生まれ変わったらもふもふ猫に囲まれて暮らしたいと言ったよ。だけど猫だけの世界に俺一人だけ人間なんだ！

じいちゃん本当のことを教えてくれよ。そして、じいちゃんは人間を……

「じいちゃん、本当のことを教えてくれないか？」

  俺は幸せそうに飴を舐めるじいちゃんに言った。

「おじいちゃん、わたしからもお願いします」

  にゃんぴもじいちゃんに言ってくれた。にゃんぴは頼りになる俺の友達だよ。それに引き替え猫助は今もだらしない顔で飴をペロペロと舐めている。これが親友なのかよと呆れてしまう。

「ほ、本当のことをと言われてもだね……」

  じいちゃんはなんだか慌てふためき目をあちらこちらにキョロキョロさせている。この様子はやはり怪しい。

  絶対に何か知っているはずだと思うし隠しているのだろうか？

「じいちゃん」

「おじいちゃん」

  俺とにゃんぴは怪しげなじいちゃんの顔をじっと眺めた。

「……そんなに見つめられるとじいちゃん照れるな」

  なんて言ってじいちゃんは頭を掻いている。

「おい、じいちゃん！  照れて誤魔化すなよ～」

「そうだよ、おじいちゃん」

  俺とにゃんぴはじいちゃんにじりじりじわじわとにじり寄る。

「わ、分かったよ。そんな怖い顔をするなよ」

   どうやらじいちゃんは観念したようだ。

  そして、じいちゃんは。

「……わしは、その……緑町で人間に会ったんだよ」と言った。

「じ、じいちゃん～それは本当なのかい？」

「おじいちゃん、本当なの？」

「……恐らくあれは猫太と同じ人間だったかと思うのじゃ」

  そう言ってじいちゃんは俺の顔をじっと見た。