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ミケとわたし達

散歩しましょう

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 わたしとおばあちゃんは顔を見合わせ「高男さんて意外と強引な性格だよね」と言って笑い合う。

「う~ん、わたしの食べたいものか~たくさんあるな」

「うふふ、真歌ちゃんは食いしん坊さんね」

「あらあら、そう言う真朝ちゃんも食いしん坊だったわよ」

 まだ、少女姿のままの真昼ひいおばあちゃんが話に入ってきてクスクスと笑う。

「そ、そうだったかしら」
「そうよ、食いしん坊だったわよ」
「食いしん坊は遺伝かな~」と言ってわたしも笑った。

「わたしも食いしん坊にゃんよ。早く夕飯の時間にならないかな。これも遺伝にゃん」

 ミケは掛け時計に目をやり言った。

「もう、遺伝ってミケちゃんはぬいぐるみさんでしょ?」

 すでにヨダレを垂らしているミケが可笑しくて可愛らしくて堪らない。

「あははにゃん。そっか、わたしはぬいぐるみさんにゃんね」

 ミケは照れたように笑い肉球のある可愛らしい手で頭をポリポリ掻いた。

「そうだよ。ミケちゃん」

 なんて笑っているけれど食べたい料理を決めなきゃね。

「皆さん散歩でもして来たら良いかもですよ」

 高男さんがニコニコと微笑みを浮かべわたし達に言った。

「散歩ですか?」

「そう、散歩ですよ。頭がスッキリすると思いますよ。高尾山の澄んだ空気も吸えますしね」

「わ~い! 散歩だにゃん」

 ミケはぴょんぴょん飛び跳ね散歩をする気満々のようだ。

「わたしも散歩に行って来ようかな」

 ムササビもミケと同じようにぴょんぴょんと飛び跳ねる。

「おいおい、ムササビも散歩に行くのかい? 俺と一緒に仕込みをしてもらおうと思ったんだけどな」

「仕込みは高男さん一人で頑張ってね~」

 ムササビはニヒヒと笑い手をヒラヒラと振る。

「はいはい、わかったよ。ムササビもゆっくりしてこいよ」

 高男さんは苦笑いを浮かべている。

「じゃあ、みんなで散歩に行きましょう。高男さんムササビちゃんをお借りしますね」

「どうぞ、ご自由にムササビをお使いくださ~い」

 高男さんはにへらと笑いわたしにムササビを差し出した。

「あ、高男さんってばわたしをご自由にってちょっと何よそれ~」

 ムササビは頬を盛大に膨らませた。

 と、いうことで高男さん以外のわたし達は散歩をすることになった。
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