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第2章
15 揺らぐ存在
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イオの説明ではこうだった。
過激派も原理派も元々、自分自身で論を組み立て、動いていた訳ではない。踊らされていたのだと……。黒幕らしく立ち回るのではなく、どうなっても自分の目的に近づけるように種を蒔くのだと……。
行動者と目的者が違うから、他人の眼にはちぐはぐな行動に見えるのだ。どの様な餌で誘引したのかは気に掛かるところである。そしてその目的についても———。
「つまりはあれか?過激派の爺ぃ共は、他人の掌の上で踊らされている馬鹿、だと」
アストライアが身も蓋もないことを言い出す。
「原理派の方はアレですね、自分の方が賢いと思っている愚か者だと」
ヘスティアの言い方も酷い。
だが、言っていることは、大筋では誤ってはいない。そして、その大本であるイオの論に、大いに納得するのである。
「なんにしても、幹部格の導師を捕らえて、何が餌で、どの程度説得力があったのかを確かめる必要があるな」
本丸を攻める前に、どうやってここまで陰謀のネットワークを構築出来たのかを知る意味がある。それは主に防衛の為。付け入り方を研究することで、脇の甘い部分を指摘し、組織を引き締められる。先日のアーケイディアのようなことがあってはならないのである。
「《戯曲家》か、どこの誰なのだか———」
呟きに皆が頷き、打ち合わせはお開きとなった。
アルタイルへの出発は近いが、準備はまるで整っていなかった。一番の問題は、ホームの手配と、ヨナスからの子供たちの輸送であった。
「ディーテ、余計な口出しは控えていただきたい!!」
テセウスが珍しく怒鳴り声を上げ、言われた本人は哄笑している。
一石を投じたのは、ペルセウスであった。
「平行線で進まないのが一番問題です。ここは現実的に、空き物件から選択でお茶を濁しましょう。言いたくはないですが、おふたりのいがみ合いは、此方からしたら本当にどうでもいいです」
ペルセウスも、メーダの両親の許へ日参しては断られているので、機嫌が微妙に悪い。テセウスはメーダの両親から真意を聞いているので、特に焦りはないのだが、知らぬは本人ばかりなり、なのである。根無し草に娘はやれん、とのことなので、クランの登記が終わった今、必要なのはペルセウスとメーダの住居なのだった。メーダがクランに同行すると言い出したので、完全に失念しているのである。だが、指摘すればディーテと揉めているこの状況を赦すはずもなく、藪蛇を恐れて黙っている。
そもそも、子供たち全員が入居でき、増えても対応できるような大規模建造物の空き物件はとても少なく、決めるとなれば契約は早かった。執務室、応接室以外に各員に寝室があり、テセウスの寝室を囲むように、女性たちの寝室が配置されたところに悪意を感じた。因みに、物件が決まり、定住先が決定したことで、ようやく結婚の許可が下りた。と同時に、条件を黙っていたことがバレ、恨みがましい視線を向けられるようになったが、自業自得なので気にしない。
「次は、ガキどもをどうやって運んでくるかだな……」
「ヘストさんのキャラバンに頼んでみては?」
「———悪くないな」
その日の内に伝令を送り、可能ななら次のアーケイディア行きの便に、同行させて欲しいと頼んだ。資金として渡したものについては、もし受けられない場合は、物納で資材の調達を頼むとしてある。
空き時間に、物件の内見を行う。契約後に行う時点で問題アリだが、ここしかなかったのであるから、気にするだけ損である。改装の打ち合わせが要されるので、一度も見ない訳にはいかなかったのである。
「ここは、元は、何に利用されていた施設なんだ?」
「宿屋ですね、採掘師向けの」
「鍛冶場まで付いてるのか……。オカベが暴走しそうだな。それで、駐機場はスペースが取れそうか」
