17 / 40
4 いざ、雑草がぼうぼうに生えているおばあちゃんの家へ
7
しおりを挟む
「あはは、仲良しね。ケンカもいいけどアイス食べるでしょう?」
おばあちゃんがあずきバーをじゃーんとわたし達に見せた。
「あ、食べる、食べます」とわたしが言うと美紀香ちゃんも「食べま~す。わたしあずきバー大好き」と言った。
「はいはい、わたしも食べるにゃ~ん」
にゃぱと笑ったミケたんが手を差し出した。
この猫なのか人間なんだかよくわからないミケたんは何でも食べるんだなと思うとちょっと可笑しくて笑ってしまった。
わたし達はまゆかおばあちゃんの家の縁側に腰を下ろしみんなであずきバーを食べた。
あずきバーは小豆がたっぷり入っていて小豆のほんのりした甘みがとっても美味しい。
穏やかな風が吹き心地よい。このメンバーで縁側に並んで座りあずきバーを食べているなんてなんだか不思議だ。だけど、楽しいなと思った。
セミもミーンミーン、ジージーッと鳴いている。もうすぐ夏休みがやって来るなと思うと嬉しくなる。
わたしの足元には牛柄ちゃんとトラ猫ちゃんがうろうろしている。めちゃくちゃ可愛い。
それはそうとこの子達は普通の猫ちゃんなのかな? あずきバーをかじりながらそんなことを考えた。
それとアイツだ。結太はどうしてここに居るんだろう?
結太は二本目のあずきバーにかじり付き、「わっ、冷たいっ!」なんて言っている。
「まゆかおばあちゃんの家は縁側があっていいな。でも、どうして草むしりしないんですか?」
わたしが不思議に思っていたことを美紀香ちゃんが尋ねた。
「ああ、そうね。だって、雑草も頑張って生きているんだもの引っこ抜くと可哀想かなと思ってしまうんだよね」
おばあちゃんは、雑草がぼうぼうに生えている庭を見て言った。
「うん、たしかにそうだけど雑草がぼうぼう過ぎるような気がするんですけど」
美紀香ちゃんははっきりと言うんだから凄いよ。
「わたしもぼうぼう過ぎるって思います。でも、雑草も頑張って生きているんですよね」
そう考えるとちょっと引っこ抜かれて道端に捨てられている雑草がちょっと可哀想かなと思ってしまった。
「わたし達もここを遊び場にしてるからにゃん」
ミケたんが人間の女の子の姿で雑草の中にぴょ~んと飛び込む。そのあとに牛柄ちゃんとトラ猫ちゃんも続く。
「あ、こらこらミケたん! 牛柄ちゃん、トラちゃん!」
まゆかおばあちゃんは立ち上がり猫達に注意をする。だけど、ミケたんは人の話を聞いていないようだ。他の猫達ももちろん。
ぴょんぴょんぴょんぴょーんと雑草の中を走りまくる。可愛い奴だ。
「う~ん、雑草の中で遊ぶのは楽しいにゃん。けど虫さんがいてわたし痒いにゃん」
ミケたんは雑草の中で飛び跳ねて大騒ぎだ。
「あはは、あの子雑草踏みつけまくっているよ。まゆかおばあちゃんいいの?」
それまで黙っていた結太が言った。確かにその通りだ。
「こ~ら、ミケたん。こっちに戻っていらっしゃい。牛柄ちゃんもトラちゃんもよ」
まゆかおばあちゃんは目を三角にして言った。
「にゃはは~牛柄ちゃんにトラちゃん楽しいね~」
聞いちゃいないミケたんだ。
「ミケたん、虫さんで痒いって大騒ぎするんでしょ」
まゆかおばあちゃんは言いながら沓脱《くつぬぎ》ぎ石から庭に降りてミケたん達が遊んでいる雑草がぼうぼうに生えている場所へ行く。
「あ、おばあちゃん」
葉っぱをたくさんくっつけた顔でミケたんはまゆかおばあちゃんを見た。
おばあちゃんがあずきバーをじゃーんとわたし達に見せた。
「あ、食べる、食べます」とわたしが言うと美紀香ちゃんも「食べま~す。わたしあずきバー大好き」と言った。
「はいはい、わたしも食べるにゃ~ん」
にゃぱと笑ったミケたんが手を差し出した。
この猫なのか人間なんだかよくわからないミケたんは何でも食べるんだなと思うとちょっと可笑しくて笑ってしまった。
わたし達はまゆかおばあちゃんの家の縁側に腰を下ろしみんなであずきバーを食べた。
あずきバーは小豆がたっぷり入っていて小豆のほんのりした甘みがとっても美味しい。
穏やかな風が吹き心地よい。このメンバーで縁側に並んで座りあずきバーを食べているなんてなんだか不思議だ。だけど、楽しいなと思った。
セミもミーンミーン、ジージーッと鳴いている。もうすぐ夏休みがやって来るなと思うと嬉しくなる。
わたしの足元には牛柄ちゃんとトラ猫ちゃんがうろうろしている。めちゃくちゃ可愛い。
それはそうとこの子達は普通の猫ちゃんなのかな? あずきバーをかじりながらそんなことを考えた。
それとアイツだ。結太はどうしてここに居るんだろう?
