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美川さんと『幸せの運び屋』
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「俺が、『幸せの運び屋』の仕事を始めたのは周りの人達に笑顔になってもらいたかったからなんですよ。あ、俺は笑顔が苦手なんだけどね」
美川さんはそう言って笑っているのかいないのかよく分からない表情でわたしの顔を見た。
「そうなんですよね。でも、どうしてわたしを探していたんですか?」
「森浜のおばさんから聞いた愛可さんの笑顔があればより多くの人に幸せな気持ちになってもらえるかなと思って食堂巡りをしていたんだよ」
「……そうだったんですか! ちょっとびっくりしてしまいました」
だって、ただ、ご飯を笑顔で食べているだけの平凡なこのわたしを探していたなんてびっくりしてしまうではないか。
「愛可さんのおかげでたくさんのお客さんに幸せをプレゼント出来ていますよ」
美川さんはそう言っていつもの怖い顔がほんの少し頬が緩み笑顔になった。
「もし、ちょっとでもお役に立てているんだったらわたしは嬉しいです」
「めちゃくちゃ役に立っていますよ。愛可さんありがとう」
「あ、いえ、わたしは好きなご飯を笑顔で食べているだけですよ」
でも、美川さんのその言葉がとても嬉しくてわたしの頬は緩んだ。
美川さんはそう言って笑っているのかいないのかよく分からない表情でわたしの顔を見た。
「そうなんですよね。でも、どうしてわたしを探していたんですか?」
「森浜のおばさんから聞いた愛可さんの笑顔があればより多くの人に幸せな気持ちになってもらえるかなと思って食堂巡りをしていたんだよ」
「……そうだったんですか! ちょっとびっくりしてしまいました」
だって、ただ、ご飯を笑顔で食べているだけの平凡なこのわたしを探していたなんてびっくりしてしまうではないか。
「愛可さんのおかげでたくさんのお客さんに幸せをプレゼント出来ていますよ」
美川さんはそう言っていつもの怖い顔がほんの少し頬が緩み笑顔になった。
「もし、ちょっとでもお役に立てているんだったらわたしは嬉しいです」
「めちゃくちゃ役に立っていますよ。愛可さんありがとう」
「あ、いえ、わたしは好きなご飯を笑顔で食べているだけですよ」
でも、美川さんのその言葉がとても嬉しくてわたしの頬は緩んだ。
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