「幸い、隣の物件が取り壊し予定だったので、即金で購入しました。そこを駐機場と、ヴィークルの発着場にします。また、地下を掘って倉庫にします」
こうして視察を行い、個々に業者に指示を出す。……居残り組を決めないと維持できないが、確実に揉めるな。うんざりとその想像を振り払い、次々と重要施設を巡って行くのであった。
管理局との交渉は、先日の遺跡破壊の件もあり、タフだった。ただ、件の行動について釈明は一切しなかった。露骨に恫喝されたが、その場合は行政府と直接遣り取りをするので結構と切り捨て、顧問の名を示すと、相手から腰を折って来た。
次にヘスティアのお供として、中央教会に表敬に訪れた。ある意味、敵地である。ペルセウスも呼び出してあり、アストライアが留守番である。彼女を連れてくると、弾みで斬ってしまいかねない。取り次がれて出て来たのは、なんとヘスティアの師匠に当たるニュクス師であった。
「元気にしているかね、ヘスティア」
「もちろんです」
「ヨナスの件も聞いていますよ。誇らしく思います。先日のこの街の件で、協力者が尻尾を出しています。少しお待ちいただければ、安心して暮らせるようになるでしょう」
と、穏やかに笑む。そして次には、
「テセウス卿、ご無沙汰しております。ご活躍のようですね。ペルセウスも」
「巻き込まれただけですよ。ニュクス師」
確りとした握手を交わし、近況を交換し合う。
ニュクス師は次期教主の有力候補である。そして、すっかり忘れていたが、ヘスティアの養父でもあった。
「でだ、テセウス卿、まだ大切な挨拶を貰っていないようだが?」
と、悪戯っぽい表情で告げてくる。
「ディーテ夫人から自慢をされてな、気になっていたのだよ。これでも父親でもある。当然の権利と存ずるが」
「結婚はしません。———今のところ……」
語尾が弱くなってしまった。テセウスとしては、もうこの話題は、赦して欲しい処であった。
「では、心が決まったら挨拶に来なさい。だがしかし、捨てるようなら相応の覚悟をしておくように」
悪い笑みだ……。
テセウスは這う這うの体で、教会を出ることとなった。
アーケイディアの教会については、脅威が薄れたと見える。蠢動する陰に回った連中も居るだろうが、動けない内に騙されていたことに気づく機会もあるであろう。
ついでとばかりに、ふたりは外縁部のマーケットに、生活雑貨を物色しに来ていた。軍の宿舎に匹敵する規模のホームになってしまったので、維持には相応の物資が必要になる。都合良くはいかないかもしれないが、馴染みの商人でも居れば、定期的な仕入れを依頼することが可能になる。既に、ヘストにはあれこれと依頼を、伝令を通じて行っていた。
「必要な物は何か、把握しているのか」
「実は手配済みです」
「ん?なら、なんでマーケットに?」
「デートです」
テセウスは唖然とし、ヘスティアの顔を凝視した。
「テセウス様は非道いです。アストライアばかりを構って」
実のところ、アストライアについては未だに半信半疑だし、ヘスティアの好意は気づいてはいたが、隣人としてのものという感覚が抜けていない。
「……そ、そうか」
ここでは、ヨナス市での収穫祭と同じ規模の混雑が、日常的に発生している。そして、現在ではテセウスは、アーケイディア市の有名人でもあり、実のところ真っすぐに歩ける訳がなかった。土産を持たせようとするのを丁重に断りながら、店舗や出店を覗いていく。
「しかし、ニュクス師が出て来た時には焦ったぞ。さては、あれもそうなると気づいていたな」
「ええ、当然です。私たちは、多くの方にテセウス様を引き合わせて、存在を確定させなければなりません」
そういう意図だったか———。
優しい計算高さだった。
広大なマーケットを、日暮れ近くまで練り歩き、多くの住民と言葉を交わした。これがその内に花開くといい———。
夕暮れ時の街には、ひとつ、ふたつと灯が点り、そこにある人々の日常を想起させた。温かい光であった。ふたりは家路を急ぎ、そしてアストライアに盛大に拗ねられた。
