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第2章
16 幻想図書館
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そこは巨大な図書館であった。データアーカイブ時代から逆行するような紙媒体の書庫の林———。そこに在るのは前文明の貴重な歴史そのものであった。ここは、《図書館》という概念を与えられて、存在の継続を許されている。
《戯曲家》は、そこに在って異質であった。
彼だか彼女だか———、その存在は袖のたっぷりとした衣服を着け、目深にフードを被り、どこからどう見ても不審者の象徴であった。
「概念が曲がり、新しい世界が訪れる……」
演技掛かった仕草で、《戯曲家》が何処にとはなくお辞儀をし、そして軽やかに踊る。
「さらば、旧弊たる退屈な世界よォ!!おいでませ、新たなる秩序よォ!!」
狂気を孕んだ声で、《戯曲家》は哄笑する。
「アイオーンめが、いくら肩入れしようとも、我の邪魔はさせぬ」
立ち止まり、地を覗き込むように俯く。
「……帰るのだ、あの優しき日々に。……還るのだ、あの原初たる思念の大海に」
図書館中の書籍が宙を舞い、そして次々と並びが組み変わって、「在るべき位置」へと収まる。その法則は、主たる《戯曲家》にしか判らない。
テセウスの棚がある。そこに、本来在るべきでない要素が数冊、違和感無く紛れ込む。同様に、アーケイディア、アルタイルを筆頭に、テセウスの移動経路にある都市の中核である人物の棚の内容が一部、入れ替わり、歪な整合性でそれぞれの物語を悲劇や喜劇へと変化させていく。
「ウラヌスの申し子たる人の王よ、恨みはないが、我が糧となれ」
地の底から響くような含み笑いが、再びの哄笑へと変化し、図書館に満ちた清涼な静謐を壊した。
「帰る……。私は帰るのだ……」
呟きは雫のように床に垂れ、毛足の厚い絨毯に染み込んだ。
目立たぬように、戦の準備を進めねばならない。
保険として、燎原の火を用意せねばならない。
歪め、乱し、惑わし、騙し、そして———。
《戯曲家》にはやるべきことが多かった。
今日も今日とて、テセウスはトラブルに巻き込まれていた。
誰がホームの管理に残るかの話題を出したところ、揉めに揉めているのだった。
テセウスは単純に、非戦闘員の、ヘスティアとメーダを残せばいいと考えていた。が、それに待ったが掛かっていた。
「テセウス様は非戦闘員と仰いますが、私はそこのアストライアよりも強いですよ。それが何故、非戦闘員扱いなのですか」
ヘスティアが棘を込めた声色で、正論を突きつける。それに対し、
「ちょっとまて、ヘスティア。私より強いとは聞き捨てならんぞ!!表へ出ろ!!」
「いいでしょう。今日こそは身の程を弁えさせて差し上げます」
ふたりが勝手に、外に出て行ってしまう。
「テセウスさん、私も納得いきません。テセウスさんは新婚夫婦を引き離して、夫を便利使いする気ですか?」
とは、メーダの言である。
———そうか、新婚か。
「なら、メーダとペルセウスが残れば、万事解決だな」
「いや、僕は行きますよ。この都市の周辺に、僕の実力を必要とする案件があるとは思えません」
「ならば、私の同行も決まりですね」
メーダ同行決定と……。
ならば、置いて行くのはアストライアになるな……。
「イオはどう思う?」
「別に?テセウスがクラン長なんだから、サボっては駄目だよ。それに、私はもう少ししたらアルタイルに戻るし。———ネレウスを放置はできないでしょう?」
その通りだった。
やがて、ふた回りは大きいアストライアを小脇に抱えて、ヘスティアが戻って来た。本当に叩きのめしたようだ。だが、教会の職務はどうするつもりなのだろうか。
