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つくも神のぬいぐるみミケ

ミケとスーパー

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  スーパーで買い物をしているとリュックの中から、

「ねえ、真歌ちゃんお菓子を買ってよ。わたしビスケットが食べたいな。あ、あんぱんでもいいかな。う~ん、生クリームがたっぷりなパンも食べたいな」なんて声が聞こえてくる。

「ミケちゃん、シーッだよ。喋ると周りの人から不審に思われるでしょ」

  わたしはリュックを背中から下ろし小声で言った。

「にゃはは、そうだよね。面目ない」
「わかってくれたらいいよ」
「は~い、了解しましたにゃん。あ、でも良かったら生クリームがたっぷりなパンを買ってくださいにゃん」
「仕方ないね……」

  わたしはパン棚から生クリームがたっぷりなパンを手に取りカゴに放り込む。これで黙っていてくれるだろうとほっとした。

  さて、買い物の続きをしよう。わたしはスーパーの店内を回り野菜類、お総菜類に飲料類などをカゴにぽーい、ぽーいと放り込む。

  そして、レジに並ぼうとしたその時。

「ねえ、真歌ちゃんこの半額になっているマカロニグラタン美味しそうだにゃん」なんて声が聞こえてきた。

  ち、ちょっと半額だなんて大きな声で言わないでよ。恥ずかしいよ。

「もう、ミケちゃんうるさいよ!」


  背中に背負っていたリュックを下ろすといつの間にかミケがにょきんとその三毛猫のぬいぐるみの顔を出していた。

「ミケちゃん、ちょっと黙っていてよね。約束したのに……」

「えへへ、ごめんね」

  三毛猫のぬいぐるみの姿で笑うミケのその無邪気な顔を見ているとあることに気がついた。

「ねえ、ミケちゃん人間の女の子の姿に化けたらいいんじゃないの?」

「う~ん、そうしたいのは山々なんだけど高尾山じゃないと人間に化けられないのかも」

  ミケはそう答えにゃははと笑った。

「……そうなんだ。じゃあそのぬいぐるみの姿で喋らないでね。お願いだよ」

  わたしはミケのイエローのキラキラ輝く大きな目を真っ直ぐ見つめ言った。

「は~い、了解しましたにゃん。任せていてね」

  なんてミケは答えるけれどやっぱり不安だ。
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