加藤は安心していた。と同時に、今後の不安も憶えた。
また、荒野の世界に接続が出来たのである。
ダウンロードされたテセウスの記憶によると、量子通信の増幅器で、周辺の場が乱れていたこと、何者かの陰謀により、テセウスのペルソナが揺らいでいたことが判った。
概念が揺らぐこともあるのか、しかも他者の意で———。
つまり、大多数が場を形成し、その人物に何を求めるのかを統合すれば、邪魔になった人物を舞台から引き摺り下ろせる、と言うことでもある。
問題は、その人物は何故、そんな世界のシステムの深いところまで識っているのか、である。当て推量で出来ることではない。下手すると、イオよりも粒度を細かく鮮明に世界を見ている可能性がある。つまりは、イオ側の存在だ。
加藤には高を括っているところがあった。長きを生きるイオよりも、世界を識る者は居ないと———。その前提が壊れた時、後手に回る危険性を強く意識したのであった。
薄氷の上なのだな……。
そんな状態でありながら、テセウスの目下の悩みは結婚問題らしい。平和なことだ。だが、常に緊張を持続していれば勝てるかと言えば、そもそもそれが難しいとなるのだ。
加藤は、テセウスが街での生活を忌避する理由を知っている。そして、それが物悲しい。
自分よりも遥かに過酷な経験を経たテセウスには、気が抜ける相手、空間が必要なのだと強く思うのである。張り詰めた糸は、いずれは切れる。加藤には、テセウスが死に急いでいるようにしか見えなかった。
結局、テセウスがテセウスとして一生を終えることを望む者たちが多数居て、その結果としてテセウスがテセウスあるという概念が固まった。だからこそ、加藤とこうして共生関係を継続出来ている。強い思念を送れば、応諾くらいは判別できる程度のコミュニケーションも取れるようになった。だと言うのに、この湧き上がる不安は何なのだろう———。
テセウスの本来の役割とはなんなのか。
加藤との本当の相似点は何処なのか。
謎は尽きず、時間は足りない。
過激派も原理派も元々、自分自身で論を組み立て、動いていた訳ではない。踊らされていたのだと……。黒幕らしく立ち回るのではなく、どうなっても自分の目的に近づけるように種を蒔くのだと……。
行動者と目的者が違うから、他人の眼にはちぐはぐな行動に見えるのだ。どの様な餌で誘引したのかは気に掛かるところである。そしてその目的についても———。
「つまりはあれか?過激派の爺ぃ共は、他人の掌の上で踊らされている馬鹿、だと」
アストライアが身も蓋もないことを言い出す。
「原理派の方はアレですね、自分の方が賢いと思っている愚か者だと」
ヘスティアの言い方も酷い。
だが、言っていることは、大筋では誤ってはいない。そして、その大本であるイオの論に、大いに納得するのである。
「なんにしても、幹部格の導師を捕らえて、何が餌で、どの程度説得力があったのかを確かめる必要があるな」
本丸を攻める前に、どうやってここまで陰謀のネットワークを構築出来たのかを知る意味がある。それは主に防衛の為。付け入り方を研究することで、脇の甘い部分を指摘し、組織を引き締められる。先日のアーケイディアのようなことがあってはならないのである。
「《戯曲家》か、どこの誰なのだか———」
呟きに皆が頷き、打ち合わせはお開きとなった。
アルタイルへの出発は近いが、準備はまるで整っていなかった。一番の問題は、ホームの手配と、ヨナスからの子供たちの輸送であった。
「ディーテ、余計な口出しは控えていただきたい!!」
テセウスが珍しく怒鳴り声を上げ、言われた本人は哄笑している。
一石を投じたのは、ペルセウスであった。
「平行線で進まないのが一番問題です。ここは現実的に、空き物件から選択でお茶を濁しましょう。言いたくはないですが、おふたりのいがみ合いは、此方からしたら本当にどうでもいいです」
