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ムササビカフェ食堂とおばあちゃん
ハーフアンドハーフの炊き込みご飯
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「あの~すみません」
わたしがムササビからお椀を受け取ったその時、真昼さんの声が聞こえてきた。
振り返ると真昼さんが高男さんを見上げ尋ねている。
「わたしは何をしたら良いのでしょうか?」
「あ、すみません。真昼さんのことすっかり忘れていました」
「え! それって酷いではないですか」
「あはは、申し訳ありません。では、真歌さんのお手伝いをよろしくお願いします」
「え~!!」とわたしは声を上げてしまう。
「真歌さんは真昼さんの指導係りですよね」
「……そうでしたね」
「では、お願いしますね」
高男さんはそう言ったかと思うと自身の作業に戻り包丁でアボカドを切る。
「真歌さんよろしくお願いします」
「あ、はい、こちらこそよろしくお願いします。えーっとでは、このお椀に豚肉としめじの炊き込みご飯とたけのこの炊き込みご飯をハーフアンドハーフに盛り付けてもらえますか? すみません」
ハーフアンドハーフになんてわたしは綺麗に盛り付ける自信がない。それを真昼さんに押し付けているみたいで悪いなと思いながら真昼さんにお椀を差し出した。
「はい、了解しました」
真昼さんは笑顔でわたしからお椀を受け取る。
そして、炊飯器の蓋を開けしゃもじで先ずは豚肉としめじの炊き込みご飯を盛り付けそれから、もう一つの炊飯器を開け鮮やかな手つきでたけのこの炊き込みご飯を盛り付ける。
「うわぁ~凄い! 見事にハーフアンドハーフな盛り付けになっていますね」
真昼さんは魔法を使ったのかと思うほど綺麗に右半分が豚肉としめじの炊き込みご飯、左半分がたけのこの炊き込みご飯になっていた。
きっと、わたしが盛り付けるとぐちゃぐちゃになっていただろうな。
お客さんがわたしのおばあちゃんだから笑って許されるとは思うけれど、なんだかな……。
「なんとかハーフアンドハーフになりました」
真昼さんは満面の笑みを浮かべている。
「素晴らしいですね」
わたしがムササビからお椀を受け取ったその時、真昼さんの声が聞こえてきた。
振り返ると真昼さんが高男さんを見上げ尋ねている。
「わたしは何をしたら良いのでしょうか?」
「あ、すみません。真昼さんのことすっかり忘れていました」
「え! それって酷いではないですか」
「あはは、申し訳ありません。では、真歌さんのお手伝いをよろしくお願いします」
「え~!!」とわたしは声を上げてしまう。
「真歌さんは真昼さんの指導係りですよね」
「……そうでしたね」
「では、お願いしますね」
高男さんはそう言ったかと思うと自身の作業に戻り包丁でアボカドを切る。
「真歌さんよろしくお願いします」
「あ、はい、こちらこそよろしくお願いします。えーっとでは、このお椀に豚肉としめじの炊き込みご飯とたけのこの炊き込みご飯をハーフアンドハーフに盛り付けてもらえますか? すみません」
ハーフアンドハーフになんてわたしは綺麗に盛り付ける自信がない。それを真昼さんに押し付けているみたいで悪いなと思いながら真昼さんにお椀を差し出した。
「はい、了解しました」
真昼さんは笑顔でわたしからお椀を受け取る。
そして、炊飯器の蓋を開けしゃもじで先ずは豚肉としめじの炊き込みご飯を盛り付けそれから、もう一つの炊飯器を開け鮮やかな手つきでたけのこの炊き込みご飯を盛り付ける。
「うわぁ~凄い! 見事にハーフアンドハーフな盛り付けになっていますね」
真昼さんは魔法を使ったのかと思うほど綺麗に右半分が豚肉としめじの炊き込みご飯、左半分がたけのこの炊き込みご飯になっていた。
きっと、わたしが盛り付けるとぐちゃぐちゃになっていただろうな。
お客さんがわたしのおばあちゃんだから笑って許されるとは思うけれど、なんだかな……。
「なんとかハーフアンドハーフになりました」
真昼さんは満面の笑みを浮かべている。
「素晴らしいですね」
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