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高尾山のムササビカフェ食堂でお仕事ですよ
お互い気になる
しおりを挟むそれからしばらくお客さんは来なかった。わたしは呑気な人達の隣でぼーっとカウンターキッチンに肘をついていた。
「う~ん、本を読むのも飽きたな~」
ムササビはそう言いながら本をパタンと閉じた。その表紙を横目でチラッと盗み見ると『付喪神について』と書かれていた。
ムササビはきっと不思議なつくも神のミケのことが気になっているのだろう。
「う~ん、わたしも読書するの飽きたにゃん」
ミケも本を閉じ大きく伸びをした。そんなミケが閉じた本にチラッと目を向けると『ムササビ』とタイトルが書かれ空飛ぶムササビのイラストが描かれていた。
どうやらミケもムササビのことが気になっているようだ。
そんなムササビとミケの本を見ているとなんだかおかしくなってわたしはクスッと笑った。
「ん? 真歌ちゃんなんか面白いことがあったの?」
「真歌ちゃん面白いことがあったのにゃん?」
ムササビとミケはこちらに振り向きほぼ同時に言った。
「うふふ、ムササビちゃんもミケちゃんもお互いのことが気になっているんだな~って思ったらなんだかおかしくてそして可愛らしいな~って思ったんだよ」
わたしは口元に手を当ててムササビとミケの顔を交互に眺め笑った。わたしもムササビのこともミケのことも気になるもんね。
高男さんもこちらを見て笑っている。
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