「教会はどうする、放置はできないし、ニュクス師が泣くぞ」
「養父は許可をくれましたよ、同席したでしょう?」
「……いつそんな話をした」
「少し待てば、安心して暮らせると」
「言っていたな」
「あれは、自分が力を握るので、しばらくは、ほとぼりを冷ましなさいということです」
と、アストライアの成れの果てに眼を向け、振り返って言うところによると、
「アストライアのことですが、師とアロイス様に預けて、鍛え直して貰います。このままでは慢心によって命を落とすでしょう」
とのことである。が、これには本人から異論が上がった。
「今回は少し上回ったからと調子に乗るなよ!!実戦に勝る修練はないわッ!!」
ふらつきながら立ち上がり、ヘスティアを一喝する。
そこへヘスティアが、いつにない冷笑を浮かべて、
「弱い犬がよく囀る……。死にたくば止めませんが、テセウス様を巻き込むようなら赦しませんよ」
と、混沌は振出しに戻るのである。
結局、テセウスはこの事案をアロイスに持ち込み、相談の上で、不公平感の薄い派遣制とした。
アロイスの裁定と聞き、皆、納得した。
テセウスにだけ、釈然としない思いを残して。
その頃、シクロ市では大きな問題が発生していた。
主だった者を除き、人々から突如、名が喪われたのである。
会話の最中に、数秒前まで呼んでいた名が呼べず、そして相手が何者であるのかを忘れるものが頻発した。
街は混乱し、そしてそのすぐ後、何事も無かったかのように終息した。
名を持たないことが当然となったのである。
だが、当然のことながら、それでは済まない者たちが居た。
悪事を企む者と、それを摘発する者である。彼らはそれぞれ、何をしていたのか、争っていたのか、そのものを忘却した。
しばらくして戻った、街の者も、同じ症状に罹患した。
つまり、時差をもって侵入した諜報の者たちも、伝令内容ごとすべてを喪失した。
各自が果たすべきことを果たさない、奇妙な街がそこには在った。名を持たないアバターたちは、ただの獣であった。享楽的に生き、そして眠った。
しばらくして、民衆が眼を醒まさなくなった。夢の世界に旅立ち、生命活動を停めた。生死で言えば死んではいないが、生きてもいなかった。数名の、名前を喪わなかった者が、事態を近隣都市に伝えようと走ったが、路半ばで始末された。
陸の孤島と化したシクロ市は、奇妙な静寂の中で、変質し始めた。
それは、芋虫が蝶になるにあたっての過程、蛹の中に揺蕩う生命のスープのような状態であった。何にでも成れるが、何者でもないヒトの群れが、眠りの中で夢を見ていた。
大いなる災いからの救いを———。
即ち、救世主である。
数日の後、アーケイディア、アルタイルでは状況を断定出来ないながらも把握した。伝令が戻らないのである。そして、偵察に出た者に、絶対に街に侵入しないことを徹底させた上で、シクロを観察させた。
その不気味な様子は、こうして明らかになった。
事態を重く見たネレウスとアロイスは、アルゴのメンバーを呼び出した。そして、調査依頼を指名で出す決断をしたのである。これが、今更過ぎて奇妙であるが、クラン《アルゴ》の初の正式な依頼となった。
一同は、アルタイルへ向かう者を中心に準備を行い、残る者が、ヨナスから到着したばかりの子供らを迎え、それぞれの生活空間を整えることになった。
子供たちはヨナスの南東区教会とは別格の住居設備に驚愕したが、慣れるのも早かった。そして、テセウスやヘスティアが、ほぼすれ違いで出て行くことを知ると、大いに不機嫌となった。
「テセ兄は、僕らのことは大事じゃないんだよ、ロッテ」
「ロッテが嫌いなの?」
「嫌いじゃない、関心が無いんだ———」
などと、嫌味をぶつけてくる。
