高尾山で立ち寄ったカフェにはつくも神のぬいぐるみとムササビやもふもふがいました

なかじまあゆこ

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ムササビカフェ食堂とおばあちゃん

三毛猫のぬいぐるみ

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「ミケちゃんは可愛らしいわね。なんだか猫さんみたいね」

 口の周りを手の甲でうにゃうにゃと拭うミケは人間の女の子の姿ではあるけれど、おばあちゃんの言うように猫みたいに見える。

 まあ、実際に猫。いやいやぬいぐるみの三毛猫だけどね。しかもつくも神らしい。

「えへへにゃん、わたし可愛らしいかな~猫さんみたいにゃん」

 ミケは照れたように笑いそして、口の周りを舌でペロペロペロリと甜めた。

「そうね、可愛らしいわよ」

 おばあちゃんは優しい眼差しでミケに微笑みかける。

「もう、ミケちゃんってばそのポーズ本物の猫さんに見えるよ~」

わたしは、そう言ってクスクスと笑った。その時。

「わっ! えっ!! ミケちゃん、その姿」

「ん? 真歌ちゃんどうしたにゃん?」

 ミケは小首を傾げわたしをじっと見ている。その目はまるで猫のようだった。

だって、ミケの目はと言うかその姿は……。

 おばあちゃんもびっくりして目を丸くしているじゃない。


 そうなのだ。ミケの目は丸くて大きくてキラッと黄色く輝いている。しかもその姿はふわふわもふもふの三毛猫のぬいぐるみだったのだ。

「えっ? ミケちゃん! わたし目が可笑しくなってしまったのかしら?」

 おばあちゃんは言いながら手の甲で目を擦りまくる。

「わっ! やっぱりぬいぐるみの三毛猫だわ~! ど、どういうことかしら!!」

 両手をぐるぐる振り回しおばあちゃんはかなり慌てているようだ。

「ありゃま。わたしぬいぐるみの姿になってしまったにゃん」

 ミケ自身もびっくりしたように自分のもふもふの体に視線を落とし目を大きく見開いている。

「ミ、ミケちゃんはぬいぐるみさんだったの? あら、わたしってばなんて問いかけをしているのかしら?」

「はいにゃん。わたしは三毛猫のぬいぐるみでありつくも神ですにゃん」

 三毛猫のぬいぐるみであるミケの口角がきゅっと上がった。

「ぬいぐるみさんが笑ったた~!!」

おばあちゃんは大きな声を上げた。
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