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高尾山のムササビカフェ食堂でお仕事ですよ
エプロンをつけるとムササビカフェ食堂の店員です
しおりを挟む少しだけ山道を歩くとムササビカフェ食堂のピンク色の三角屋根が見えてきた。カフェの前にはチョークアートで『ムササビカフェ食堂でごゆっくり』と描かれた立て看板が置かれている。
「今日もたどり着いたよ」とわたしは声に出す。そして、深呼吸を二度してから木製の引き戸をがらがらと開けた。
すると、「真歌さん、おはようございます」、「真歌ちゃん、おはよう」、「真歌ちゃんおはようにゃん」と元気な挨拶が聞こえてきた。
高男さんもムササビもそれからミケも両手を横に広げている。これはこの人達流の挨拶の仕方のようだ。因みにムササビとミケは人間の女の子の姿に化けている。
「みなさん、おはようございま~す」とわたしも挨拶をした。もちろん両手は広げたりはしていない。
「待っていましたよ。ちゃんと来てくれて良かったですよ」
高男さんがにっこりと笑う。
「わたしはバックレたりなんてしませんよ」
わたしもにっこりと笑った。そして、「では、荷物を置いてきますね」と言って更衣室兼休憩室に向かった。
更衣室兼休憩室のロッカーにリュックをしまいわたしはムササビとティーカップが可愛らしいロゴ入りのエプロンを手に取りつける。
全身鏡の前で身だしなみチェックをしてにっこりと笑顔を作る。
「うん、これでよし」
エプロンをつけるだけでムササビカフェ食堂の店員に見える。
「いらっしゃいませ」と鏡の前で練習してみた。
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