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楽しい夕食

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  わたしがお手伝いでむいたじゃがいももホクホクしている。シロッコの畑で採れた野菜はどれも新鮮で美味しいのだ。もちろんシロッコご自慢のトマトも。

  コトコトじっくり煮込んだ具沢山のミネストローネはぽかぽかと体を温めてくれる。

  幸せな笑顔を浮かべながらわたしは食べた。


  椿ちゃんと食べたハンバーガーも美味しかったけれど、このもふもふアパートのみんなと食べる夕食も美味しくて幸せだ。

  テーブルの上に置かれているマリパグちゃんもなんだか家族の一員に見えたりする。まあ、ぬいぐるみが汚れてしまっても困るのだけど。

「満里奈ちゃんはなんだかいつもより楽しそうだね」

  それまで黙っていた唯奈ちゃんが言った。

「そうかな?」

  隣に座っている唯奈ちゃんに視線を向けるとニコニコと笑っていた。

「うん、椿ちゃんやミケにゃんちゃんと楽しくお買い物ができたしそれにマリパグちゃんを喜んでもらえたからね」

「うふふ、そっか、満里奈ちゃんもお姉さんになったんだね」

「あ、そっか、わたし一人っ子だったもんね」

  ミケにゃんはもふもふの可愛らしい妹みたいなものだね。

「可愛らしいキュートな妹ができて良かったね。相変わらずお口の周りは汚れているけどね」

  唯奈ちゃんは口元に手を当てて笑った。

  ミケにゃんに視線を移すとやっぱりいつものようにお口の周りはトマト色に染まっているのだった。

  ミケにゃんらしくていいのかなんだか分からないけれど、わたしはもふもふな妹に紙ナプキンを差し出した。

「えっ?  紙ナプキン?」

  ミケにゃんはきょとんと首を傾げてわたしの顔を見た。

「ミケにゃんちゃん、お口の周りが汚れているよ」

  わたしは、おかしくて笑ってしまった。
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