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シロッコと地球

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  わたし達はしばらくの間シロッコのいなくなった空間をぼんやりと眺めていた。

  今頃シロッコはあの真っ赤なワンピースの裾をふわふわと揺らして地球を歩いているのかもしれない。手にはトマト入りのカゴを持ってね。

『トマトを一つどうぞにゃん!』なんて言って人間に渡すものだから人間のみんなはびっくりして後退りをするかもね。

  なんて想像をしていると可笑しくて笑ってしまう。

「シロッコちゃん早く帰って来ないかな?  美味しい料理を食べたいにゃ~ん」

  ミケにゃんはシロッコのいなくなった空間で今もトマトを食べ続けている。やっぱり笑えるコメディな姿だ。どこまで食いしん坊なんだろうか?


  満里奈達がシロッコの噂をしてる頃……。

ーーーーー

  シロッコはスカートの裾を翻しにゃんにゃんにゃ~んと地球に辿り着いたところだった。

  上手く着地できましたと言いたいところだがシロッコはベタンと転び鼻の頭を地面で打った。でもそれはまあお愛嬌とのことで……。

  シロッコは地面で打った鼻を押さえむくっと立ち上がったかと思うと、

「にゃははにゃん。お待たせだにゃん~!」と笑い肉球のあるもふもふな両手を広げた。

「シロッコのトマトもあるにゃんよ。あら、誰もいないのかしらにゃん?」

  シロッコはご自慢のトマトが入っているカゴ手に持ち辺りをキョロキョロと見渡した。

 
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