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さあ、旅に出よう

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「ねえ、猫太君に猫助君~ちょっと疲れたんだけど……うにゃにゃ~んだよ」

「えっ?  にゃんぴもう疲れたの?  人間探しをしたいんだよね」

「おかしいな?  にゃんぴといえば元気が取り柄だったんじゃないのか」

  ブーブーにゃんと疲れたと文句を言うにゃんぴに俺達は言った。

「だって、さっきからずっと歩いているじゃない~」

  そうなのだ。俺達は人間探しの旅に出たのだ。なんてただ適当に歩いているだけかもしれないのだけど、まあ、退屈しのぎに良いのだ。

  俺達の住んでいる猫の町から電車に一時間乗りそれからバスに乗り換え『緑町』のバス停で降りた。

  そして、今、鬱蒼と生い茂る草木の間の道を俺達は歩いている。小鳥がチュンチュン鳴き自然がいっぱいだ。

「でもさ、こんなところに人間なんて住んでいるのかな?  ってか人間なんて存在しているのかな……」

  俺はにゃんぴに疲れたのなんて言っておきながら溜め息をついてしまうのだから困ったものだ。

「いるのかいないのかよりも探してみることに価値があるのさ。さあ、行こう」

  猫助は元気だよなと思いながら草木が生い茂る道を俺は猫助を追いかけ歩いた。そして、にゃんぴを振り返り俺は「頑張れよ」と言った。

「……分かったわよ~」

  にゃんぴは膨れながらも元気よく歩き出した。

  俺以外の人間なんて見つからないかもしれないけれどなんだかワクワクしてきた。
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