレープ補佐官23歳 優秀でシェーンに、こき使われている。 コクロイ・ルビーブル伯爵令息18歳 ヴィヴィアンの幼馴染み。 アンジェイ・ドルバン伯爵令息18歳 シェーンの元婚約者。 ルーク・ダルシュール侯爵25歳 嫁の父親が行方不明でシェーン公爵に相談する。 ミランダ・ダルシュール侯爵夫人20歳、父親が行方不明。 ダン・ドリンク侯爵37歳行方不明。 この国のデビット王太子殿下23歳、婚約者ジュリアン・スチール公爵令嬢が居るのにヴィヴィアンの従妹に興味があるようだ。 ジュリアン・スチール公爵令嬢18歳デビット王太子殿下の婚約者。 ヴィヴィアンの従兄弟ヨシアン・スプラット伯爵令息19歳 私と旦那様は婚約前1度お会いしただけで、結婚式は私と旦那様と出席者は無しで式は10分程で終わり今は2人の寝室?のベッドに座っております、旦那様が仰いました。 一度だけだ其れ以上閨を共にするつもりは無いと旦那様に宣言されました。 正直まだ愛情とか、ありませんが旦那様である、この方の言い分は最低ですよね?

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。 だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。 その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

愛人をつくればと夫に言われたので。

まめまめ
恋愛
 "氷の宝石”と呼ばれる美しい侯爵家嫡男シルヴェスターに嫁いだメルヴィーナは3年間夫と寝室が別なことに悩んでいる。  初夜で彼女の背中の傷跡に触れた夫は、それ以降別室で寝ているのだ。  仮面夫婦として過ごす中、ついには夫の愛人が選んだ宝石を誕生日プレゼントに渡される始末。  傷つきながらも何とか気丈に振る舞う彼女に、シルヴェスターはとどめの一言を突き刺す。 「君も愛人をつくればいい。」  …ええ!もう分かりました!私だって愛人の一人や二人!  あなたのことなんてちっとも愛しておりません!  横暴で冷たい夫と結婚して以降散々な目に遭うメルヴィーナは素敵な愛人をゲットできるのか!?それとも…?なすれ違い恋愛小説です。 ※感想欄では読者様がせっかく気を遣ってネタバレ抑えてくれているのに、作者がネタバレ返信しているので閲覧注意でお願いします…

婚約者を追いかけるのはやめました

カレイ
恋愛
 公爵令嬢クレアは婚約者に振り向いて欲しかった。だから頑張って可愛くなれるように努力した。  しかし、きつい縦巻きロール、ゴリゴリに巻いた髪、匂いの強い香水、婚約者に愛されたいがためにやったことは、全て侍女たちが嘘をついてクロアにやらせていることだった。  でも前世の記憶を取り戻した今は違う。髪もメイクもそのままで十分。今さら手のひら返しをしてきた婚約者にももう興味ありません。

処理中です...