公国第二王子の一途な鐘愛 〜白い結婚ではなかったのですか!?〜

緑野 蜜柑

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~6. 公国の戦略~

静かな絶頂*

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殿下の逞しい腕の中で、口吻キスが深くなっていく。生温かくて、少しだけ強引な殿下の舌が、わたくしの舌に絡まる。

肌越しに、大きく鳴る殿下の心臓の音が聴こえる。わたくし相手に、こんなに胸を高鳴らせて下さっている。まるで愛されているみたいだ…

「ん…っ、ふぁ…っ」

なぜだろう…。お腹の奥が疼いている。口吻キスに集中する殿下は、ただ静かに、わたくし膣内ナカを満たしている。動いているわけではないのに、悦い箇所を擦られたときのように、膣内ナカが切なく収縮している。

「─…っ!」

脚を拡げられ、繋がった其処の結合が急に深くなる。昂った殿下の尖端が最奥にグッと押し付けられた瞬間、身体が跳ねた。

「待…っ、これ…、変…ですわ…っ、んぅ…ッ」

離れた唇を、殿下が再び塞ぐ。

「んん…ッ! ふ…っ、ぅん…ッ」

塞がれた唇から、声にならない喘ぎが漏れる。おかしい。口吻キスをされ、深く挿れられているだけなのに、なぜか身体が昇ろうとしている。

「んぅ…ッ! あぅだめ…ッ、れん殿…っ!」

痙攣し始める身体に戸惑い、逃れようと必死に殿下の胸板を押す。筋肉で分厚いそれは、びくともしない。それどころか、殿下はわたくしの脈打つ下半身を押さえつけるように、上から体重を掛けた。

「─…ッ!? ふぅぅん…ッ♡」

塞がれた唇から、涎が頬を伝う。身体が熱い。痙攣するたびに、自分から擦り付けるように、殿下の充血した尖端が最奥に押し付けられる。

んぅだめ…ッ、うぅんもう…! んんんんん──…ッ!!♡」

くぐもった喘ぎ声の中で、数回大きく身体を震わせると、わたくしはあっけなく絶頂を迎えた。



「ハァ…ッ、ん…」

息を整えるわたくしの頬を、殿下が優しく撫でる。

「動いてもいないのに、達したのか?」
「─…っ!」

その言葉に、恥ずかしくなる。殿下の言う通りだ。わたくし自身も戸惑っている。まさかこんなに簡単に、達してしまうだなんて…

「も、申し訳…、ありません…」
「謝る必要はないさ」

そう言って、殿下がわたくしの手を取り、手の甲に優しく口吻キスをする。

「身体を重ねるたびに、敏感になっていく貴女を見るのは、嬉しい」
「─…っ!」
「それに、今のように、溶けそうに熱い貴女の膣内ナカにいる瞬間を、幸せだと思う」

その言葉に、繋がった其処がキュウ…と収縮する。その瞬間、ビク…っと小さく、殿下の身体が反応した。

「はは。欲張りだな。もう次が欲しいのか?」
「ち、違います…っ! 今のは…!」
「つれないな。僕は今、堪らなく貴女が欲しいのに…」

そう言った殿下を、もう一度、膣内ナカが締め付ける。わたくしの身体は、一体どうしてしまったのだろう。先ほど達したばかりなのに、もうお腹の奥が疼いている。

「欲しいと、ねだってくれないか、ロザリア」
「─…っ!」
「ほら、こんなに締め付けて、貴女も欲しいのだろう…?」

見透かすように殿下がそう言う。

「あ、悪趣味…ですわ…」
「恥じらう貴女を見ながらするのが悦いと言っただろう? それに…」
「……?」
「貴女にわれて、今夜はしたい…」

熱い瞳がわたくしを見つめる。ずるい。そんな瞳で見ないで欲しい。殿下に心を奪われたわたくしは、その求めに抗う術を知らない。

「ほ、欲…しい…ですわ…」

絞り出すようなわたくしのその言葉に殿下は満足そうに微笑むと、繋がった其処で、大きく腰を動かし始めた…
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