わたし沖縄で働くことにしました(沖縄の風や味が忘れられなくて)

なかじまあゆこ

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近所を散策(シーサーを探そう)

シーサーをプレゼント

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  寮に戻ると真理子は、「さあ、南ちゃんと森浜さんにそれから憎き真中さんと池垣さんにもシーサーあげようかな~」と言った。

 「え、真理子!  皆の分も買ってたの?」

 わたしはてっきり真理子は十個のシーサーを全て自分の部屋に飾るのかと思っていたのでびっくりして尋ねる。

「うん、そのつもりだよ。みどりちゃんは皆にシーサーを買わなかったの?」

 買ってなかった……。五個全て自分のシーサーだった!


   「えへへ、えへへ」


    真理子にしてやられた~かも?

   真理子の奴は皆にシーサーを配り歩く。先ずは南ちゃんに。

   すると南ちゃんは大喜びで、「ありがとう~真理子ちゃん~」なんて黄色の口を開いてにんまり顔のシーサーを眺めてとても嬉しそうだ。

   わたしも自分の為に買ったシーサーを泣く泣く南ちゃんにあげた。

   すると、南ちゃんは水色のピースサインのシーサーを眺めて、「みどりちゃん~ありがとう~嬉しいよ~」と大喜びしてくれた。

   こんなに喜んでくれるならば、わたしも嬉しい。但し、本当は自分用だったなんて絶対に言えないよ……。

   真理子は、南ちゃんの部屋を出るとフンフンと楽しそうに鼻歌を歌っていた。


    続いて、岡山県出身の森浜さんの部屋へ真理子は軽い足取りでGO!

   わたしは、心の中で『わたしのシーサーが~』と泣いている。真理子は嬉しそうに森浜さんの部屋のドアをノックした。

  森浜さんの反応も南ちゃんと同じで、わたし達がシーサーをあげると、「嬉しい~ありがとう~大事にするね」と言って喜んでくれた。喜んでくれたから良しとしよう。わたしのシーサーちゃん、森浜さんに可愛がってもらってね。

「ねぇ、みどりちゃん、真中さんと池垣さんの部屋は何処かな?」

「あの二人は地元の人でしょう、寮には住んでないんじゃない?」

 「そっか、じゃあ、明日あげよっと」

   只今わたしのシーサーは残り三個。

   明日には……。残り……。

 果たして何個になっているのでしょうか?
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