別に、理解していない訳ではない。言葉遣いの通り大人びているので、テセウスが生活費を背負って来なければ、自分たちの生活は儘ならず、それも厚意によって成り立っていること熟知しているのである。だが、寂しいものは寂しいのである。
子供たちをあやしながら、テセウスとヘスティアは作業を続ける必要が発生した。同じ教会関係者として、関心の対象を外れたペルセウスが逆に哀れな一幕であった。
ペルセウスが「どうせ」との言葉を吐くに至っては、一同は大いに沸いた。
努めて緩んだ空気感の中で進めた準備であるが、出発予定日が近づくにつれて、皆の口数が減っていった。明らかにこの案件は危ない———。
今回は、戦闘職、支援職のみの参加となった。その結果、アルタイルへそのまま向かい、ネレウスの依頼を精査した上でチームの再編成を行うこととした。
これまでの調査班がすべて未帰還であることが、行動を慎重にした。
予定日に二日を残し、前倒しに一同は出発した。
現地では、イオを招集することとした。
《幻想図書館》、そこはそのように呼ばれることを自ら選んだ。
記述は常に変動し、泡沫のものであった。
場と念によって生じたその場所は、接続可能な全世界からの感情を、善意も悪意も選ばずに収集した。そしてそれを書籍のイメージに凝らせ、自らを世界のアーカイブと位置付けたのである。
知られてなかった自らに、誰が図書館としての方向づけを行ったのか……。それが幻想図書館の最大の興味であったが、現在は、寄り道に楽しみを覚えている。
この広大な知の空間の利用者は、その存在を唯一知る、《戯曲家》である。
《幻想図書館》は、《戯曲家》の行いを好んではいなかったが、結果として顕れる事象の変化は好んでいた。時の流れは、清流に座す岩のように、乱すものがあってこそ、輝きを増すのだと学んでしまったのであった。自然にそれを任せるには、変化の振幅の刺激が、それを許さないくらいに魅了してしまったのだ。
いままた、《戯曲家》が余計なことをしようとしている。
《幻想図書館》は欲望を抑えようとしなかった。
行いの邪悪さは、好むところではなかった。
だが、英雄がどのように対処するのか。
そこに、興味を抱いてしまった。
《戯曲家》は、そこに在って異質であった。
彼だか彼女だか———、その存在は袖のたっぷりとした衣服を着け、目深にフードを被り、どこからどう見ても不審者の象徴であった。
「概念が曲がり、新しい世界が訪れる……」
演技掛かった仕草で、《戯曲家》が何処にとはなくお辞儀をし、そして軽やかに踊る。
「さらば、旧弊たる退屈な世界よォ!!おいでませ、新たなる秩序よォ!!」
狂気を孕んだ声で、《戯曲家》は哄笑する。
「アイオーンめが、いくら肩入れしようとも、我の邪魔はさせぬ」
立ち止まり、地を覗き込むように俯く。
「……帰るのだ、あの優しき日々に。……還るのだ、あの原初たる思念の大海に」
図書館中の書籍が宙を舞い、そして次々と並びが組み変わって、「在るべき位置」へと収まる。その法則は、主たる《戯曲家》にしか判らない。
テセウスの棚がある。そこに、本来在るべきでない要素が数冊、違和感無く紛れ込む。同様に、アーケイディア、アルタイルを筆頭に、テセウスの移動経路にある都市の中核である人物の棚の内容が一部、入れ替わり、歪な整合性でそれぞれの物語を悲劇や喜劇へと変化させていく。
「ウラヌスの申し子たる人の王よ、恨みはないが、我が糧となれ」
地の底から響くような含み笑いが、再びの哄笑へと変化し、図書館に満ちた清涼な静謐を壊した。
「帰る……。私は帰るのだ……」
呟きは雫のように床に垂れ、毛足の厚い絨毯に染み込んだ。
目立たぬように、戦の準備を進めねばならない。
保険として、燎原の火を用意せねばならない。
歪め、乱し、惑わし、騙し、そして———。
《戯曲家》にはやるべきことが多かった。
今日も今日とて、テセウスはトラブルに巻き込まれていた。
