118 / 134
ミケとわたし達
夕飯に食べたいもの
しおりを挟む
「真歌さん、夕飯に食べたいものを作りますよ」
悶々としてたわたしに高男さんが言った。
「へっ? わたしが食べたいものをですか」
ちょっと驚いたわたしは顔を上げ高男さんを見るとその表情は自信ありげに輝いていた。
「はい、腕によりをかけて作りますよ」
「はぁ、それは嬉しいです。ありがとうございます」
嬉しいけれど、高男さんが作ってくれた料理で何かがわかるかもしれない。それを考えるとちょっと怖いなとも思った。
どうしてそう思うのかハッキリとわからない。けれど、ちゃんと真実に向き合うことは大切なことのはずだ。
「まだ、夜まで時間があるのでゆっくり考えても大丈夫ですよ」
「わ~い! 夜ご飯も楽しみにゃん」
「おいおいミケちゃん、真歌さんに言っているんだぞ」
ぴょーんと嬉しそうに飛び跳ねているミケは「でも、わたしもその夕飯食べられるでしょうにゃん」と一旦体の動きを止めそして、にゃぱーと笑う。
「まったく食いしん坊な奴だな……」
高男さんは苦笑する。
「だって、わたしはご飯大好きにゃんだもん」
にゃぱーと笑うミケに呆れる高男さん。
そして、ムササビも「わたしもご飯大好き~」と言いながらミケと一緒に飛び跳ねた。
「やれやれ食いしん坊な奴らめ」
溜め息をつき苦笑いする高男さんは、何かを思いついたのか「あっ!」と声を上げた。
「高男さんどうしたんですか?」
わたしは、首を傾げ尋ねる。
すると、高男さんは、
「夕飯なんですけど真歌さんの食べたいものもそうなんだけど、真朝おばあちゃんにも夕飯何を食べたいか教えてもらいたいなとふと思ったんですよ」と言った。
「おばあちゃんにも?」
「はい、真朝おばあちゃんにもです」
高男さんはそう答え、おばあちゃんに視線を向ける。
「えっ! わたしもですか? と言うかわたしも夕飯をこちらでいただくのかしら?」
「はい、ムササビカフェ食堂で是非とも食事をしてください」
高男さんは有無を言わさぬ口調できっぱり言った。
「あ、はい。では、ムササビカフェ食堂さんで食べていきますね」
おばあちゃんはその高男さんの勢いに呑み込まれるかのように即答した。
悶々としてたわたしに高男さんが言った。
「へっ? わたしが食べたいものをですか」
ちょっと驚いたわたしは顔を上げ高男さんを見るとその表情は自信ありげに輝いていた。
「はい、腕によりをかけて作りますよ」
「はぁ、それは嬉しいです。ありがとうございます」
嬉しいけれど、高男さんが作ってくれた料理で何かがわかるかもしれない。それを考えるとちょっと怖いなとも思った。
どうしてそう思うのかハッキリとわからない。けれど、ちゃんと真実に向き合うことは大切なことのはずだ。
「まだ、夜まで時間があるのでゆっくり考えても大丈夫ですよ」
「わ~い! 夜ご飯も楽しみにゃん」
「おいおいミケちゃん、真歌さんに言っているんだぞ」
ぴょーんと嬉しそうに飛び跳ねているミケは「でも、わたしもその夕飯食べられるでしょうにゃん」と一旦体の動きを止めそして、にゃぱーと笑う。
「まったく食いしん坊な奴だな……」
高男さんは苦笑する。
「だって、わたしはご飯大好きにゃんだもん」
にゃぱーと笑うミケに呆れる高男さん。
そして、ムササビも「わたしもご飯大好き~」と言いながらミケと一緒に飛び跳ねた。
「やれやれ食いしん坊な奴らめ」
溜め息をつき苦笑いする高男さんは、何かを思いついたのか「あっ!」と声を上げた。
「高男さんどうしたんですか?」
わたしは、首を傾げ尋ねる。
すると、高男さんは、
「夕飯なんですけど真歌さんの食べたいものもそうなんだけど、真朝おばあちゃんにも夕飯何を食べたいか教えてもらいたいなとふと思ったんですよ」と言った。
「おばあちゃんにも?」
