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3 給食タイム
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しおりを挟む午前中の授業が終わりキーンコーンカーンコーンとチャイムが鳴った。お待ちねの給食の時間だ。
やったー。
今日の給食はカレーライス、唐揚げ、きな粉揚げパン、サラダに牛乳だった。
ぐふふ、これこそわたしの大好きなメニューだ。
ただ、美紀香ちゃんとクラスが離れてしまったので「美味しいね」と共に喜び合えないことが残念だ。
それでもわたしの一番大好きなカレーライスと唐揚げなのだから嬉しくてヨダレが垂れそうになる。
給食当番のクラスメイトが給食の白衣に身を包みカレーをお皿に盛りつけている。
わたしは給食当番ではないのでトレーを持って並ぶ。カレーのスパイシーな香りがぷーんと漂ってきて食べる前から幸せだ。
そして、わたしの順番がやってきた。カレーライスを受け取ろうとして顔を上げると、配膳係の男子と目が合った。
「おっ、食い意地の張ったことりがちゅんちゅんピヨピヨじゃないか」
「あ、ゲゲゲッ! 結太の列に並んでしまったよ」
わたしが口を尖らせると、結太の奴は、
「ちゅんちゅんピヨピヨことりのカレーライスは小盛にしようかな~?」と意地悪なことを言う。
「そんな意地悪なこと言わないでよ」
わたしは頬を盛大に膨らませた。
「あはは、わかったよ。じゃあ、特別大盛りにしてやるよ」
結太はニッと笑った。
「やったね! 結太はいい奴だよ~」
「ふ~ん、大盛りにするといい奴に変わるんだね。大食いちゅんちゅんピヨピヨだな~」
「はい、大盛りカレーどうぞ~たくさん食べて大きくなれよ~ことり」
結太はそう言いながらわたしのトレーに大盛りカレーライスをドーンと載せてくれた。それはとっても嬉しいのと同時に大きくなれよにムッとした。
「ふん、小柄で悪かったね。結太こそたくさん食べて大きくなるんだよ」
せっかくお礼をいようと思ったのにさ。一言多いよ。
でも、わたしは大盛りカレーライスに大満足だ。次は唐揚げだ。
わくわくしながら今度は唐揚げの配膳台の列に並んだのだけど、顔を上げると給食当番の白衣に身を包んだら静香と目が合った。
う、うげげっ! 思わず声を上げてしまいそうになった。
「あら、ことりちゃん」
静香はそう言いながらわたしのお皿に唐揚げを盛りつけた。
「えっ!」
「ん? ことりちゃんどうしたの?」
静香はきょとん顔で首を横に傾げる。わざとらしいよ。だって‥‥‥。
「どうしてわたしの唐揚げ二個しかないの? 三個だよね?」
「あら、間違えちゃった。でも、ことりちゃんのカレーライス大盛りだから二個でいいんじゃな~い」
静香は口元に手を当ててうふふと笑う。
わたしは笑う静香をキッと睨む。
「あ、そっか、ことりちゃんはチビだから大きくならなきゃなんだね~」
静香は可愛い顔を歪めわたしのお皿に唐揚げをもう一個追加した。
に、憎たらしいよ。
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