上 下
35 / 407

綺麗好きなうさぴーと無邪気なミケにゃん

しおりを挟む

  ミケにゃんのお口の周りを拭いたおしぼりは真っ赤なトマト色に染まった

「にゃはは、おしぼりが真っ赤に染まったにゃん」

  ミケにゃんはおしぼりを眺め楽しそうに笑っている。

  一方うさぴーはお手手をなめ両手で口の周りの汚れをとっている。それから可愛らしい両手をなめては顔をゴシゴシ何度も繰り返し洗う。

  うさぴーのその姿はとても可愛らしかった。うさぎは猫と同じく綺麗好きな動物だ。

  ただ時には例外もいて口の周りや洋服を汚しても平気な顔をしているのだ。それが、にゃははと無邪気な笑顔を浮かべている猫のミケにゃんなのだ。

「ミケにゃんは相変わらずばっちい子だよね。まあ、おしぼりで拭いたからいいけどね」

 うさぴーはそう言いながら耳を両手で髪をさーっととかすように洗っている。その仕草はなんとも言えないほど可愛らしい。

「ミケにゃんはばっちくないもんにゃん」

   ミケにゃんはぷくぷくと頬を膨らませた。

  もふもふなちびっこ二匹はどちらも可愛らしくて見ていて飽きない。

  わたしはにこにこ笑顔を浮かべながらトマトを噛り完食した。

「さあ、そろそろ我らのもふもふ癒しの空間カフェアパートに帰るにゃん」

  シロッコはそう言って芝生から立ち上がった。


  わたし達は家路につく。空を見上げると羽が水色とピンク色の鮮やかな鳥や体がカラフルな水玉模様の異世界らしい鳥が空を華麗に飛んでいた。

  また来てねと鳥達がわたし達を見送ってくれているように見えた。

「またね」とわたしは空を見上げ手を振った。

  びしゃびしゃに濡れていたワンピースも照りつける太陽の日差しが強くてあっという間に乾いていた。

  そして、テクテク歩くと花と緑に囲まれた石造りの建物もふもふ癒しの空間カフェアパートが見えてきた。

   わたしの住んでいるアパートだ。今はここがただいまと言える場所になっている。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

神の使いでのんびり異世界旅行〜チート能力は、あくまで自由に生きる為に〜

和玄
ファンタジー
連日遅くまで働いていた男は、転倒事故によりあっけなくその一生を終えた。しかし死後、ある女神からの誘いで使徒として異世界で旅をすることになる。 与えられたのは並外れた身体能力を備えた体と、卓越した魔法の才能。 だが骨の髄まで小市民である彼は思った。とにかく自由を第一に異世界を楽しもうと。 地道に進む予定です。

チート幼女とSSSランク冒険者

紅 蓮也
ファンタジー
【更新休止中】 三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が 過去にも失敗しまくりの神様から異世界転生を頼まれる。 神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。 目を開けると日本人の男女の顔があった。 転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・ 他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・ 転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。 そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語 ※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。

飯屋の娘は魔法を使いたくない?

秋野 木星
ファンタジー
3歳の時に川で溺れた時に前世の記憶人格がよみがえったセリカ。 魔法が使えることをひた隠しにしてきたが、ある日馬車に轢かれそうになった男の子を助けるために思わず魔法を使ってしまう。 それを見ていた貴族の青年が…。 異世界転生の話です。 のんびりとしたセリカの日常を追っていきます。 ※ 表紙は星影さんの作品です。 ※ 「小説家になろう」から改稿転記しています。

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

異世界でのんびり暮らしてみることにしました

松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。

料理を作って異世界改革

高坂ナツキ
ファンタジー
「ふむ名前は狭間真人か。喜べ、お前は神に選ばれた」 目が覚めると謎の白い空間で人型の発行体にそう語りかけられた。 「まあ、お前にやってもらいたいのは簡単だ。異世界で料理の技術をばらまいてほしいのさ」 記憶のない俺に神を名乗る謎の発行体はそう続ける。 いやいや、記憶もないのにどうやって料理の技術を広めるのか? まあ、でもやることもないし、困ってる人がいるならやってみてもいいか。 そう決めたものの、ゼロから料理の技術を広めるのは大変で……。 善人でも悪人でもないという理由で神様に転生させられてしまった主人公。 神様からいろいろとチートをもらったものの、転生した世界は料理という概念自体が存在しない世界。 しかも、神様からもらったチートは調味料はいくらでも手に入るが食材が無限に手に入るわけではなく……。 現地で出会った少年少女と協力して様々な料理を作っていくが、果たして神様に依頼されたようにこの世界に料理の知識を広げることは可能なのか。

夫婦で異世界に召喚されました。夫とすぐに離婚して、私は人生をやり直します

もぐすけ
ファンタジー
 私はサトウエリカ。中学生の息子を持つアラフォーママだ。  子育てがひと段落ついて、結婚生活に嫌気がさしていたところ、夫婦揃って異世界に召喚されてしまった。  私はすぐに夫と離婚し、異世界で第二の人生を楽しむことにした。  

100年生きられなきゃ異世界やり直し~俺の異世界生活はラノベみたいにはならないけど、それなりにスローライフを楽しんでいます~

まーくん
ファンタジー
榎木広志 15歳。 某中高一貫校に通う平凡な中学生。 趣味は可愛い物を愛でること。 それが高じて編み物にハマっている。 その趣味は同級生からは白い目で見られることが多いが、本人は全く気にしていない。 親友の健二だけが唯一の理解者かもしれない。 15歳の榎木広志は、入学説明会に訪れた高等部への渡り廊下の上で深い霧に包まれる。 霧が晴れると、そこには狐の神様がいて、広志に異世界に行くよう促す。 ラノベの主人公のようにチートな能力を貰って勇者になることを期待する広志だったが、「異世界で100年間生きることが目的」とだけ告げて、狐の神様は消えてしまった。 異世界に着くなり、悪党につかまりたった2日で死んでしまう広志に狐の神様は生きるためのヒントをくれるが.... 広志はこの世界で100年間生き抜くことが出来るのか。

処理中です...