「はい、真朝おばあちゃんにもです」
高男さんはそう答え、おばあちゃんに視線を向ける。
「えっ! わたしもですか? と言うかわたしも夕飯をこちらでいただくのかしら?」
「はい、ムササビカフェ食堂で是非とも食事をしてください」
高男さんは有無を言わさぬ口調できっぱり言った。
「あ、はい。では、ムササビカフェ食堂さんで食べていきますね」
おばあちゃんはその高男さんの勢いに呑み込まれるかのように即答した。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
ゆかりさんとわたし
謎の人
キャラ文芸
ゆかりさんはわたしの一番の友達で、古風な家に住まう幽霊です。
生まれつき重度の病人だった彼女が幽霊として再びわたしの前に現れてから早三年。この奇妙な関係にも慣れてきました。
当然学校に通うこともできず、日長一日ひとり寂しく広くて古い家の縁側に腰掛け、雲など眺めるゆかりさん。
そんな姿を思い浮かべる時、わたしはとても切なくなります。放っておくことはできません。
だからわたしは可能な限りの時間を使ってゆかりさんと遊ぶことにしました。少しでもいい、彼女の心労が和らいでくれることを願って。
ゆかりさんのためにわたしはいつもお話を持っていきます。それは日常のちょっとしたこと。
奇妙だったり、不思議だったり、不気味だったり、良く分からなかったりする。そんなお話を。
*「小説家になろう」にも投稿しています。
https://ncode.syosetu.com/n4636fe/
たとえ世界が滅んでも -未来人から命を狙われたアイドルと彼女を守るオタクたち
cotori
キャラ文芸
オタクだらけのドタバタコメディ。
かけだしのアイドル 佐倉奈都(さくらなつ)はある日未来からきたという奴らに襲われる。
逃げ出す男友達、気づかぬフリをする女の子たち、
そんな奈都を救ったのは彼女のファンであるオタクたちだった。
なぜかオタクだけは攻撃できない未来人たち。
「世界のために死んでくれ!」
奈津は・・・オタクを盾に生き延びることを決心する。
これは滅亡を回避したい未来人たちと意地でも死にたくないアイドルと
彼女に夢中なオタクたちの世界の存続をかけた愛と感動の物語である。
たぶんね
しるたん!
タロスケ
キャラ文芸
ニッチでマイナージャンルのおまけシールコレクターの生態観測をラノベ風に紹介していこうと思います。あるあるネタメインです。
G○部のパクリとかパチモノとかトレースとかクレームはジャ○へ。
読みづらい等クレームも○ャロへ。
何かあればとりあえずビール並みにとりあえずジ○ロへ。
しるたん!
【登場人物紹介 】
・四ッ角 直人(よつかど なおと)
私立土岐土岐(しりつどきどき)学園高等部一年生。無理矢理『しるたん部』に入部させられる。中肉中背弱肉草食系男子。
シールについては全くの無知。
・三田 好美(みた すくみ)
私立土岐土岐学園高等部三年生。父の影響からオマケシールをこよなく愛する
が故、『しるたん部』を設立する。
・宵闇 舞奈(よいやみ まいな)
私立土岐土岐学園高等部三年生。父の影響からマイナーシールをこよなく愛するがゆえに好美と事あるごとに衝突するも、お互いシールに関する会話が出来る友人がいない為実際は仲がいい。しるたん部員
※新キャラ随時投入予定※
家賃一万円、庭付き、駐車場付き、付喪神付き?!
雪那 由多
ライト文芸
恋人に振られて独立を決心!
尊敬する先輩から紹介された家は庭付き駐車場付きで家賃一万円!
庭は畑仕事もできるくらいに広くみかんや柿、林檎のなる果実園もある。
さらに言えばリフォームしたての古民家は新築同然のピッカピカ!
そんな至れり尽くせりの家の家賃が一万円なわけがない!
