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那覇に戻ってきました
しおりを挟むそして、船上から懐かしい那覇 泊港《とまりこう》が見えてきた。大きな建物が立ち並び先程まで座間味島の素朴な景色の中にいたことが夢の中の出来事のように感じられた。
「きらりちゃん、戻ってきたね」
「うん、愛可。日常って感じだね」
また、近いうちにおばぁとお母さんのいる座間味島に行くからね。
ただいま那覇。
わたしは、座間味島からいつもの日常に帰ってきた。
そして、船から下船したわたしときらりちゃんは泊ふ頭ターミナル(とまりん)の待合室の椅子に座りペットボトルのさんぴん茶を飲んだ。
するとその時、よく聞きなれた声が聞こえてきた。
「愛可さんにきらりちゃん」
前方から紫色の派手なスーツに身を包んだ美川さんが手を振りこちらに向かってきた。
「あのスーツ目立つね」
「だよね、あの紫色のスーツを見ただけで美川さんだってすぐに分かるね」
「うん、もう一層のこと紫色の割烹着を来たらいいかもね」
「あははっ、それって美川さんらしいよね」
わたしときらりちゃんは顔を見合わせて笑い合った。
「なんか面白いことでもあったのかい?」
気がつくと美川さんがわたしは達の目の前に立ち首を傾げていた。
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