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五話目 ちんすこう
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朝、目を覚ましカーテンを開けるとキラキラと輝く沖縄の太陽がわたしにおはようと微笑みかけてくれた。
今日もよく晴れていて暑くなりそうだ。
鏡に向かい『幸せの運び屋』に出勤する準備をする。夏休みなのできらりちゃんも仕事に参加するらしいのだ。
ふふっ、きらりちゃんってばお暇な小学生なんだから。そんなことを考えながらわたしは髪の毛を高い位置でポニーテールにした。
すると、その時。
『ピンポン、ピンポン』と玄関チャイムの鳴る音が聞こえてきた。
「は~い!」とわたしが返事をするのとほぼ同時に「愛可~遊びましょう~」ときらりちゃんの元気な声が聞こえてきた。
「ちょっと、きらりちゃんってば遊びましょうってこれから仕事なんだからね」
わたしはそう言いながら玄関のドアを開けた。目の前にはキラキラ輝くきらりちゃんの笑顔があった。
「おはよう愛可~暑いね」
外に出ると今日も真夏の太陽がキラキラと輝いていた。
沖縄は海に囲まれていて山もほとんどないので気温が三十五度以上になることは滅多になくて意外と涼しい。本土から旅行に来た人達が沖縄の方が涼しいですねと言っているのをよく耳にする。
「愛可、今日も楽しい一日になるかな?」
「うん。そうだね。きっと楽しい一日になるよ。仕事だけどね」
わたしは仕事だけどねを付け加えニッと笑った。
きらりちゃんと街を歩いていると仕事だということを忘れてしまいそうになる。
そして、今日も『幸せの運び屋』の扉を開いた。
いつものようにふわふわとした甘い香りと美川さんの紫色の割烹着がわたし達を迎え入れてくれた。
「美川さ~ん、遊びましょう」
きらりちゃんは遊び気分なんだねと思うと可笑しくなるけれど明るく子供らしくなったその姿を見ていると頬が緩む。
「あはは、きらりちゃん。俺と愛可さんは仕事だよ」
美川さんのその顔も以前と比べると明るくなったような気がする。これはきらりちゃん効果かな。
それからいつものようにサーターアンダギーを食べた。もちろん言うまでもなく美川さんの手作りだ。
わたし達三人は甘い香りに包まれて頬を緩めサーターアンダギーを堪能した。
「それで今日からの現場なんですが……」
美川さんの表情は目尻を下げたふにゃーふにゃー顔から真面目な顔に切り替わった。
「現場ですか?」
「はい、現場ですよ」
「あはは、美川さんってば真面目な顔で現場と言っておもしろ~い」
きらりちゃんはケラケラと笑い手を叩きながら言った。
「きらりちゃんこれは真面目なお仕事の話なんだぞ」
「ふ~ん、そっか。じゃあ続けて」
「よし、話を続けます。今日からの現場はお菓子屋さんです。新しい現場なので俺も同行しますね」
美川さんは真面目な表情でわたしの顔をじっと見た。
「お菓子屋さんなんですね。はい、同行をお願いします」
「は~い! わたしも同行しま~す」
きらりちゃんは手を上げた。生意気なキャラだったはずのきらりちゃんはすっかり明るい女の子になっている。
「では、本日からの現場であるお菓子屋さんに行きましょう」
美川さんは紫色の割烹着をぽーいと脱ぎ捨てた。
「は~い、行きましょう」
わたしよりもやる気満々なきらりちゃんの明るい声が部屋の中に響いた。
「は~い」
わたしも返事をし床に脱ぎ捨てられた美川さんの紫色の割烹着をたたみながら、お菓子屋さんではどんなことが待ち受けているのかなと考えると胸がドキドキした。
わたし達三人は『幸せの運び屋』の扉を開け外に出た。
新しい仕事に期待と不安を入り交じらせながらわたしはハイビスカスが咲き誇る街を歩いた。
今日も良い一日になるといいな。空を見上げると綺麗な青空が広がっていた。きっと良い出会いが待っているだろう。
そう考えると心が弾んだ。
今日もよく晴れていて暑くなりそうだ。
鏡に向かい『幸せの運び屋』に出勤する準備をする。夏休みなのできらりちゃんも仕事に参加するらしいのだ。
ふふっ、きらりちゃんってばお暇な小学生なんだから。そんなことを考えながらわたしは髪の毛を高い位置でポニーテールにした。
すると、その時。
『ピンポン、ピンポン』と玄関チャイムの鳴る音が聞こえてきた。
「は~い!」とわたしが返事をするのとほぼ同時に「愛可~遊びましょう~」ときらりちゃんの元気な声が聞こえてきた。
「ちょっと、きらりちゃんってば遊びましょうってこれから仕事なんだからね」
わたしはそう言いながら玄関のドアを開けた。目の前にはキラキラ輝くきらりちゃんの笑顔があった。
「おはよう愛可~暑いね」
外に出ると今日も真夏の太陽がキラキラと輝いていた。
沖縄は海に囲まれていて山もほとんどないので気温が三十五度以上になることは滅多になくて意外と涼しい。本土から旅行に来た人達が沖縄の方が涼しいですねと言っているのをよく耳にする。
「愛可、今日も楽しい一日になるかな?」
「うん。そうだね。きっと楽しい一日になるよ。仕事だけどね」
わたしは仕事だけどねを付け加えニッと笑った。
きらりちゃんと街を歩いていると仕事だということを忘れてしまいそうになる。
そして、今日も『幸せの運び屋』の扉を開いた。
いつものようにふわふわとした甘い香りと美川さんの紫色の割烹着がわたし達を迎え入れてくれた。
「美川さ~ん、遊びましょう」
きらりちゃんは遊び気分なんだねと思うと可笑しくなるけれど明るく子供らしくなったその姿を見ていると頬が緩む。
「あはは、きらりちゃん。俺と愛可さんは仕事だよ」
美川さんのその顔も以前と比べると明るくなったような気がする。これはきらりちゃん効果かな。
それからいつものようにサーターアンダギーを食べた。もちろん言うまでもなく美川さんの手作りだ。
わたし達三人は甘い香りに包まれて頬を緩めサーターアンダギーを堪能した。
「それで今日からの現場なんですが……」
美川さんの表情は目尻を下げたふにゃーふにゃー顔から真面目な顔に切り替わった。
「現場ですか?」
「はい、現場ですよ」
「あはは、美川さんってば真面目な顔で現場と言っておもしろ~い」
きらりちゃんはケラケラと笑い手を叩きながら言った。
「きらりちゃんこれは真面目なお仕事の話なんだぞ」
「ふ~ん、そっか。じゃあ続けて」
「よし、話を続けます。今日からの現場はお菓子屋さんです。新しい現場なので俺も同行しますね」
美川さんは真面目な表情でわたしの顔をじっと見た。
「お菓子屋さんなんですね。はい、同行をお願いします」
「は~い! わたしも同行しま~す」
きらりちゃんは手を上げた。生意気なキャラだったはずのきらりちゃんはすっかり明るい女の子になっている。
「では、本日からの現場であるお菓子屋さんに行きましょう」
美川さんは紫色の割烹着をぽーいと脱ぎ捨てた。
「は~い、行きましょう」
わたしよりもやる気満々なきらりちゃんの明るい声が部屋の中に響いた。
「は~い」
わたしも返事をし床に脱ぎ捨てられた美川さんの紫色の割烹着をたたみながら、お菓子屋さんではどんなことが待ち受けているのかなと考えると胸がドキドキした。
わたし達三人は『幸せの運び屋』の扉を開け外に出た。
新しい仕事に期待と不安を入り交じらせながらわたしはハイビスカスが咲き誇る街を歩いた。
今日も良い一日になるといいな。空を見上げると綺麗な青空が広がっていた。きっと良い出会いが待っているだろう。
そう考えると心が弾んだ。
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