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つくも神

夜の高尾山

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「では、そろそろ夜のお出かけに行こうかな」

  ムササビがそう言ってニマッと笑ったかと思うといつの間にか人間の女の子の姿からムササビの姿になっていた。

「わっ、ムササビちゃんがムササビになった~!」
「わっ、これこそムササビちゃんの真の姿だにゃん!」

  わたしとミケはもふもふな姿になっているムササビをじっと見て興奮した。

「ふふん、ムササビな姿のわたしも可愛いでしょ。さあ、行くよ」

  動物の姿のムササビは尻尾をリスのように背負ったポーズでもふっと二本足で立った。そして、可愛らしい手で引き戸をガラガラと開け外に出る。わたしとミケもそれに続く。これから夜の散歩だなと思うとめちゃくちゃワクワクする。

  高尾山の外は周りを遮る建物が何もなく空を見上げると星がキラキラと輝き驚くほど美しかった。

「綺麗な夜空だね」

  わたしは、空を見上げながら言った。

「うふふ、高尾山は素敵なところだよ」
「本当にそうだね。それでいて山から見下ろすキラキラ輝く街並みも綺麗だね」

「あれは八王子市の中心街の灯りだね。なんかイルミネーションみたい~」

「ほんとだにゃん、綺麗だね~」

  わたし達は夜の高尾山の澄んだ空気を胸いっぱいに吸い込みキラキラと輝く美しい夜景を眺めた。遠くには新宿のビル街やそれから東京タワーやスカイツリーも見えた。

 
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