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ムササビカフェ食堂とおばあちゃん
ミケは可愛い
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「にゃはは、わたしってば褒められちゃったにゃん」
ミケはガツガツ食べている手を一瞬止めて顔を上げた。もちろんその顔にはお決まりのようにご飯つぶがくっついていた。
「もう、ミケちゃんってばその顔っ! 笑わせないでよ」
わたしは、笑いを必死に堪え言った。
「うふふ、ミケちゃん可愛いわね」
「おばあちゃん、ミケちゃんを甘やかすとダメだよ」
「あはは、真歌ちゃんってば厳しいのね」
「にゃはは、おばあちゃんってば優しいにゃん。真歌ちゃんはちょっと怖いな~」
ミケはおばあちゃんににゃぱにゃぱと笑いかけわたしのことをギロッと見る。
「本当に可愛い三毛猫ちゃんのぬいぐるみさんだわね。ちょっとサイズは大きいけれど」
「おばあちゃん、わたし本当は小型なぬいぐるみなんですにゃん」
ミケはそう言って胸を張る。そして、いつの間にか巨大なぬいぐるみから小型なぬいぐるみの姿に戻っていたのだ。
「あ、わたし小さくなってしまったにゃん。でも、この姿になるとご飯を食べるのが大変だにゃん」
「それは大変だわね。じゃあ、食べさてあげましょうか」
おばあちゃんはにっこり微笑みを浮かべお箸を手に取った。
「わ~い! おばあちゃんありがとうにゃん」
肉球のある手でバンザイをするミケとお箸を持ちニコニコするおばあちゃん。とても微笑ましくてそして、見ようによっては不気味で滑稽だ。
「うふふ、ぬいぐるみさんにご飯を食べさてあげるなんてなんだか楽しいわ~」
おばあちゃんはまるで少女のような笑顔を浮かべながらミケを持ち上げ目の前に座らせる。そして、お箸で炊き込みご飯をつかみミケの口元に運ぶ。
「あ~ん」とミケは口を大きく開けた。
「ミケちゃんどうぞ~」
「いただきますにゃん」
ミケはおばあちゃんが口元に運んだ炊き込みご飯をぱっくと食べた。
「う~ん、美味しいにゃん。もぐもぐにゃんです」
ミケは幸せそうな顔で炊き込みご飯をもぐもぐしている。もう、なんて可愛いの。キュンとするじゃない。
どうやらわたしもミケには甘いようだ。だって、可愛いのだから仕方がないでしょ。注意できないよ。
その時おばあちゃんが。
ミケはガツガツ食べている手を一瞬止めて顔を上げた。もちろんその顔にはお決まりのようにご飯つぶがくっついていた。
「もう、ミケちゃんってばその顔っ! 笑わせないでよ」
わたしは、笑いを必死に堪え言った。
「うふふ、ミケちゃん可愛いわね」
「おばあちゃん、ミケちゃんを甘やかすとダメだよ」
「あはは、真歌ちゃんってば厳しいのね」
「にゃはは、おばあちゃんってば優しいにゃん。真歌ちゃんはちょっと怖いな~」
ミケはおばあちゃんににゃぱにゃぱと笑いかけわたしのことをギロッと見る。
「本当に可愛い三毛猫ちゃんのぬいぐるみさんだわね。ちょっとサイズは大きいけれど」
「おばあちゃん、わたし本当は小型なぬいぐるみなんですにゃん」
ミケはそう言って胸を張る。そして、いつの間にか巨大なぬいぐるみから小型なぬいぐるみの姿に戻っていたのだ。
「あ、わたし小さくなってしまったにゃん。でも、この姿になるとご飯を食べるのが大変だにゃん」
「それは大変だわね。じゃあ、食べさてあげましょうか」
おばあちゃんはにっこり微笑みを浮かべお箸を手に取った。
「わ~い! おばあちゃんありがとうにゃん」
肉球のある手でバンザイをするミケとお箸を持ちニコニコするおばあちゃん。とても微笑ましくてそして、見ようによっては不気味で滑稽だ。
「うふふ、ぬいぐるみさんにご飯を食べさてあげるなんてなんだか楽しいわ~」
おばあちゃんはまるで少女のような笑顔を浮かべながらミケを持ち上げ目の前に座らせる。そして、お箸で炊き込みご飯をつかみミケの口元に運ぶ。
「あ~ん」とミケは口を大きく開けた。
「ミケちゃんどうぞ~」
「いただきますにゃん」
ミケはおばあちゃんが口元に運んだ炊き込みご飯をぱっくと食べた。
「う~ん、美味しいにゃん。もぐもぐにゃんです」
ミケは幸せそうな顔で炊き込みご飯をもぐもぐしている。もう、なんて可愛いの。キュンとするじゃない。
どうやらわたしもミケには甘いようだ。だって、可愛いのだから仕方がないでしょ。注意できないよ。
その時おばあちゃんが。
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