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猫助のじいちゃん

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「さあ、じいちゃんの部屋へ行こうぜ。あ、お母さんじいちゃんの部屋にお菓子を持ってきてね」

「あら、おじいちゃんと遊ぶのかしら?」

  猫助のお母さんは不思議そうに首を傾げた。まあ、首を傾げるだろうなと俺は思った。

「うん、じいちゃんと遊ぶんだよ。じゃあ、お菓子お願いね」

  猫助は、そう言って二階に向かった。俺とにゃんぴも後を追いかけ階段を上がった。

   廊下をずんずん歩き一番奥の部屋の前で猫助は立ち止まり、「じいちゃ~ん!  遊びましょ」とドアをコンコンとノックした。

「なんだね、猫助か?」

  部屋の中から猫助のじいちゃんの声が聞こえてきた。

「うん、俺だよ。じいちゃん遊ぼうよ。猫太とにゃんぴも来ているよ」

「鍵は開いてるから入ってきなさい」

   とじいちゃんは言った。

  猫助がドアを開け部屋の中に入った。俺とにゃんぴも「こんにちは」と挨拶をしてじいちゃんの部屋の中に入った。

  部屋の真ん中に置かれたソファにじいちゃんは座っていた。もちろんじいちゃんも猫なのだけど口の周りにご飯粒をたくさんくっつけていた。

「あれ?  じいちゃんご飯を食べていたの?」

「どうして分かるんだ。猫助は探偵かい?」

  じいちゃんは口の周りにご飯粒をたくさんくっつけ真顔で猫助の顔を見ている。その顔が真剣そのもので可笑しくなる。

  でも、そんなじいちゃんも猫なのだから可愛らしくて俺の胸はきゅんとなる。因みにじいちゃんもアメリカンショートヘアなのだ。

「あの、じいちゃん口の周りにご飯粒がくっついているよ」

  俺は思わず言ってしまった。

「な、なんてことじゃ!  このわしとしたことがーーー!!」とじいちゃんは大声で叫んだ。

  じいちゃん、いつも口の周りに食べ物をくっつけていますが今更どうしたんですかと言いたくなる。

  じいちゃんは、慌てて肉球のある可愛らしい手で口の周りと顔を洗った。

  そんなじいちゃんの姿を俺達はぼんやりと眺めた。

「さあ、わしは綺麗になったぞ!」

  じいちゃんは満面の笑みを浮かべた。
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