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薄暗い廊下の先には何がある?

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「ちょっと薄暗い廊下だね」

    にゃんぴがぽつりと言った。

「やっぱり暗いよね」

「俺もそう思ったよ」

  俺達はベレー帽を被ったアメリカンショートヘアの店員さんの後ろを着いて歩きながら話した。

  薄暗い廊下はどこまで続くのだろうか?

  果たして前世で俺のお母さんだった女の子はここにいるのかな?  今、どんな気持ちでいるのだろうか。  

  そんなことを考えながら長い廊下を俺は歩く。どんどん歩き進むうちにカビが生えたような匂いとチラホラと蜘蛛が張っている。


  こんなところにいるなんて……酷いではないか。俺は泣きたいような気持ちになりながら薄暗い廊下をひたすら歩き続けた。

  すると、ベレー帽を被ったアメリカンショートヘアの店員さんの足がぴたりと止まった。

  そして、「ここですよ」と言った。


  そこは、真っ黒な扉がありなんだか嫌な感じがした。

「ここに俺と同じ人間の女の子がいるんですか?」

  俺は恐る恐る聞いた。

「はい、この部屋の中にいるはずですよ」

  ベレー帽を被ったアメリカンショートヘアの店員さんはポケットから鍵を取り出しドアを開けた。そして、ゆっくりと部屋の中に足を踏み入れた。

「ここに人間の女の子がいるんだよね」

  にゃんぴが部屋の中を覗き込み言った。

「うん、いるんだよね……」

  俺は胸がドキドキしてちょっと苦しくなった。

「猫太と同じ人間でもしかしたら前世のお母さんかもしれないんだよね」

「うん、そう思うとちょっとドキドキしてきたよ」

  俺が猫助に返事をしたその時、「中へどうぞ」とベレー帽を被ったアメリカンショートヘアの店員さんがこちらを振り返り言った。

  俺達はゆっくりと部屋の中に足を踏み入れた。
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