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この日のソーミンチャンプルーはきっと
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「わたしも愛可を見習わないとね」
お母さんがお箸をお皿に置きながらポツリと呟いた。
「えっ!?」
「その笑顔はなかなか真似できないけどね。わたしももう少し表情豊かにならなきゃね。あ、お母さんこのソーミンチャンプルー美味しいわよ」
お母さんは、わたしの顔を見てから視線をおばぁに移し言った。
「あらあら、里可ありがとう。嬉しいわ」
おばぁは顔をしわくちゃにさせて笑った。
そんなふうに幸せそうに笑うおばぁの笑顔を眺めているとわたしまで嬉しくなった。今からでも遅くはない。
これからおばぁとお母さんにいっぱい甘えよう。
そんなことを考えながらわたしがおばぁとお母さんを眺めニコニコしていると、ポンポンと肩を叩かれた。振り返るときらりちゃんがにっこりと笑っていた。
「愛可良かったね」
「うん、おばぁとお母さんも仲良くなれたみたい」
「歩み寄りの先輩のきらりも嬉しいよ~」
「きらり先輩のおかげかもね!」
わたしは、うふふと笑いながらこの日のソーミンチャンプルーの味を忘れることはないだろうなと思った。
お母さんがお箸をお皿に置きながらポツリと呟いた。
「えっ!?」
「その笑顔はなかなか真似できないけどね。わたしももう少し表情豊かにならなきゃね。あ、お母さんこのソーミンチャンプルー美味しいわよ」
お母さんは、わたしの顔を見てから視線をおばぁに移し言った。
「あらあら、里可ありがとう。嬉しいわ」
おばぁは顔をしわくちゃにさせて笑った。
そんなふうに幸せそうに笑うおばぁの笑顔を眺めているとわたしまで嬉しくなった。今からでも遅くはない。
これからおばぁとお母さんにいっぱい甘えよう。
そんなことを考えながらわたしがおばぁとお母さんを眺めニコニコしていると、ポンポンと肩を叩かれた。振り返るときらりちゃんがにっこりと笑っていた。
「愛可良かったね」
「うん、おばぁとお母さんも仲良くなれたみたい」
「歩み寄りの先輩のきらりも嬉しいよ~」
「きらり先輩のおかげかもね!」
わたしは、うふふと笑いながらこの日のソーミンチャンプルーの味を忘れることはないだろうなと思った。
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