結太は二本目のあずきバーにかじり付き、「わっ、冷たいっ!」なんて言っている。
「まゆかおばあちゃんの家は縁側があっていいな。でも、どうして草むしりしないんですか?」
わたしが不思議に思っていたことを美紀香ちゃんが尋ねた。
「ああ、そうね。だって、雑草も頑張って生きているんだもの引っこ抜くと可哀想かなと思ってしまうんだよね」
おばあちゃんは、雑草がぼうぼうに生えている庭を見て言った。
「うん、たしかにそうだけど雑草がぼうぼう過ぎるような気がするんですけど」
美紀香ちゃんははっきりと言うんだから凄いよ。
「わたしもぼうぼう過ぎるって思います。でも、雑草も頑張って生きているんですよね」
そう考えるとちょっと引っこ抜かれて道端に捨てられている雑草がちょっと可哀想かなと思ってしまった。
「わたし達もここを遊び場にしてるからにゃん」
ミケたんが人間の女の子の姿で雑草の中にぴょ~んと飛び込む。そのあとに牛柄ちゃんとトラ猫ちゃんも続く。
「あ、こらこらミケたん! 牛柄ちゃん、トラちゃん!」
まゆかおばあちゃんは立ち上がり猫達に注意をする。だけど、ミケたんは人の話を聞いていないようだ。他の猫達ももちろん。
ぴょんぴょんぴょんぴょーんと雑草の中を走りまくる。可愛い奴だ。
「う~ん、雑草の中で遊ぶのは楽しいにゃん。けど虫さんがいてわたし痒いにゃん」
ミケたんは雑草の中で飛び跳ねて大騒ぎだ。
「あはは、あの子雑草踏みつけまくっているよ。まゆかおばあちゃんいいの?」
それまで黙っていた結太が言った。確かにその通りだ。
「こ~ら、ミケたん。こっちに戻っていらっしゃい。牛柄ちゃんもトラちゃんもよ」
まゆかおばあちゃんは目を三角にして言った。
「にゃはは~牛柄ちゃんにトラちゃん楽しいね~」
聞いちゃいないミケたんだ。
「ミケたん、虫さんで痒いって大騒ぎするんでしょ」
まゆかおばあちゃんは言いながら沓脱《くつぬぎ》ぎ石から庭に降りてミケたん達が遊んでいる雑草がぼうぼうに生えている場所へ行く。
「あ、おばあちゃん」
葉っぱをたくさんくっつけた顔でミケたんはまゆかおばあちゃんを見た。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
氷鬼司のあやかし退治
桜桃-サクランボ-
児童書・童話
日々、あやかしに追いかけられてしまう女子中学生、神崎詩織(かんざきしおり)。
氷鬼家の跡取りであり、天才と周りが認めているほどの実力がある男子中学生の氷鬼司(ひょうきつかさ)は、まだ、詩織が小さかった頃、あやかしに追いかけられていた時、顔に狐の面をつけ助けた。
これからは僕が君を守るよと、その時に約束する。
二人は一年くらいで別れることになってしまったが、二人が中学生になり再開。だが、詩織は自身を助けてくれた男の子が司とは知らない。
それでも、司はあやかしに追いかけられ続けている詩織を守る。
そんな時、カラス天狗が現れ、二人は命の危険にさらされてしまった。
狐面を付けた司を見た詩織は、過去の男の子の面影と重なる。
過去の約束は、二人をつなぎ止める素敵な約束。この約束が果たされた時、二人の想いはきっとつながる。
一人ぼっちだった詩織と、他人に興味なく冷たいと言われている司が繰り広げる、和風現代ファンタジーここに開幕!!
