わたし雑草がぼうぼうと生えているおばあちゃんの家にお邪魔します!(猫と不思議な生き物が住みついています)

なかじまあゆこ

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5 静香と三毛猫

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 わたしと美紀香ちゃんは今、座布団に腰を下ろし、みたらし団子を食べている。

「ねっ、美味しいにゃんでしょう?」

 ミケたんはみたらし団子を頬張りながら言った。

「うん、美味しいね」
「美味しいよ」

 口に運んだみたらし団子はタレは甘辛くて団子はもちっとしていてめちゃくちゃ美味しかった。

「喜んでもらえて良かったにゃん」

「なんかミケたんのお家にお邪魔しているみたいになってるね」

 美紀香ちゃんが口に手を当ててくふふと笑った。

「そうだよ。まゆかおばあちゃんの家なのにミケたんに招待されているみたいだよ」

 わたしもくふふと笑いながら言った。

「ありゃまにゃん。にゃはは、そうだね」

 にゃははと笑うミケたんの口の周りはタレで汚れている。どこからどう見ても小さな女の子だ。
「ミケたんはいつもこれだからね」

 まゆかおばあちゃんはクククッと笑いながらミケたんにおしぼりを差し出した。

 ミケたんは差し出されたおしぼりを受け取り口の周りを拭き照れたように笑った。

 わたしは照れるんかいと思うと可笑しくなった。




 みたらし団子もジャスミンティーも美味しかった。

 まゆかおばあちゃんはわたしのおばあちゃんや親戚でもないのにお菓子を食べさせてくれている。いいのかな? と思ってしまう。

 だけど、まゆかおばあちゃんは「ことりちゃんと美紀香ちゃんが家に来てくれると賑やかになって嬉しいよ」と言って一点の曇りもない笑顔を浮かべた。

 だから遠慮しないでお邪魔してもいいよね。

「まゆかおばあちゃんみたらし団子美味しかったよ」

「それは良かった。みたらし団子はわたしの定番のお菓子の一つなんだよ」

 まゆかおばあちゃんは美味しそうな顔で笑う。

「あ、まゆかおばあちゃんのほっぺたにみたらし団子のタレがくっついていますよ」

 美紀香ちゃんがぷぷっと笑いながら言った。

「あらあら、これじゃあミケたんとお揃いじゃないの」

 まゆかおばあちゃんは頭を掻きちょっと照れたように笑った。

「にゃはは、わたしとお揃いにゃん。はい、おばあちゃんおしぼりにゃん」

 ミケたんはにゃははと笑いながらまゆかおばあちゃんにおしぼりを渡した。

「ミケたんありがとう」とまゆかおばあちゃんはお礼を言って受け取ったおしぼりでほっぺたを拭いた。

 その時。

「まゆかおばあちゃん」と誰かの声が聞こえてきた。

 この声は。


「ねえ、まゆかおばあちゃん居る?」

 まゆかおばあちゃんの名を呼びながら少女が縁側から部屋に入って来た。

 この少女は……。ハーフツインテールの髪の毛を三毛猫のゴムで結わえている。

 うわぁーこの少女はわたしのよく知っている子だ。

「わっ、どうしてことりちゃんがまゆかおばあちゃんの家に居るの?」

 その女の子は目を大きく見開きわたしの顔をじっと見た。

「し、静香ちゃんこそ!」

 そうなのだ。この少女は静香だったのだ。

「あらあら、静香ちゃんとことりちゃんは知り合いだったの? お友達かしら?」

 きょとん顔で首を横に傾げるまゆかおばあちゃんにわたしと静香は「違う!」とほぼ同時に叫んだ。

「ん? 違うの? 確か二人とも五年生だよね」

 まゆかおばあちゃんはわたしと静香を交互に見て言った。
「そうだよ。この子クラスメイトだけどわたしの真似ばっかりして困っているんだよね」

 静香はそう言って唇を尖らせた。

「はぁ? わたし真似なんかしてないよ」

 わたしは静香をキッと睨んで言った。

「もう静香ちゃんもことりちゃんもケンカしないでよ」

 まゆかおばあちゃんはわたしの肩と静香の肩を軽くポンポンと叩きながら言った。  

 なんだか静香とまゆかおばあちゃんは親しそうだなと感じた。二人はどんな関係なんだろう? そんなことを考えながらわたしは静香とまゆかおばあちゃんの顔をじっと眺めた。

 すると静香が。
 
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