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沖縄で働きます
真理子とキュウリ
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前中さんからの仕事内容について説明は一通り終わり仕事が開始した。
この朝食の場を仕切っているのは前中さんではなく、真中《まなか》さんという太っちょのおばさんだった。
真中さんは大きな声でテキパキと皆に指示を出す。
「梅木さん! どうしてお皿が割れているの?」
「すみませ~ん!」
「梅木さん! どうして、キュウリが繋がっているの」
「すみません」
「梅木さん! キュウリ繋がったままなんだけど、あなたやる気あるの!」
「ひっ、すみません」
真理子はこんな調子でずっと真中さんに怒られ続けていた。
わたしも真理子ほどではないけれど、飲食店での仕事の経験は皆無なので四苦八苦した。
といってもバイキング形式の朝食会場なので飲食店の店員さんみたいに注文をとりにいくとかそのような仕事はないのだけど。
それでも思ったように体が動かない。
今まで運動不足だったのかもしれないなと思う。
真理子がわたしの側にやってきて、
「真中さん。鬼! あのおばちゃんわたし嫌い」と小声で言った。
「なんだって梅木さん!」
地獄耳の真中さんはいつの間にかわたし達の後ろに立っていた。
「ひぇーごめんなさい」
真理子は泣きそうな顔で謝る。
わたしは何も真中さんの悪口は言ってないけれど、「すみません」と謝った。
もう今日一日を乗り越えるのも大変そうである。
真理子のキュウリ騒動などもあったけれど、とりあえずはなんとか朝食会場の準備が整った。
バイキング形式のためテーブルの上には、ずらりと食べ物が並んでいる。
和食派、洋食派どちらの方にも対応できるように、ご飯もパンもある。
メニューはかなりの種類があり、納豆、ウィンナー、卵焼き、肉じゃが、ひじき、お味噌汁、スープ、ヨーグルト、果物、サラダ(真理子の切ったキュウリもあり)、デザート等々。それとご当地の沖縄そば、豆腐チャンプルーもある。
わたし達はサラダの野菜を切ったくらいである。
お客様の食べた料理が減ったら補充するのがメインの仕事なので、これからが本番なのだ。
この朝食の場を仕切っているのは前中さんではなく、真中《まなか》さんという太っちょのおばさんだった。
真中さんは大きな声でテキパキと皆に指示を出す。
「梅木さん! どうしてお皿が割れているの?」
「すみませ~ん!」
「梅木さん! どうして、キュウリが繋がっているの」
「すみません」
「梅木さん! キュウリ繋がったままなんだけど、あなたやる気あるの!」
「ひっ、すみません」
真理子はこんな調子でずっと真中さんに怒られ続けていた。
わたしも真理子ほどではないけれど、飲食店での仕事の経験は皆無なので四苦八苦した。
といってもバイキング形式の朝食会場なので飲食店の店員さんみたいに注文をとりにいくとかそのような仕事はないのだけど。
それでも思ったように体が動かない。
今まで運動不足だったのかもしれないなと思う。
真理子がわたしの側にやってきて、
「真中さん。鬼! あのおばちゃんわたし嫌い」と小声で言った。
「なんだって梅木さん!」
地獄耳の真中さんはいつの間にかわたし達の後ろに立っていた。
「ひぇーごめんなさい」
真理子は泣きそうな顔で謝る。
わたしは何も真中さんの悪口は言ってないけれど、「すみません」と謝った。
もう今日一日を乗り越えるのも大変そうである。
真理子のキュウリ騒動などもあったけれど、とりあえずはなんとか朝食会場の準備が整った。
バイキング形式のためテーブルの上には、ずらりと食べ物が並んでいる。
和食派、洋食派どちらの方にも対応できるように、ご飯もパンもある。
メニューはかなりの種類があり、納豆、ウィンナー、卵焼き、肉じゃが、ひじき、お味噌汁、スープ、ヨーグルト、果物、サラダ(真理子の切ったキュウリもあり)、デザート等々。それとご当地の沖縄そば、豆腐チャンプルーもある。
わたし達はサラダの野菜を切ったくらいである。
お客様の食べた料理が減ったら補充するのがメインの仕事なので、これからが本番なのだ。
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