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つくも神のぬいぐるみミケ
真歌の力と
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「わたしは微塵も感じることができなかったですよ」
「まあ、それが普通なのかもしれませんね。ただ、真歌さんもこのムササビカフェ食堂と出会ったんですから何か力があるかもしれないですよ」
「わたしに力が?」
「はい、だって、ムササビカフェ食堂に辿り着く人間は少ないですからね」
高男さんはそう言ってニヤリと笑った。
「今はまだ真歌さんは気づいていないだけかもですね」
「そうなのかな?」
「きっと、そのはずです。それはそうと今回のお客さんはちょっとこのムササビカフェ食堂と深い関わりがあるかも」
そう言いながら高男さんは、
「ムササビちゃんとミケちゃんは人間の女の子に変身出来るんだもの凄いわ」と目をキラキラと輝かせるおばあちゃんをじっと見る。
「深い関わりか……そうですよね、だって、このムササビカフェ食堂の棚にずっと飾られていたミケの持ち主ですもんね」
「そうなんですよね」
わたしと高男さんがそう会話をしていたその時。おばあちゃんが……。
「わたし帰り方がわからないわ」
そう言っておばあちゃんは胸の前で手を握る。
「えっ! 帰り方がわからないのにゃん?」
そんなおばあちゃんをミケが心配そうに見つめる。そして、「だったら真昼ちゃんもムササビカフェ食堂に居るといいにゃん」と言った。
「え!? わたしがここに!」
「うん、だって帰れないんだよね? ねっ、高男さん真昼ちゃんもここに居てもいいにゃんね?」
ミケはこちらに振り向き高男さんを黒目が大きなくりっくりっな目でじっと見る。
「……そ、そうだね。帰り方がわからないのだったら仕方ないな。空いてる部屋もあるからね」と高男さんは答える。
「わ~い! 高男さんありがとうにゃ~ん」とミケはバンザイをして飛び上がった。
「真昼ちゃん良かったね。ここに住めるよ。わたしと一緒に暮らせるにゃんよ」
「嬉しいけれど本当にいいのかしら?」
おばあちゃんは嬉しさと不安が入り交じった表情になる。
「おばあちゃん、いえ、真昼さん。よろしければ帰り方がわかるまでここに住んでゆっくり考えると良いですよ」
高男さんは優しい目差しをおばあちゃん改め真昼さんに向けた。
「まあ、それが普通なのかもしれませんね。ただ、真歌さんもこのムササビカフェ食堂と出会ったんですから何か力があるかもしれないですよ」
「わたしに力が?」
「はい、だって、ムササビカフェ食堂に辿り着く人間は少ないですからね」
高男さんはそう言ってニヤリと笑った。
「今はまだ真歌さんは気づいていないだけかもですね」
「そうなのかな?」
「きっと、そのはずです。それはそうと今回のお客さんはちょっとこのムササビカフェ食堂と深い関わりがあるかも」
そう言いながら高男さんは、
「ムササビちゃんとミケちゃんは人間の女の子に変身出来るんだもの凄いわ」と目をキラキラと輝かせるおばあちゃんをじっと見る。
「深い関わりか……そうですよね、だって、このムササビカフェ食堂の棚にずっと飾られていたミケの持ち主ですもんね」
「そうなんですよね」
わたしと高男さんがそう会話をしていたその時。おばあちゃんが……。
「わたし帰り方がわからないわ」
そう言っておばあちゃんは胸の前で手を握る。
「えっ! 帰り方がわからないのにゃん?」
そんなおばあちゃんをミケが心配そうに見つめる。そして、「だったら真昼ちゃんもムササビカフェ食堂に居るといいにゃん」と言った。
「え!? わたしがここに!」
「うん、だって帰れないんだよね? ねっ、高男さん真昼ちゃんもここに居てもいいにゃんね?」
ミケはこちらに振り向き高男さんを黒目が大きなくりっくりっな目でじっと見る。
「……そ、そうだね。帰り方がわからないのだったら仕方ないな。空いてる部屋もあるからね」と高男さんは答える。
「わ~い! 高男さんありがとうにゃ~ん」とミケはバンザイをして飛び上がった。
「真昼ちゃん良かったね。ここに住めるよ。わたしと一緒に暮らせるにゃんよ」
「嬉しいけれど本当にいいのかしら?」
おばあちゃんは嬉しさと不安が入り交じった表情になる。
「おばあちゃん、いえ、真昼さん。よろしければ帰り方がわかるまでここに住んでゆっくり考えると良いですよ」
高男さんは優しい目差しをおばあちゃん改め真昼さんに向けた。
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