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第2章
3 ヨナス市の反乱
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ヘパイストスはテセウスに、クランの設立を「中立に」行いたいのであれば、アーケイディアで手続することを勧めた。デネブ、ヨナスでは、テセウスの交友関係の色が強すぎるとのことである。それならばヨナス市でヘルメスのクランに加入する方がメリットは大きい。そうでないのであれば、石頭たちを説得して来いということである。
間の悪いことに、ネレウスはアルタイルに既に移動を始めている頃であった。
一行は選択を迫られた。
アルタイルでネレウスに合意を得てアーケイディアに向かう段取りと、アーケイディアに向かい、副議長に手続きを依頼して、最後のサインだけアルタイルでネレウスに頼む段取りである。
当初はアーケイディア行きを優先しようとしたテセウスであったが、これにはデュキスが反対した。護衛戦力の薄い状態で、ネレウスを辺境に放置するのは拙いとのことである。辺境への刺激を避けるために、ネレウスは最低限の兵力のみで向かうだろうとのこと。選択の余地はなかった。
初めにまず、テセウスはアーケイディアにイオを派遣し、情報収集とネレウスの護衛を依頼した。道中に襲われては、一行がアルタイルで合流しようとしても遅い。
「そう言えば爺ぃ、実際のところ、ヨナス市の代表はどっち側なンだ?」
「こちら側なら、ヘルメスやおまえを置かんよ」
その一言ですべてを物語っていた。元来、武装都市でもないのに、ヨナス市は戦力過多なのである。相当に元首は癖が強いのであろう。
「貴様、それも知らんで、ヨナスをうろついていたのか……」
アストライアに呆れられた。それには、テセウスとしては、少し傷つこうものだ。だが、それを表出させず、
「政治や宗教からは距離を置いていたからな」
平然と応え、テセウスはデュキスと今後の打ち合わせを行った。デネブからアルタイルへ向かうには、一度ヨナス市の近郊を通る。そこでヘルメスと打ち合わせを持って欲しいとのことである。また、デネブ認可の仮登録証を出すので、南東区教会の保護を急げとのことであった。
ヘパイストスとデュキス曰く、ヘスティア導師は、政治家としても一流になれたであろうセンスで、ヨナス市及び教区導師上層部の腐敗を、見事に単独で暴いていたらしい。ヘルメスからは、その関係で数日、扱き使われるだろうから覚悟しろとのことである。どのような大掃除が行われるのか楽しみでもあるが、意外の方が勝った。
「あの女が底意地悪いことは、自明ではないか」
アストライアは言う。例によってペルセウスは苦笑である。
イオがこの場に居ないことを少し寂しく思いながら、一行は、ヘパイストスの執務室を辞した。
ヨナス市に向かうには、一か所険しい渓谷がある。往路でも侵食獣の熊と鹿の群れに遭遇した地点である。そこにヘルメスの伝令が待っていた。
「アウグストゥス、なんでお前が来る……」
酒を飲んで出来上がっている伝令を前に、テセウスは頭を抱え、アストライアは蹴りを繰り出した。
「寒い中待ってりゃ、そりゃ、酒くらい飲むだろうよ!!蹴ることはないだろ、蹴るこたぁ!!」
夕刻も近い。侵食獣の時間である。
仕方なくという体で彼を艇内に招き入れた。
「で、ヘルメスはなんて?」
「いんや、別に何も」
「アウグストゥス、ここに居るアストライアは、それはもう冗談が嫌いだ。真面目に話せ」
彼は急激に素面に戻り、大きな身振りで否定した。
「いや、アストライアを嗾けるのは反則だろう!!何もない、本当に伝言は無いんだ」
アストライアが首筋に刃を立てる。
「慎重に答えろよ?私の手が滑ってしまうかもしれない……」
「だ、か、ら!!オレが来ること自体が伝言なんだって!!」
つまりは、ヘルメスがテセウスに伝言を出したという事実だけが、この際、必要だったということか———。
「なんだ、おまえしか暇人が居なかったのか」
納得を見せると、アウグストゥスが顔面を紅潮させ、
「暇な訳あるかいッ!!」
怒るアウグストゥスの世話をペルセウスに任せ、テセウスとアストライアが状況を相談する。
「事態は急ではない。伝言がないことが証左だ」
「となると、威嚇だな」
「私もそう思う……。性格の悪い女が動いたか———」
これはヘスティア導師のことだろう。
「あの女、さては代表を蹴落としたな」
「穏やかじゃないな……」
「ヘスティアが穏やかなのは、テセウスの前だけだ。眼が曇るにも程があるぞ」
そう言い、ペルセウスが宥めていたアウグストゥスの首根っこを掴んだ。そしてそのまま持ち上げる。重量級の彼を持ち上げるとは———。
「ヘスティアが動いたんだな?アパテーの婆ぁは失脚したか」
「あ、あぁ、都市代表はヘルメスの御大将になった。前代表は、侵食獣の繁殖に資金を出していたことが明らかになって、収監されている。残りの取り巻きも同様だ」
「その状況で、なんで貴様がここに来てまで、威嚇する必要がある」
「知らねぇよ、そんなこたぁ!!」
腕組みして、テセウスは長考した。森から侵食獣の気配がするが気にも留めない。ただひたすらにヘルメスの思考に潜って、求めている行動をトレースする。
瞼が開き、皆が注目した。
「正門から入れないようだな。おそらく警備兵団の一部かすべてが造反している。南東区は閉鎖、クランホームのある北東区についても、制圧されていると見た。ヘルメスは、オレたちが街に入れなくされているから、アウグストゥスを出したンだ」
「して、それならどうする?」
夜は更けてゆき、飢えた侵食獣の唸りが周囲を満たしはじめた。
一行は、話し合いを中断すると、対処に時間を費やすことになった。
街道沿いでも最も森に近いとは言え、毎回出現するのは明らかに異常である。
まずはこの先にある、方舟教会の過激派の拠点を潰すことにして、今後のことは後回しとなった。
ヘスティアはテセウスを待っていた。
今後の心配を振り切るように、聖堂で祈っていた。
ヨナス市にはいま、嵐が吹き荒れている。その原因は自分の告発文である。教会喜捨の隠匿と着服、市政への不当な干渉、そこに来て今回の侵食獣の繁殖実験である。それらをすべて、ヘスティアは導師ならば閲覧可能な一般会計情報から少しずつ暴いていった。
ヘスティアは歳若いが、教会運営の中で議決権を所持している。また、そこには査察権も含まれる。彼女はそれを利用して多数派工作と証跡集めを行い、着実に地場を固めていった。金銭の流れはヒトの流れである。誰が侵食獣の研究に積極的に関与しているかは明らかであった。
嵐になったのは、現職の都市代表が関わっていたことによる。
代表で会ったアパテーは、商人を掌握するために教会の財力と情報を求めた。その対価として、教会は目溢しを要求し、それを認めた。その痕跡が帳簿と議事録上に、僅かながら、残されていたのである。
ヘスティアはまず、ヘルメスのクランホームにテセウスとペルセウスの縁を辿って、子供たちを逃がした。そして、教区の信徒らに事情を説き、教会上層部の眼から、自身と関係者を隠した。
そしていま、本人は教会に自浄能力の証明の為に戻って来た。
これから、教会が教会で在り続けるために。
人々の救いの場であるために———。
いつかの、傷ついた戦士のような。
侵食獣の討伐が終わると、集合して計画を検討した。
進入路は西側の、農耕区の通用口を選択した。キャリアを通せる通路が、他には方角毎の門しか存在しない。ヘリントスのサイズからして、農耕区に隠すしかなかった。
テセウスはハッチを開き、ヴィークルを搬出した。
装備は非殺傷。軽装で出る。
地下水路を辿り市街に侵入すると、街の灯が常よりも少ないことに気づく。
一行は二手に分かれ、アストライアが行政府に向かうこととなった。その間、テセウスとペルセウスが中央広場から南のエリアを制圧する。その後はテセウスが南東区教会の安全確保を行い、ペルセウスが北東区のクランホームを後方拠点として抑える。
最大戦力のイオは不在だが、このメンバーで敗北は想像できず、テセウスは散歩にでも行くような気分で南東区へ向かった。
———ヤツら、開き直ったか。
街路には侵食獣の姿も散見された。制御が可能になったとは考えられないので、市民を恫喝するために、ただ放ったのだ……。
テセウスは可能な限り目立つように振る舞い、そして侵食獣の眼を惹くと、それらを各個撃破していった。既に新装備のタイミングは掴んでいることから、殲滅速度は圧倒的であった。
路面に転がった侵食獣の亡骸を蹴り飛ばして、路肩に集めながら、テセウスは冷たく今後の展開を読もうとしていた。
間の悪いことに、ネレウスはアルタイルに既に移動を始めている頃であった。
一行は選択を迫られた。
アルタイルでネレウスに合意を得てアーケイディアに向かう段取りと、アーケイディアに向かい、副議長に手続きを依頼して、最後のサインだけアルタイルでネレウスに頼む段取りである。
当初はアーケイディア行きを優先しようとしたテセウスであったが、これにはデュキスが反対した。護衛戦力の薄い状態で、ネレウスを辺境に放置するのは拙いとのことである。辺境への刺激を避けるために、ネレウスは最低限の兵力のみで向かうだろうとのこと。選択の余地はなかった。
初めにまず、テセウスはアーケイディアにイオを派遣し、情報収集とネレウスの護衛を依頼した。道中に襲われては、一行がアルタイルで合流しようとしても遅い。
「そう言えば爺ぃ、実際のところ、ヨナス市の代表はどっち側なンだ?」
「こちら側なら、ヘルメスやおまえを置かんよ」
その一言ですべてを物語っていた。元来、武装都市でもないのに、ヨナス市は戦力過多なのである。相当に元首は癖が強いのであろう。
「貴様、それも知らんで、ヨナスをうろついていたのか……」
アストライアに呆れられた。それには、テセウスとしては、少し傷つこうものだ。だが、それを表出させず、
「政治や宗教からは距離を置いていたからな」
平然と応え、テセウスはデュキスと今後の打ち合わせを行った。デネブからアルタイルへ向かうには、一度ヨナス市の近郊を通る。そこでヘルメスと打ち合わせを持って欲しいとのことである。また、デネブ認可の仮登録証を出すので、南東区教会の保護を急げとのことであった。
ヘパイストスとデュキス曰く、ヘスティア導師は、政治家としても一流になれたであろうセンスで、ヨナス市及び教区導師上層部の腐敗を、見事に単独で暴いていたらしい。ヘルメスからは、その関係で数日、扱き使われるだろうから覚悟しろとのことである。どのような大掃除が行われるのか楽しみでもあるが、意外の方が勝った。
「あの女が底意地悪いことは、自明ではないか」
アストライアは言う。例によってペルセウスは苦笑である。
イオがこの場に居ないことを少し寂しく思いながら、一行は、ヘパイストスの執務室を辞した。
ヨナス市に向かうには、一か所険しい渓谷がある。往路でも侵食獣の熊と鹿の群れに遭遇した地点である。そこにヘルメスの伝令が待っていた。
「アウグストゥス、なんでお前が来る……」
酒を飲んで出来上がっている伝令を前に、テセウスは頭を抱え、アストライアは蹴りを繰り出した。
「寒い中待ってりゃ、そりゃ、酒くらい飲むだろうよ!!蹴ることはないだろ、蹴るこたぁ!!」
夕刻も近い。侵食獣の時間である。
仕方なくという体で彼を艇内に招き入れた。
「で、ヘルメスはなんて?」
「いんや、別に何も」
「アウグストゥス、ここに居るアストライアは、それはもう冗談が嫌いだ。真面目に話せ」
彼は急激に素面に戻り、大きな身振りで否定した。
「いや、アストライアを嗾けるのは反則だろう!!何もない、本当に伝言は無いんだ」
アストライアが首筋に刃を立てる。
「慎重に答えろよ?私の手が滑ってしまうかもしれない……」
「だ、か、ら!!オレが来ること自体が伝言なんだって!!」
つまりは、ヘルメスがテセウスに伝言を出したという事実だけが、この際、必要だったということか———。
「なんだ、おまえしか暇人が居なかったのか」
納得を見せると、アウグストゥスが顔面を紅潮させ、
「暇な訳あるかいッ!!」
怒るアウグストゥスの世話をペルセウスに任せ、テセウスとアストライアが状況を相談する。
「事態は急ではない。伝言がないことが証左だ」
「となると、威嚇だな」
「私もそう思う……。性格の悪い女が動いたか———」
これはヘスティア導師のことだろう。
「あの女、さては代表を蹴落としたな」
「穏やかじゃないな……」
「ヘスティアが穏やかなのは、テセウスの前だけだ。眼が曇るにも程があるぞ」
そう言い、ペルセウスが宥めていたアウグストゥスの首根っこを掴んだ。そしてそのまま持ち上げる。重量級の彼を持ち上げるとは———。
「ヘスティアが動いたんだな?アパテーの婆ぁは失脚したか」
「あ、あぁ、都市代表はヘルメスの御大将になった。前代表は、侵食獣の繁殖に資金を出していたことが明らかになって、収監されている。残りの取り巻きも同様だ」
「その状況で、なんで貴様がここに来てまで、威嚇する必要がある」
「知らねぇよ、そんなこたぁ!!」
腕組みして、テセウスは長考した。森から侵食獣の気配がするが気にも留めない。ただひたすらにヘルメスの思考に潜って、求めている行動をトレースする。
瞼が開き、皆が注目した。
「正門から入れないようだな。おそらく警備兵団の一部かすべてが造反している。南東区は閉鎖、クランホームのある北東区についても、制圧されていると見た。ヘルメスは、オレたちが街に入れなくされているから、アウグストゥスを出したンだ」
「して、それならどうする?」
夜は更けてゆき、飢えた侵食獣の唸りが周囲を満たしはじめた。
一行は、話し合いを中断すると、対処に時間を費やすことになった。
街道沿いでも最も森に近いとは言え、毎回出現するのは明らかに異常である。
まずはこの先にある、方舟教会の過激派の拠点を潰すことにして、今後のことは後回しとなった。
ヘスティアはテセウスを待っていた。
今後の心配を振り切るように、聖堂で祈っていた。
ヨナス市にはいま、嵐が吹き荒れている。その原因は自分の告発文である。教会喜捨の隠匿と着服、市政への不当な干渉、そこに来て今回の侵食獣の繁殖実験である。それらをすべて、ヘスティアは導師ならば閲覧可能な一般会計情報から少しずつ暴いていった。
ヘスティアは歳若いが、教会運営の中で議決権を所持している。また、そこには査察権も含まれる。彼女はそれを利用して多数派工作と証跡集めを行い、着実に地場を固めていった。金銭の流れはヒトの流れである。誰が侵食獣の研究に積極的に関与しているかは明らかであった。
嵐になったのは、現職の都市代表が関わっていたことによる。
代表で会ったアパテーは、商人を掌握するために教会の財力と情報を求めた。その対価として、教会は目溢しを要求し、それを認めた。その痕跡が帳簿と議事録上に、僅かながら、残されていたのである。
ヘスティアはまず、ヘルメスのクランホームにテセウスとペルセウスの縁を辿って、子供たちを逃がした。そして、教区の信徒らに事情を説き、教会上層部の眼から、自身と関係者を隠した。
そしていま、本人は教会に自浄能力の証明の為に戻って来た。
これから、教会が教会で在り続けるために。
人々の救いの場であるために———。
いつかの、傷ついた戦士のような。
侵食獣の討伐が終わると、集合して計画を検討した。
進入路は西側の、農耕区の通用口を選択した。キャリアを通せる通路が、他には方角毎の門しか存在しない。ヘリントスのサイズからして、農耕区に隠すしかなかった。
テセウスはハッチを開き、ヴィークルを搬出した。
装備は非殺傷。軽装で出る。
地下水路を辿り市街に侵入すると、街の灯が常よりも少ないことに気づく。
一行は二手に分かれ、アストライアが行政府に向かうこととなった。その間、テセウスとペルセウスが中央広場から南のエリアを制圧する。その後はテセウスが南東区教会の安全確保を行い、ペルセウスが北東区のクランホームを後方拠点として抑える。
最大戦力のイオは不在だが、このメンバーで敗北は想像できず、テセウスは散歩にでも行くような気分で南東区へ向かった。
———ヤツら、開き直ったか。
街路には侵食獣の姿も散見された。制御が可能になったとは考えられないので、市民を恫喝するために、ただ放ったのだ……。
テセウスは可能な限り目立つように振る舞い、そして侵食獣の眼を惹くと、それらを各個撃破していった。既に新装備のタイミングは掴んでいることから、殲滅速度は圧倒的であった。
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