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三話目 おばあちゃんの料理(豆腐チャンプルー)

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  明日の準備をしてから布団に入った。すると、夢の中に田舎のおばぁが出てきた。

  おばぁはにっこりと微笑みを浮かべ「愛可ちゃん、たくさん食べてね。おばぁは腕によりをかけて一生懸命作ったよ」と言ってテーブルに料理をずらずらと並べた。

「うん、この豆腐チャンプルー美味しそうだね」

  わたしはおばぁの並べてくれた料理をじっと眺めた。その料理はごま油のよい香りがして食欲をそそる。

「うふふ、たくさん食べて大きくなるんだよ」

  おばぁの笑顔は真夏の太陽みたいにキラキラと輝いていた。

「うん。いただきま~す!」

  わたしはにっこりと笑い豆腐チャンプルーに箸を伸ばした。そして、口に運ぶと懐かしい味がした。これはおばぁの味だ。

  豆腐チャンプルーは沖縄の家庭料理で田舎に行くとおばぁがよく作ってくれていた。

  おばぁに会いたいな。夢の中のわたしはおばぁの料理を食べながらそんなことを考えていた。

  ニラともやしがシャキシャキしている。懐かしい味に笑みがこぼれた。

わたしは笑顔を浮かべ島豆腐を口に運んだ。少し硬めの島豆腐は炒め物とよく合っていて美味しかった。

  夢の中にいると分かっているのにわたしは幸せな気持ちになった。おばぁの美味しい料理に箸が次から次へと伸びた。

  それからさんぴん茶をゴクゴク飲んだ。

  おばぁの笑顔は柔らかくて優しかった。だけど、お母さんとおばぁは仲が良くなくてわたしはおばぁと会うことは滅多になかった。

  大人になったのだから自由だというのにわたしは……もう何年もおばぁに会っていなかったのだった。

  そんなことを思い出しながら夢の中のわたしは豆腐チャンプルーを食べた。久しぶりにおばぁに会いたいな。

  ニラの良い香りと島豆腐はよく合いわたしの心はほっこり感に包まれた。
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