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つくも神のぬいぐるみミケ

ミケとムササビカフェ食堂

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  照れているミケの頭を撫でながらおばあちゃんは、わたし達の方に向き「美味しい料理を作って頂きありがとうございます」と言った。

「いえいえお口に合って良かったです」

  高男さんが代表して答えた。

「美味しかったしそれにミケちゃんと再会ができました」

  おばあちゃんはニコッと笑いそれからミケの顔を見て「ねっ、ミケちゃん」と言いそして、「ミケちゃんのことを思い出したわよ」と言いながら頬を緩める。

  君に会えたら嬉しいなセットにもの凄い力があったのかそれともおばあちゃんとミケの強い想いがこのムササビカフェ食堂へと導いたのだろうか。

  その両方のように感じる。

  高男さんの人の思いを読む力とそれからミケが目覚めたことや、おばあちゃんがここを偶然見つけたことなど人の思いや出来事などが絡み合った結果みんなでこのテーブルを囲むことに繋がったのかな。

  そんなことを考えながらわたしはミケとおばあちゃんを微笑ましくそして、ちょっと不思議な気持ちで眺めた。


  その時。

  ムササビが「おばあちゃんはどうして大切なミケちゃんを手放したんですか」と尋ねた。

  これは、わたしも感じていたことだ。

「え!  あ、それは……」

  おばあちゃんは振り向きムササビを見る。そんなおばあちゃんをムササビはじっと見ている。わたしや高男さんも視線をおばあちゃんに向ける。ミケの瞳もおばあちゃんを見ている。

「手放したわけじゃないのよ」
「ミケちゃんをこんなに大切にしていたんですもんね」
「そうよ、ミケちゃんは娘に譲ったのよ」

  おばあちゃんはそう答えわたし達の顔を順番に見てそれから視線をミケに戻し愛おしそうに眺めた。

  そうだよね。おばあちゃんのミケを見る目や言葉を聞いていると手放したなんてとても考えられない。でも、どうしてミケはこのムササビカフェ食堂の棚に飾られていたのかな?  と疑問は残るけれど……。

  高男さんも知らないらしいしな。

  おばあちゃんの娘さんがミケを手放したのだろうか。ミケは娘さんのことは忘れたのかな?
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