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食堂のおばさん
しおりを挟むわたしときらりちゃんがゴーヤチャンプルーについて熱く語り合っていると、
「お待たせしました~」
平たいお皿に盛り付けられた沖縄ちゃんぽんが目の前に置かれた。
「わっ、沖縄ちゃんぽんだ~美味しそう」
きらりちゃんが目を輝かせ感嘆の声を上げた。
「お嬢さんありがとう。きっと美味しいわよ」
きらりちゃんにそう言うおばさんの声はとても優しい声だった。
おばぁも「美味しそうですね。いただきます」と言った。
そして、お母さんも「いただきます」とぽつりと呟くように言った。
わたしはといえばお礼を言うことも忘れて目の前に置かれた沖縄ちゃんぽんをじっと眺めた。なんだか懐かしさがじわじわと込み上げてくるようで言葉が出てこなかった。
「わたしもご一緒してもかまわないですか?」
おばさんがそう言うと、
「もちろんですよ。ご一緒に食べましょう」と、おばぁは笑顔を浮かべ返事をした。
こうしてわたし達四人とおばさんの食事が始まった。
わたしは、「いただきます」と言って麺ではない沖縄独特の野菜やお肉などを炒め玉子でとじたご飯ものであるちゃんぽんの野菜と具をスプーンですくい口に運んだ。
食べると野菜がシャキシャキしていてとても美味しかった。そして、玉ねぎの味なのか甘くて美味しくて優しい味がした。
この味は……。どこかで食べたことがある。優しくて心が癒されるこの味をわたしは知っているような気がした。
みんなの沖縄ちゃんぽんを食べている姿に目を向けると美味しそうに頬を緩めて食べている。
「うん、この沖縄ちゃんぽん美味しい~」
きらりちゃんはニコニコ笑顔を浮かべ食べている。
おばぁも「これは美味しいですね」と言って頬を緩めている。
お母さんも言葉は発っさないけれどその顔は美味しいと言っているように見えた。
そんなみんなのことをおばさんは幸せそうな表情で眺めていた。
と、その時、おばさんのその目とわたしの目が合った。
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