クール王子はワケアリいとこ
緋村燐
児童書・童話
おじさんが再婚した事で新しく出来たいとこ。
同じ中学に入学してきた上に、引っ越し終わるまでうちに住む!?
学校ではクール王子なんて呼ばれている皓也。
でも彼には秘密があって……。
オオカミに変身!?
オオカミ人間!?
え?
じゃなくて吸血鬼!?
気になるいとこは、ミステリアスでもふもふなヴァンパイアでした。
第15回絵本・児童書大賞にて奨励賞を頂きました。
野いちご様
ベリーズカフェ様
魔法のiらんど様
エブリスタ様
にも掲載しています。
なんでおれとあそんでくれないの?
みのる
児童書・童話
斗真くんにはお兄ちゃんと、お兄ちゃんと同い年のいとこが2人おりました。
ひとりだけ歳の違う斗真くんは、お兄ちゃん達から何故か何をするにも『おじゃまむし扱い』。
どうかわたしのお兄ちゃんを生き返らせて
なかじまあゆこ
児童書・童話
最悪な結末が……。
わたしの大好きなお兄ちゃんは、もうこの世にいない。
大好きだった死んだお兄ちゃんに戻ってきてもらいたくて、史砂(ふみさ)は展望台の下で毎日、「お兄ちゃんが戻ってきますように」と祈っている。そんな時、真っ白な人影を見た史砂。
それから暫くすると史砂の耳に悪魔の囁き声が聞こえてきて「お前のお兄ちゃんを生き返らせてほしいのであれば友達を犠牲にしろ」と言うのだけど。史砂は戸惑いを隠せない。
黒いカラスが史砂を襲う。その理由は? 本当は何が隠されているのかもしれない。どんどん迫り来る恐怖。そして、涙……。
最後まで読んでもらえると分かる内容になっています。どんでん返しがあるかもしれないです。
兄妹愛のホラーヒューマンそしてカラスが恐ろしい恐怖です。よろしくお願いします(^-^)/
化け猫ミッケと黒い天使
ひろみ透夏
児童書・童話
運命の人と出会える逢生橋――。
そんな言い伝えのある橋の上で、化け猫《ミッケ》が出会ったのは、幽霊やお化けが見える小学五年生の少女《黒崎美玲》。
彼女の家に居候したミッケは、やがて美玲の親友《七海萌》や、内気な級友《蜂谷優斗》、怪奇クラブ部長《綾小路薫》らに巻き込まれて、様々な怪奇現象を体験する。
次々と怪奇現象を解決する《美玲》。しかし《七海萌》の暴走により、取り返しのつかない深刻な事態に……。
そこに現れたのは、妖しい能力を持った青年《四聖進》。彼に出会った事で、物語は急展開していく。
ヴァンパイアハーフにまもられて
クナリ
児童書・童話
中学二年の凛は、文芸部に所属している。
ある日、夜道を歩いていた凛は、この世ならぬ領域に踏み込んでしまい、化け物に襲われてしまう。
そこを助けてくれたのは、ツクヨミと名乗る少年だった。
ツクヨミに従うカラス、ツクヨミの「妹」だという幽霊、そして凛たちに危害を加えようとする敵の怪異たち。
ある日突然少女が非日常の世界に入り込んだ、ホラーファンタジーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる