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4 いざ、雑草がぼうぼうに生えているおばあちゃんの家へ
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「やっぱりまゆかおばあちゃんの庭は雑草がぼうぼうに生えているね」
だって、雑草がわたしの肩くらいまでの高さまで伸びているんだもん。
「うふふ、ここ何年まったく草抜きしてないからね」
まゆかおばあちゃんはなぜだか得意げに胸を張る。
「まゆかおばあちゃんってばそこ自慢するところじゃないよ」
「あら、そうなの」
まゆかおばあちゃんは口元に手を当ててフフッと笑っている。
「さあ、気合いを入れて草抜きするにゃん!」
ミケたんが自分の頭くらいまでの高さに伸びている雑草を見上げて言った。
「う~ん、抜いても抜いても雑草が生い茂っているね」
ヨッシャと入れた気合いはどこへやらわたしはへたばりそうになっている。
だって、伸びっぱなしの雑草は葉が大きくて根が張っていたのだから。
わたしはうんしょと気合いを入れ引っこ抜く。でもなかなか大変だ。
まゆかおばあちゃんは、「雑草さんごめんなさい。あら、なかなか抜けないわね」と言いながら草を抜く。
わたしやみんなも一生懸命草抜きをした。まゆかおばあちゃんの庭は果たして綺麗になるのかな。
「わたし、疲れた~喉渇いた」
美紀香ちゃんが草をブチブチ抜きながら駄々をこねはじめる。
「草抜き始めてまだ五分くらいしか経ってないぞ」
結太が呆れたような声を出す。
「だって、まゆかおばあちゃんの雑草ってばなかなか引っこ抜けないんだもん。めげちゃうよ」
美紀香ちゃんはそう言いながら雑草をブチブチーと抜いている。
「美紀香ちゃんありがとう。疲れたわよね。みんなそろそろ休憩にしましょうか。 麦茶でも飲む?」
まゆかおばあちゃんがニコニコ笑顔で言った。
「あ、はい。飲む、飲みます」
美紀香ちゃんのさっきまでブーブー文句を言って膨れっ面だったその顔はぱぁと明るく輝いた。まったく美紀香ちゃんは現金なヤツだ。
なんてね。わたしも麦茶飲みたい。
わたし達は手についた泥を庭の手洗い場でゴシゴシと擦り洗う。
そして、縁側に座りまゆかおばあちゃんがグラスに注いでくれた麦茶をゴクゴクと飲む。ひんやりと冷たくて気分爽快だ。
「うん、ぷふぁー美味しい~」とわたしは思わず声に出す。
「チュンチュンことりってビールを飲むおっさんみたいだな」
結太が憎たらしくニッと笑いわたしを見る。
「おっさんって誰がよ」
わたしはフンと鼻息を荒くして結太を睨む。
「ことりがチュンチュンに決まってるだろう。しかもその鼻息おっさんだ~」
結太はニヤニヤ笑い腹が立つ。
「何ですって!」
わたしはキーッと結太を睨む。
「あらあら、ケンカしちゃダメよ」
まゆかおばあちゃんがそう言いながら水ようかんをわたし達の目の前に置いた。
「わ~い! 水ようかんだ~」
わたしと結太の声が揃ってしまった。
そんなわたし達を見て美紀香ちゃんがクスクスと笑う。
まゆかおばあちゃんも「やっぱり気が合うのね」なんて言って笑うんだから嫌になる。
わたしと結太が「気なんか合ってない」とほっぺたをぷくっと膨らませていたその時、
「チュンチュンと言えばスズメだよね」とまゆかおばあちゃんが言った。
「スズメがどうかしたんですか?」
わたしは首を横に傾げ尋ねる。
「うん、実はね結太君との出会いなんだけどね」
「まゆかおばあちゃんと結太の出会いですか?」
それは気になっていたことなので知りたい。どうして結太がここにいるのか不思議だったから。
「あ、まゆかおばあちゃん教えてやらなくてもいいんじゃないですか」
水ようかんを大きな口を開けて食べていた結太が慌てた素振りをみせた。そんな結太を見るとより知りたくなる。
「まゆかおばあちゃん教えて」
わたしはまゆかおばあちゃんの顔をじっと見て言った。
美紀香ちゃんも「わたしも~」と言った。
「うふふ、それはね」
だって、雑草がわたしの肩くらいまでの高さまで伸びているんだもん。
「うふふ、ここ何年まったく草抜きしてないからね」
まゆかおばあちゃんはなぜだか得意げに胸を張る。
「まゆかおばあちゃんってばそこ自慢するところじゃないよ」
「あら、そうなの」
まゆかおばあちゃんは口元に手を当ててフフッと笑っている。
「さあ、気合いを入れて草抜きするにゃん!」
ミケたんが自分の頭くらいまでの高さに伸びている雑草を見上げて言った。
「う~ん、抜いても抜いても雑草が生い茂っているね」
ヨッシャと入れた気合いはどこへやらわたしはへたばりそうになっている。
だって、伸びっぱなしの雑草は葉が大きくて根が張っていたのだから。
わたしはうんしょと気合いを入れ引っこ抜く。でもなかなか大変だ。
まゆかおばあちゃんは、「雑草さんごめんなさい。あら、なかなか抜けないわね」と言いながら草を抜く。
わたしやみんなも一生懸命草抜きをした。まゆかおばあちゃんの庭は果たして綺麗になるのかな。
「わたし、疲れた~喉渇いた」
美紀香ちゃんが草をブチブチ抜きながら駄々をこねはじめる。
「草抜き始めてまだ五分くらいしか経ってないぞ」
結太が呆れたような声を出す。
「だって、まゆかおばあちゃんの雑草ってばなかなか引っこ抜けないんだもん。めげちゃうよ」
美紀香ちゃんはそう言いながら雑草をブチブチーと抜いている。
「美紀香ちゃんありがとう。疲れたわよね。みんなそろそろ休憩にしましょうか。 麦茶でも飲む?」
まゆかおばあちゃんがニコニコ笑顔で言った。
「あ、はい。飲む、飲みます」
美紀香ちゃんのさっきまでブーブー文句を言って膨れっ面だったその顔はぱぁと明るく輝いた。まったく美紀香ちゃんは現金なヤツだ。
なんてね。わたしも麦茶飲みたい。
わたし達は手についた泥を庭の手洗い場でゴシゴシと擦り洗う。
そして、縁側に座りまゆかおばあちゃんがグラスに注いでくれた麦茶をゴクゴクと飲む。ひんやりと冷たくて気分爽快だ。
「うん、ぷふぁー美味しい~」とわたしは思わず声に出す。
「チュンチュンことりってビールを飲むおっさんみたいだな」
結太が憎たらしくニッと笑いわたしを見る。
「おっさんって誰がよ」
わたしはフンと鼻息を荒くして結太を睨む。
「ことりがチュンチュンに決まってるだろう。しかもその鼻息おっさんだ~」
結太はニヤニヤ笑い腹が立つ。
「何ですって!」
わたしはキーッと結太を睨む。
「あらあら、ケンカしちゃダメよ」
まゆかおばあちゃんがそう言いながら水ようかんをわたし達の目の前に置いた。
「わ~い! 水ようかんだ~」
わたしと結太の声が揃ってしまった。
そんなわたし達を見て美紀香ちゃんがクスクスと笑う。
まゆかおばあちゃんも「やっぱり気が合うのね」なんて言って笑うんだから嫌になる。
わたしと結太が「気なんか合ってない」とほっぺたをぷくっと膨らませていたその時、
「チュンチュンと言えばスズメだよね」とまゆかおばあちゃんが言った。
「スズメがどうかしたんですか?」
わたしは首を横に傾げ尋ねる。
「うん、実はね結太君との出会いなんだけどね」
「まゆかおばあちゃんと結太の出会いですか?」
それは気になっていたことなので知りたい。どうして結太がここにいるのか不思議だったから。
「あ、まゆかおばあちゃん教えてやらなくてもいいんじゃないですか」
水ようかんを大きな口を開けて食べていた結太が慌てた素振りをみせた。そんな結太を見るとより知りたくなる。
「まゆかおばあちゃん教えて」
わたしはまゆかおばあちゃんの顔をじっと見て言った。
美紀香ちゃんも「わたしも~」と言った。
「うふふ、それはね」
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