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最高にうまい食堂
楽しい時間
しおりを挟む宮代さんもわたし達の席に合流した。沖縄のオリオンビールで乾杯までした。
わたし達の働きっぷりの話題では、亜利子ちゃんと宮代さんが、ウケまくる。亜利子ちゃんなんて真っ赤な顔をして足をバタバタして笑っている。そんなに笑わなくてもいいのに。
亜利子ちゃんの沖縄での仕事であるコールセンターの話もいろいろ聞いた。コールセンターは個性的な人やくそ真面目な人など様々な人達が働いている集まりらしい。
宮代さんのお仕事は、工事現場を監督さんとのことだ。お仕事の内容は初めて聞いた。俺の話はいいさ~なんて言って宮代さんは詳しくは教えてくれなかった。
赤ら顔になって騒いでいるわたし達。ああだこうだと言い合い笑いが絶えない。
そんな、笑いが宮代さんの一言で止まった。
「並木さんに梅木さん、君たちの住んでる寮はここから遠いと言ってたよね」
ん? 半分酔っぱらっているわたしは、宮代さんの言ってる意味がすぐには理解できなかった。
寮? あ、寮ね。ってちょっと待って!
「今何時?」
わたしは、大きな声を上げる。
「二十一時半だぞ」
宮代さんは腕時計に目を落とし時刻を言った。
「真理子~帰らなくちゃ! バスがなくなるかもしれないよ。それにわたし達、明日も仕事で朝早いよ~」
「え、嘘~」
真理子もかなり慌てている。
『最高にうまい食堂』から外2出ると完全な夜になっていた。空を見上げると綺麗な星空が広がっていた。
でも今のわたし達には星などゆっくりと眺めているひまなどない。
わたし達は亜利子ちゃんと宮代さんにバス停まで送ってもらった。幸いバスはまだ動いていてほっとした。
「また、ご飯食べましようね!」
亜利子ちゃんが笑顔を浮べて言う。
「良かったらおじさんも誘ってな」
宮代さんもニコニコ笑顔だ。
それからやって来たバスに乗り込むわたし達を二人はバスが見えなくなるまで、いつまでも手を振り続けてくれていた。
今日は楽しかった。沖縄の夜は星空に包まれていた。
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