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つくも神のぬいぐるみミケ
さあ、みんなでいただきます
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「う、うん……わたし我慢するにゃん」
ミケは両手をグーに握り肩をぷるぷる震わせ我慢している。
「おいおい、ミケちゃん厨房に戻るぞ」
高男さんがそう言ってミケの腕に手を伸ばそうとしたその時。
「うふふ、お嬢さん良かったら一つどうぞ」とおばあちゃんがにこやかな微笑みを浮かべミケを見る。
「あ、ありがとうですにゃん」
ミケがお礼を言ってサバの巻き寿司に手を伸ばそうとしたのだけど。
「お客様すみません。おい、ミケの海鮮巻き寿司は厨房にあるだろう」
高男さんはおばあちゃんにぺこりと頭を下げミケの腕を掴んだ。
「あらそうなのね」
「気を遣って頂きありがとうございます」
高男さんがミケの代わりにお礼を言う。そして、ミケを引っ張り厨房に戻ろうとしたその時。
「あの、もし良かったらみんなで食べませんか?」
「は~い、食べます。食べますにゃん」
ミケがくるりと振り返り返事をした。
「……おい、ミケちゃん」
高男さんは苦笑する。
「あ、お仕事中ですよね……」
おばあちゃんは、申し訳なさそうに笑う。
「いえ、それは大丈夫です。では、良かったらご一緒に食べてもよろしいでしょうか?」
「もちろんですよ」
おばあちゃんの顔にぱっと花が咲いた。
わたし達はおばあちゃんのテーブルにテーブルをくっつけ賄い料理を並べ腰を下ろす。
「わ~い、美味しそういただきま~す!」
ミケは早速海鮮巻き寿司に手を伸ばし口に運んだ。
「う~ん、サーモンの脂の乗りがよくてめちゃくちゃ美味しいにゃん。それにマグロも美味しいにゃん」
ミケはほくほく顔で海鮮巻き寿司を頬張っている。そして、サバの巻き寿司にも手を伸ばす。
「うふふ、お嬢さんは幸せそうに食べるわね。見ているわたしも幸せな気持ちになるわ」
おばあちゃんはミケの食べている姿を目を細め眺めている。
「わたしね、お魚大好きにゃんだ。あ、カレーライスも好きですよ~」
「なんか猫ちゃんみたいで可愛らしいわね。そうだわ、カレーライスも食べなくちゃ」
おばあちゃんは、言いながらご飯にカレーがかかっている部分をスプーンですくい口に運んだ。
「わっ、美味しいわ」
おばあちゃんはほくほくな笑みを浮かべた。
「あ、店員さん達も食べてくださいね」
おばあちゃんはスプーンをお皿に置きミケ以外のわたし達の顔に目を向け言った。
「はい、ありがとうございます。では、真歌さん、ムササビ食べましょうか。いただきます」
「はい、いただきます」
「いただきま~す」
わたし達も海鮮巻き寿司に手を伸ばした。
ミケは両手をグーに握り肩をぷるぷる震わせ我慢している。
「おいおい、ミケちゃん厨房に戻るぞ」
高男さんがそう言ってミケの腕に手を伸ばそうとしたその時。
「うふふ、お嬢さん良かったら一つどうぞ」とおばあちゃんがにこやかな微笑みを浮かべミケを見る。
「あ、ありがとうですにゃん」
ミケがお礼を言ってサバの巻き寿司に手を伸ばそうとしたのだけど。
「お客様すみません。おい、ミケの海鮮巻き寿司は厨房にあるだろう」
高男さんはおばあちゃんにぺこりと頭を下げミケの腕を掴んだ。
「あらそうなのね」
「気を遣って頂きありがとうございます」
高男さんがミケの代わりにお礼を言う。そして、ミケを引っ張り厨房に戻ろうとしたその時。
「あの、もし良かったらみんなで食べませんか?」
「は~い、食べます。食べますにゃん」
ミケがくるりと振り返り返事をした。
「……おい、ミケちゃん」
高男さんは苦笑する。
「あ、お仕事中ですよね……」
おばあちゃんは、申し訳なさそうに笑う。
「いえ、それは大丈夫です。では、良かったらご一緒に食べてもよろしいでしょうか?」
「もちろんですよ」
おばあちゃんの顔にぱっと花が咲いた。
わたし達はおばあちゃんのテーブルにテーブルをくっつけ賄い料理を並べ腰を下ろす。
「わ~い、美味しそういただきま~す!」
ミケは早速海鮮巻き寿司に手を伸ばし口に運んだ。
「う~ん、サーモンの脂の乗りがよくてめちゃくちゃ美味しいにゃん。それにマグロも美味しいにゃん」
ミケはほくほく顔で海鮮巻き寿司を頬張っている。そして、サバの巻き寿司にも手を伸ばす。
「うふふ、お嬢さんは幸せそうに食べるわね。見ているわたしも幸せな気持ちになるわ」
おばあちゃんはミケの食べている姿を目を細め眺めている。
「わたしね、お魚大好きにゃんだ。あ、カレーライスも好きですよ~」
「なんか猫ちゃんみたいで可愛らしいわね。そうだわ、カレーライスも食べなくちゃ」
おばあちゃんは、言いながらご飯にカレーがかかっている部分をスプーンですくい口に運んだ。
「わっ、美味しいわ」
おばあちゃんはほくほくな笑みを浮かべた。
「あ、店員さん達も食べてくださいね」
おばあちゃんはスプーンをお皿に置きミケ以外のわたし達の顔に目を向け言った。
「はい、ありがとうございます。では、真歌さん、ムササビ食べましょうか。いただきます」
「はい、いただきます」
「いただきま~す」
わたし達も海鮮巻き寿司に手を伸ばした。
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