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おばぁと再会

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  誰だろかと思いながらわたしは、振り返った。すると、とても懐かしい真夏の太陽みたいな笑顔がそこにはあったのだ。

「お、おばぁ~だよね。久しぶり~」

「久しぶりね、愛可ちゃん。びっくりしたわ。大きくなったわね」

  そうなのだ。わたしの目の前には、ずっと会いたかったおばぁが立っていた。

「わたしもおばぁに会いたかったよ。あ、大きくなったねって、わたしもう二十三歳の大人だよ」

「あらあら、そうよね。もう随分会っていなかったね。でも、まだまだ可愛らしいね。ところで、愛可ちゃんどうして島に来たの?」

  おばぁはわたしの顔をじっと見て聞いた。

「それは、おばぁに会いに来たからだよ」

「わたしに会いに来てくれたのかい。それは嬉しいな」

  おばぁはにっこりと微笑みそして、「ごめんなさいね、おばぁもずっと愛可ちゃんに会いたいと思っていたのに……会いに行かなくて」と言って目を伏せた。

「そんなことないよ。わたしだっておばぁに会いに行かなかったんだもん」

「じゃあ、今日はおばぁが腕によりをかけて美味しいご飯を作るからね」

  おばぁは、そう言ってにっこりと微笑みを浮かべた。

「わ~い、嬉しいな。楽しみにしているよ」

  わたしは、バンザイをした。おばぁの手料理が食べられるなんて何年ぶりだろうか?  いやいや、何十年ぶりかもしれないのだ。

  そう思うと嬉しくて涙が出そうになった。

「おばぁ、早く家に行こうよ」

「うふふ、そうね。お会計を済ませて来なくちゃね」

「おばぁの料理が楽しみ~」

  わたしは、まるで子供のようにはしゃいでしまった。だって嬉しいんだもん。

「あらあら、そんなに喜んでもらえるなんて嬉しいな。それはそうと、そちらのお嬢ちゃんは誰かしら?」

「そちらのお嬢ちゃん?」

  わたしは、首を傾げた。そして、視線を背中に感じ振り返った。

  すると、頬をぷくりと膨らませているきらりちゃんが買い物カゴを持ち立っていた。

「あ、忘れていた」

「愛可!!  わたしのことを忘れるなんて酷いじゃない!」

  きらりちゃんはぷくぷくぷくりと頬を膨らませご立腹だ。

「きらりちゃん、ごめんね。おばぁと会えて嬉しくて舞い上がってしまったんだよ」

  わたしは、ごめんねと顔の前で手を合わせ謝った。

「あ、そう。それは良かったね。まあ、気持ちは分かるけどね」

「本当にごめんね。ありがとう」

「あらあら、買い物カゴがいっぱいね。愛可の祖母です。お嬢ちゃんこんにちは」

「はじめまして、斎川きらりです。愛可にはいつもお世話になっています」

  きらりちゃんはぺこりとお辞儀をした。なんだか大人みたいでしっかりしているではないか。

「あらあら、しっかりしているね。きらりちゃんというんだね。カゴの中のお菓子は一緒に会計するね」

  おばぁはそう言ってきらりちゃんの買い物カゴを手に取った。

「わ~い、ありがとうございます」

  きらりちゃんは満足の笑みを浮かべた。


  おばぁが会計に行くときらりちゃんは、わたしの肘を突っつき、「愛可のおばぁはめちゃくちゃ良い人だね」と言ってニンマリと笑った。

「きらりちゃんってば、おばぁにお菓子をたくさん買ってもらえたもんね」

「お菓子をたくさん買ってくれる人は良い人だよ。愛可は買ってくれないから意地悪な人だよ」

  きらりちゃんは、フフンと笑い憎たらしい。

「ふーん。あ、そうですか~だ。わたしは意地悪な人なんですか」

「なんてね。嘘だよ。愛可も仲良くしてくれるから大切な友達だよ」

 きらりちゃんは、ニヒヒと笑いわたしの肩をぽんぽんと叩いた。

「そ、それはありがとう」

  大切な友達だなんて言われると、それはそれで調子が狂うな。

「どういたしまして。で、愛可、わたしは愛可の大切な友達かな?」

「えっ!?」

「違うの?」

   きらりちゃんは、そう言ってわたしの顔を真っ直ぐ見つめた。

「あ、えっと、きらりちゃんは憎たらしくて生意気だけど、可愛くて大好きな友達だよ」

「わ~い、ありがとう」

  きらりちゃんは嬉しそうに頬を緩めた。

  わたしも憎たらしくて生意気だけど可愛らしいきらりちゃんと友達なんだと思うと嬉しくて頬が緩んだ。
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