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両親が登場

真理子の両親

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ロビーの椅子に座りしばらくの間わたし達は談笑していた。

 その時。

「真理子~」と声が聞こえてきた。

 その声に振り返ると真理子の両親が両手に沢山の荷物を持ち、こちらに向かって歩いてきた。

 沢山の荷物を持っているその姿が娘の真理子と重なる。この親にしてこの娘ありかな……。

「真理子、元気にしてた?」

「真理子、元気だったかい?」

と真理子の両親は言った。


「あ、うん。お父さん、お母さん久しぶり」と真理子は、覇気のない声で挨拶をした。


 真理子ってばどうしたんだ。呑気で能天気なのが自慢みたいな子なんだけど……。

 自分自身の仕事ぶりに嫌気をさしているのかな?

 毎日、失敗の連続なんだから。

 真理子は、わたしの服の裾を引っ張り、耳もとに近づき小声で「わたし、頑張るからね」と言った。

 振り向くと真理子らしいにぱにぱ顔で笑っていた。良かった。良かったけれどきっと前途多難だろうな。だって真理子なんだから。

 真理子は、両親の方を向いて「頑張るからね!」と元気よく言った。
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