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ミケとわたし達
きっと、思い出す
しおりを挟むおばあちゃんはミケをじっと見つめ続けている。そう、じーっと見つめているのだ。
「ちょっと、真朝ちゃんってば~そんなにじーっと見つめられるとわたし照れちゃうにゃん」
ミケはちょっと照れたようにはにかむ。
「ミケちゃんってば照れてるね~」
抹茶アイスを頬張っていたムササビが可笑しそうに笑った。
「だってにゃん、真朝ちゃんがわたしの顔を食い入るように見つめるんだもん」
ミケはそう言ってムササビの抹茶アイスをじっと眺める。
「ちょっとミケちゃんよそ見しないでよ。今、思い出しているところなのよ」
「わたしの顔を見なくても思い出せるはずだにゃん」
「ううん、ミケちゃんの顔をじっくり眺めた方が思い出せるはずなのよ」
おばあちゃんはそう言ってミケの顔をじーっと見つめる。
ミケはちょっと照れた様子で「もう真朝ちゃんってば~にゃん」と言って頭をポリポリ掻いた。
そんなミケとおばあちゃんのやり取りが可笑しくてわたし達はどっと笑う。
「あら、もうどうしてかな笑うのよ」
「うにゃん。どうして笑うにゃん」
おばあちゃんとミケはほぼ同時に言った。なんだか息の合った人とぬいぐるみだなと思うと可笑しくてそして、ほっこりしちゃう。
わたしが笑いを堪え肩をぷるぷる震わせていると、高男さんが、「きっと、真朝おばあちゃんは思い出すはずですよ」とわたしの顔に視線を向け言った。
「そうですよね。おばあちゃんはきっと、思い出しますね」
高男さんが思い出すはずと言うのであれば間違いはないと思う。
だって、高男さんは人の気持ちを読み取ることができるみたいなのだから。
「わたしの思い出の中にミケちゃんがいるのよ。大切で可愛くて寝る時も一緒だったミケちゃんがね」
「わたしが真朝ちゃんの心の中にいるんだにゃん。嬉しいにゃん」
おばあちゃんとミケは再び見つめ合う。
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