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ミケとわたし達

思い出した

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「えっ? 高尾山ににゃん?」
「あら、そう言えば昔そんなことがあったかもね」

 ミケは首を傾げおばあちゃんは思い出したといった様子で手をパンッと叩いた。

「うん、高尾山の山頂で富士山を一緒に眺めたよ」

 そう、思い出した。あの日は空気が澄んでいて高尾山の山頂から富士山が綺麗に見えた。

 わたしは、嬉しくて「おばあちゃんミケちゃん富士山が見えるよ~」と指差しはしゃいだ。

「うふふ、綺麗に見えたわね。運が良いわ」

 おばあちゃんも頬を緩め嬉しそうな表情で富士山を眺めていた。

 わたし達は高尾山の山頂で富士山を背景に写真を撮った。

 幼かったとはいえどうして忘れていたのかなと不思議に思う。わたしはぬいぐるみのミケをぎゅっと抱きしめ高尾山を眺めた。

 そして、下山したわたし達は……。え! わたしは頭に浮かんだ記憶にびっくりしてしまった。

 だって、わたし達は。

「真歌ちゃんどうしたの?」

 それまで黙っていたムササビがわたしの顔を覗き込み尋ねた。そのムササビの顔を見ているとわたしは。

「わたし、ムササビちゃんとも幼い衣にこの高尾山で会ってたね」


 
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