古めかしい残置物からの熱い視線、夜な夜なさざめく話し声。
見えてしまう特異体質の瞳で見たこの家の住人達に納得のこのお値段!
見知らぬ土地で友人も居ない新天地の家に置いて行かれた道具から生まれた付喪神達との共同生活が今スタート!
****************************************************************
第6回ほっこり・じんわり大賞で読者賞を頂きました!
沢山の方に読んでいただき、そして投票を頂きまして本当にありがとうございました!
****************************************************************
毎日記念日小説
百々 五十六
キャラ文芸
うちのクラスには『雑談部屋』がある。
窓側後方6つの机くらいのスペースにある。
クラスメイトならだれでも入っていい部屋、ただ一つだけルールがある。
それは、中にいる人で必ず雑談をしなければならない。
話題は天の声から伝えられる。
外から見られることはない。
そしてなぜか、毎回自分が入るタイミングで他の誰かも入ってきて話が始まる。だから誰と話すかを選ぶことはできない。
それがはまってクラスでは暇なときに雑談部屋に入ることが流行っている。
そこでは、日々様々な雑談が繰り広げられている。
その内容を面白おかしく伝える小説である。
基本立ち話ならぬすわり話で動きはないが、面白い会話の応酬となっている。
何気ない日常の今日が、実は何かにとっては特別な日。
記念日を小説という形でお祝いする。記念日だから再注目しよう!をコンセプトに小説を書いています。
毎日が記念日!!
毎日何かしらの記念日がある。それを題材に毎日短編を書いていきます。
題材に沿っているとは限りません。
ただ、祝いの気持ちはあります。
記念日って面白いんですよ。
貴方も、もっと記念日に詳しくなりません?
一人でも多くの人に記念日に興味を持ってもらうための小説です。
※この作品はフィクションです。作品内に登場する人物や団体は実際の人物や団体とは一切関係はございません。作品内で語られている事実は、現実と異なる可能性がございます…
転生幼女はお願いしたい~100万年に1人と言われた力で自由気ままな異世界ライフ~
土偶の友
ファンタジー
サクヤは目が覚めると森の中にいた。
しかも隣にはもふもふで真っ白な小さい虎。
虎……? と思ってなでていると、懐かれて一緒に行動をすることに。
歩いていると、新しいもふもふのフェンリルが現れ、フェンリルも助けることになった。
それからは困っている人を助けたり、もふもふしたりのんびりと生きる。
9/28~10/6 までHOTランキング1位!
5/22に2巻が発売します!
それに伴い、24章まで取り下げになるので、よろしく願いします。
モフモフになった魔術師はエリート騎士の愛に困惑中
risashy
BL
魔術師団の落ちこぼれ魔術師、ローランド。
任務中にひょんなことからモフモフに変幻し、人間に戻れなくなってしまう。そんなところを騎士団の有望株アルヴィンに拾われ、命拾いしていた。
快適なペット生活を満喫する中、実はアルヴィンが自分を好きだと知る。
アルヴィンから語られる自分への愛に、ローランドは戸惑うものの——?
24000字程度の短編です。
※BL(ボーイズラブ)作品です。
この作品は小説家になろうさんでも公開します。
護堂先生と神様のごはん 護堂教授の霊界食堂
栗槙ひので
キャラ文芸
考古学者の護堂友和は、気が付くと死んでいた。
彼には死んだ時の記憶がなく、死神のリストにも名前が無かった。予定外に早く死んでしまった友和は、未だ修行が足りていないと、閻魔大王から特命を授かる。
それは、霊界で働く者達の食堂メニューを考える事と、自身の死の真相を探る事。活動しやすいように若返らせて貰う筈が、どういう訳か中学生の姿にまで戻ってしまう。
自分は何故死んだのか、神々を満足させる料理とはどんなものなのか。
食いしん坊の神様、幽霊の料理人、幽体離脱癖のある警察官に、御使の天狐、迷子の妖怪少年や河童まで現れて……風変わりな神や妖怪達と織りなす、霊界ファンタジー。
「護堂先生と神様のごはん」もう一つの物語。
2019.12.2 現代ファンタジー日別ランキング一位獲得
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる