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憧れてしまう

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  シロッコはこのもふもふアパートカフェを一人(一匹)で経営している。まだ、若くてわたしとそれほど年が離れているわけでもないのに偉いなと思う。

  いつも可愛らしい笑顔を浮かべ美味しい料理を作ってくれる。トマトが大好きで自分で栽培したトマトを調理して食卓に並べる。テーブルがトマト色に染まることは度々だ。

  なんてことを考えながらシロッコを見ると頬が緩みそしてトマトが頭に思い浮かびちょっと笑ってしまう。

  そして、トマトサラダを口に運ぶと爽やかでジューワと甘酸っぱさが口の中いっぱいに広がる。この世界に来てから以前よりトマトが好きになった。

  うん、美味しい。

「シロッコちゃんありがとう」とわたしは声に出して言った。

「えっ?  何が?」

   口にトマトを運んでいた手を止めシロッコはわたしを見る。

「うん、美味しい料理とこのもふもふアパートカフェを経営してくれてありがとう」

  わたしはにっこり笑い言った。

「あ、ううん。わたしは自分の好きなことをしているだけだにゃんよ。料理も大好きだしみんなが笑顔で暮らしてくれますようにともふもふカフェアパートをやってるだけだにゃん」

   そう答えシロッコは柔らかい笑みを浮かべた。その笑顔に癒される。

「好きなことでみんなを笑顔にできるなんてやっぱり凄いし憧れてしまうな」

  わたしもいつか好きなことを見つけそして誰かにほんの少しでも喜んでもらえる何かがしたいな。

「えへへ、とんでもないにゃん。満里奈ちゃんもわたしの癒しの存在だしそれにこれから色々ゆっくり探していけば良いかなと思うにゃん」

  シロッコは照れたように笑いそして包み込むようなあたたかい笑みを浮かべた。

「うん、わかった~」

  わたしもいつかきっと。ゆっくり探していこう。
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