誰がホームの管理に残るかの話題を出したところ、揉めに揉めているのだった。
テセウスは単純に、非戦闘員の、ヘスティアとメーダを残せばいいと考えていた。が、それに待ったが掛かっていた。
「テセウス様は非戦闘員と仰いますが、私はそこのアストライアよりも強いですよ。それが何故、非戦闘員扱いなのですか」
ヘスティアが棘を込めた声色で、正論を突きつける。それに対し、
「ちょっとまて、ヘスティア。私より強いとは聞き捨てならんぞ!!表へ出ろ!!」
「いいでしょう。今日こそは身の程を弁えさせて差し上げます」
ふたりが勝手に、外に出て行ってしまう。
「テセウスさん、私も納得いきません。テセウスさんは新婚夫婦を引き離して、夫を便利使いする気ですか?」
とは、メーダの言である。
———そうか、新婚か。
「なら、メーダとペルセウスが残れば、万事解決だな」
「いや、僕は行きますよ。この都市の周辺に、僕の実力を必要とする案件があるとは思えません」
「ならば、私の同行も決まりですね」
メーダ同行決定と……。
ならば、置いて行くのはアストライアになるな……。
「イオはどう思う?」
「別に?テセウスがクラン長なんだから、サボっては駄目だよ。それに、私はもう少ししたらアルタイルに戻るし。———ネレウスを放置はできないでしょう?」
その通りだった。
やがて、ふた回りは大きいアストライアを小脇に抱えて、ヘスティアが戻って来た。本当に叩きのめしたようだ。だが、教会の職務はどうするつもりなのだろうか。
「教会はどうする、放置はできないし、ニュクス師が泣くぞ」
「養父は許可をくれましたよ、同席したでしょう?」
「……いつそんな話をした」
「少し待てば、安心して暮らせると」
「言っていたな」
「あれは、自分が力を握るので、しばらくは、ほとぼりを冷ましなさいということです」
と、アストライアの成れの果てに眼を向け、振り返って言うところによると、
「アストライアのことですが、師とアロイス様に預けて、鍛え直して貰います。このままでは慢心によって命を落とすでしょう」
とのことである。が、これには本人から異論が上がった。
「今回は少し上回ったからと調子に乗るなよ!!実戦に勝る修練はないわッ!!」
ふらつきながら立ち上がり、ヘスティアを一喝する。
そこへヘスティアが、いつにない冷笑を浮かべて、
「弱い犬がよく囀る……。死にたくば止めませんが、テセウス様を巻き込むようなら赦しませんよ」
と、混沌は振出しに戻るのである。
結局、テセウスはこの事案をアロイスに持ち込み、相談の上で、不公平感の薄い派遣制とした。
アロイスの裁定と聞き、皆、納得した。
テセウスにだけ、釈然としない思いを残して。
その頃、シクロ市では大きな問題が発生していた。
主だった者を除き、人々から突如、名が喪われたのである。
会話の最中に、数秒前まで呼んでいた名が呼べず、そして相手が何者であるのかを忘れるものが頻発した。
街は混乱し、そしてそのすぐ後、何事も無かったかのように終息した。
名を持たないことが当然となったのである。
だが、当然のことながら、それでは済まない者たちが居た。
悪事を企む者と、それを摘発する者である。彼らはそれぞれ、何をしていたのか、争っていたのか、そのものを忘却した。
しばらくして戻った、街の者も、同じ症状に罹患した。
つまり、時差をもって侵入した諜報の者たちも、伝令内容ごとすべてを喪失した。
各自が果たすべきことを果たさない、奇妙な街がそこには在った。名を持たないアバターたちは、ただの獣であった。享楽的に生き、そして眠った。
しばらくして、民衆が眼を醒まさなくなった。夢の世界に旅立ち、生命活動を停めた。生死で言えば死んではいないが、生きてもいなかった。数名の、名前を喪わなかった者が、事態を近隣都市に伝えようと走ったが、路半ばで始末された。