ペルセウスも、メーダの両親の許へ日参しては断られているので、機嫌が微妙に悪い。テセウスはメーダの両親から真意を聞いているので、特に焦りはないのだが、知らぬは本人ばかりなり、なのである。根無し草に娘はやれん、とのことなので、クランの登記が終わった今、必要なのはペルセウスとメーダの住居なのだった。メーダがクランに同行すると言い出したので、完全に失念しているのである。だが、指摘すればディーテと揉めているこの状況を赦すはずもなく、藪蛇を恐れて黙っている。
そもそも、子供たち全員が入居でき、増えても対応できるような大規模建造物の空き物件はとても少なく、決めるとなれば契約は早かった。執務室、応接室以外に各員に寝室があり、テセウスの寝室を囲むように、女性たちの寝室が配置されたところに悪意を感じた。因みに、物件が決まり、定住先が決定したことで、ようやく結婚の許可が下りた。と同時に、条件を黙っていたことがバレ、恨みがましい視線を向けられるようになったが、自業自得なので気にしない。
「次は、ガキどもをどうやって運んでくるかだな……」
「ヘストさんのキャラバンに頼んでみては?」
「———悪くないな」
その日の内に伝令を送り、可能ななら次のアーケイディア行きの便に、同行させて欲しいと頼んだ。資金として渡したものについては、もし受けられない場合は、物納で資材の調達を頼むとしてある。
空き時間に、物件の内見を行う。契約後に行う時点で問題アリだが、ここしかなかったのであるから、気にするだけ損である。改装の打ち合わせが要されるので、一度も見ない訳にはいかなかったのである。
「ここは、元は、何に利用されていた施設なんだ?」
「宿屋ですね、採掘師向けの」
「鍛冶場まで付いてるのか……。オカベが暴走しそうだな。それで、駐機場はスペースが取れそうか」
「幸い、隣の物件が取り壊し予定だったので、即金で購入しました。そこを駐機場と、ヴィークルの発着場にします。また、地下を掘って倉庫にします」
こうして視察を行い、個々に業者に指示を出す。……居残り組を決めないと維持できないが、確実に揉めるな。うんざりとその想像を振り払い、次々と重要施設を巡って行くのであった。
管理局との交渉は、先日の遺跡破壊の件もあり、タフだった。ただ、件の行動について釈明は一切しなかった。露骨に恫喝されたが、その場合は行政府と直接遣り取りをするので結構と切り捨て、顧問の名を示すと、相手から腰を折って来た。
次にヘスティアのお供として、中央教会に表敬に訪れた。ある意味、敵地である。ペルセウスも呼び出してあり、アストライアが留守番である。彼女を連れてくると、弾みで斬ってしまいかねない。取り次がれて出て来たのは、なんとヘスティアの師匠に当たるニュクス師であった。
「元気にしているかね、ヘスティア」
「もちろんです」
「ヨナスの件も聞いていますよ。誇らしく思います。先日のこの街の件で、協力者が尻尾を出しています。少しお待ちいただければ、安心して暮らせるようになるでしょう」
と、穏やかに笑む。そして次には、
「テセウス卿、ご無沙汰しております。ご活躍のようですね。ペルセウスも」
「巻き込まれただけですよ。ニュクス師」
確りとした握手を交わし、近況を交換し合う。
ニュクス師は次期教主の有力候補である。そして、すっかり忘れていたが、ヘスティアの養父でもあった。
「でだ、テセウス卿、まだ大切な挨拶を貰っていないようだが?」
と、悪戯っぽい表情で告げてくる。
「ディーテ夫人から自慢をされてな、気になっていたのだよ。これでも父親でもある。当然の権利と存ずるが」
「結婚はしません。———今のところ……」
語尾が弱くなってしまった。テセウスとしては、もうこの話題は、赦して欲しい処であった。
「では、心が決まったら挨拶に来なさい。だがしかし、捨てるようなら相応の覚悟をしておくように」
悪い笑みだ……。
テセウスは這う這うの体で、教会を出ることとなった。
