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日曜日に決定

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  それから数日後。

「愛可さん!  おばぁの駄菓子屋で開催されるちんすこう作りの日程が決まりましたよ」

  わたしが額にかいた汗をハンドタオルで拭いながら『幸せの運び屋』のドアを開いた途端美川さんが言ったのだった。

「わっ、本当ですか?  それは楽しみですよ」

「はい、開催日は日曜日ですよ。ワクワクしますね」

  美川さんは眉間に皺を寄せているがワクワクしているらしい。

「日曜日ですか。喜んでもらえるといいですね」

「きっと、喜んでもらえますよ。おばぁも楽しみだと言ってましたよ」
「何人ぐらい集まったんですか?」

「五人ですよ。その中にランドセルの女の子もいますよ」

「あ、あの夏休みなのにランドセルを背負っていた女の子ですよね」

  わたしはランドセルを背負う女の子の後ろ姿を思い出しながら聞いた。

「そうですよ。あの子も楽しんでくれるといいな」

  美川さんは紫色の割烹着の袖をまくりながら言った。

「きらりちゃんと同じくらいの年齢ですよね。きらりちゃんとも仲良くしてくれたらいいですね」

  きらりちゃんもあのランドセルの女の子のことを気にしていたみたいだから仲良くちんすこう作りをするのではないかなと思う。

「そうですね。それにきらりちゃんも友達がいないみたいですからね」

「あ、それをきらりちゃんに言わないでくださいよ」

「えっ?  どうしてですか?」

  美川さんはきょとんとした顔で聞いてくる。

「きっと、きらりちゃんは気にしていると思いますから」

「えっ!?  そうなんですか?  俺達と仲良しだから気にしてないのかと思っていたな」

  とその時。

「わたしがどうかしたのかな?」

  この声はきらりちゃんだ。いつの間にやって来たのかなとわたしはびっくりした。

「あ、きらりちゃん。こんにちは。あ、そうだ、ちんすこう作りの日程が決まったんだって日曜日だよ!  楽しみだね~」

  わたしは貼り付けた笑顔を浮かべた。

「なんだか愛可の顔が変なんだけど……まあいいや。ちんすこう作りの日程決まったんだね~うん、楽しみ~」

  きらりちゃんはフフンと笑いテーブルの上に置かれているサーターアンダギーに手を伸ばし口に運んだ。

「そうなんだよ。ちんすこう作りは日曜日に開催だぞ~あ、俺の作ったサーターアンダギー美味しいだろう」

「日曜日が楽しみだよ~あ、美川さんのサーターアンダギーはまあまあ美味しいね」

  きらりちゃんはそう答えながら二個目のサーターアンダギーに手を伸ばした。

  日曜日のちんすこう作りの開催が楽しみだよねと話をしながらわたし達三人は美川さんの手作りのサーターアンダギーをたらふく食べた。

  楽しい日曜日になりますように。
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