陸の孤島と化したシクロ市は、奇妙な静寂の中で、変質し始めた。
それは、芋虫が蝶になるにあたっての過程、蛹の中に揺蕩う生命のスープのような状態であった。何にでも成れるが、何者でもないヒトの群れが、眠りの中で夢を見ていた。
大いなる災いからの救いを———。
即ち、救世主である。
数日の後、アーケイディア、アルタイルでは状況を断定出来ないながらも把握した。伝令が戻らないのである。そして、偵察に出た者に、絶対に街に侵入しないことを徹底させた上で、シクロを観察させた。
その不気味な様子は、こうして明らかになった。
事態を重く見たネレウスとアロイスは、アルゴのメンバーを呼び出した。そして、調査依頼を指名で出す決断をしたのである。これが、今更過ぎて奇妙であるが、クラン《アルゴ》の初の正式な依頼となった。
一同は、アルタイルへ向かう者を中心に準備を行い、残る者が、ヨナスから到着したばかりの子供らを迎え、それぞれの生活空間を整えることになった。
子供たちはヨナスの南東区教会とは別格の住居設備に驚愕したが、慣れるのも早かった。そして、テセウスやヘスティアが、ほぼすれ違いで出て行くことを知ると、大いに不機嫌となった。
「テセ兄は、僕らのことは大事じゃないんだよ、ロッテ」
「ロッテが嫌いなの?」
「嫌いじゃない、関心が無いんだ———」
などと、嫌味をぶつけてくる。
別に、理解していない訳ではない。言葉遣いの通り大人びているので、テセウスが生活費を背負って来なければ、自分たちの生活は儘ならず、それも厚意によって成り立っていること熟知しているのである。だが、寂しいものは寂しいのである。
子供たちをあやしながら、テセウスとヘスティアは作業を続ける必要が発生した。同じ教会関係者として、関心の対象を外れたペルセウスが逆に哀れな一幕であった。
ペルセウスが「どうせ」との言葉を吐くに至っては、一同は大いに沸いた。
努めて緩んだ空気感の中で進めた準備であるが、出発予定日が近づくにつれて、皆の口数が減っていった。明らかにこの案件は危ない———。
今回は、戦闘職、支援職のみの参加となった。その結果、アルタイルへそのまま向かい、ネレウスの依頼を精査した上でチームの再編成を行うこととした。
これまでの調査班がすべて未帰還であることが、行動を慎重にした。
予定日に二日を残し、前倒しに一同は出発した。
現地では、イオを招集することとした。
《幻想図書館》、そこはそのように呼ばれることを自ら選んだ。
記述は常に変動し、泡沫のものであった。
場と念によって生じたその場所は、接続可能な全世界からの感情を、善意も悪意も選ばずに収集した。そしてそれを書籍のイメージに凝らせ、自らを世界のアーカイブと位置付けたのである。
知られてなかった自らに、誰が図書館としての方向づけを行ったのか……。それが幻想図書館の最大の興味であったが、現在は、寄り道に楽しみを覚えている。
この広大な知の空間の利用者は、その存在を唯一知る、《戯曲家》である。
《幻想図書館》は、《戯曲家》の行いを好んではいなかったが、結果として顕れる事象の変化は好んでいた。時の流れは、清流に座す岩のように、乱すものがあってこそ、輝きを増すのだと学んでしまったのであった。自然にそれを任せるには、変化の振幅の刺激が、それを許さないくらいに魅了してしまったのだ。
いままた、《戯曲家》が余計なことをしようとしている。
《幻想図書館》は欲望を抑えようとしなかった。
行いの邪悪さは、好むところではなかった。
だが、英雄がどのように対処するのか。
そこに、興味を抱いてしまった。
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