アーケイディアの教会については、脅威が薄れたと見える。蠢動する陰に回った連中も居るだろうが、動けない内に騙されていたことに気づく機会もあるであろう。
ついでとばかりに、ふたりは外縁部のマーケットに、生活雑貨を物色しに来ていた。軍の宿舎に匹敵する規模のホームになってしまったので、維持には相応の物資が必要になる。都合良くはいかないかもしれないが、馴染みの商人でも居れば、定期的な仕入れを依頼することが可能になる。既に、ヘストにはあれこれと依頼を、伝令を通じて行っていた。
「必要な物は何か、把握しているのか」
「実は手配済みです」
「ん?なら、なんでマーケットに?」
「デートです」
テセウスは唖然とし、ヘスティアの顔を凝視した。
「テセウス様は非道いです。アストライアばかりを構って」
実のところ、アストライアについては未だに半信半疑だし、ヘスティアの好意は気づいてはいたが、隣人としてのものという感覚が抜けていない。
「……そ、そうか」
ここでは、ヨナス市での収穫祭と同じ規模の混雑が、日常的に発生している。そして、現在ではテセウスは、アーケイディア市の有名人でもあり、実のところ真っすぐに歩ける訳がなかった。土産を持たせようとするのを丁重に断りながら、店舗や出店を覗いていく。
「しかし、ニュクス師が出て来た時には焦ったぞ。さては、あれもそうなると気づいていたな」
「ええ、当然です。私たちは、多くの方にテセウス様を引き合わせて、存在を確定させなければなりません」
そういう意図だったか———。
優しい計算高さだった。
広大なマーケットを、日暮れ近くまで練り歩き、多くの住民と言葉を交わした。これがその内に花開くといい———。
夕暮れ時の街には、ひとつ、ふたつと灯が点り、そこにある人々の日常を想起させた。温かい光であった。ふたりは家路を急ぎ、そしてアストライアに盛大に拗ねられた。
加藤は安心していた。と同時に、今後の不安も憶えた。
また、荒野の世界に接続が出来たのである。
ダウンロードされたテセウスの記憶によると、量子通信の増幅器で、周辺の場が乱れていたこと、何者かの陰謀により、テセウスのペルソナが揺らいでいたことが判った。
概念が揺らぐこともあるのか、しかも他者の意で———。
つまり、大多数が場を形成し、その人物に何を求めるのかを統合すれば、邪魔になった人物を舞台から引き摺り下ろせる、と言うことでもある。
問題は、その人物は何故、そんな世界のシステムの深いところまで識っているのか、である。当て推量で出来ることではない。下手すると、イオよりも粒度を細かく鮮明に世界を見ている可能性がある。つまりは、イオ側の存在だ。
加藤には高を括っているところがあった。長きを生きるイオよりも、世界を識る者は居ないと———。その前提が壊れた時、後手に回る危険性を強く意識したのであった。
薄氷の上なのだな……。
そんな状態でありながら、テセウスの目下の悩みは結婚問題らしい。平和なことだ。だが、常に緊張を持続していれば勝てるかと言えば、そもそもそれが難しいとなるのだ。
加藤は、テセウスが街での生活を忌避する理由を知っている。そして、それが物悲しい。
自分よりも遥かに過酷な経験を経たテセウスには、気が抜ける相手、空間が必要なのだと強く思うのである。張り詰めた糸は、いずれは切れる。加藤には、テセウスが死に急いでいるようにしか見えなかった。
結局、テセウスがテセウスとして一生を終えることを望む者たちが多数居て、その結果としてテセウスがテセウスあるという概念が固まった。だからこそ、加藤とこうして共生関係を継続出来ている。強い思念を送れば、応諾くらいは判別できる程度のコミュニケーションも取れるようになった。だと言うのに、この湧き上がる不安は何なのだろう———。
テセウスの本来の役割とはなんなのか。
加藤との本当の相似点は何処なのか。
謎は尽きず、時間は足りない。
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