奈良町には食いしん坊な神様と狛犬が住んでいます!

なかじまあゆこ

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華夜ちゃんの友達

不思議なピーマンとにんじん

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「ふ~ん、ピーマンもにんじんも好きなんだね」

  風子ちゃんはまだ疑っているのかお箸でピーマンとにんじんを掴みながら言った。

「うん、ピーマンもにんじんも好きだよ」

  わたしはお箸でピーマンとにんじんを掴み口に運びぱくぱく食べた。わたしはおばあちゃんの炒め物大好きなんだからね。

「……あ、奈夜ちゃん美味しそうに食べているね。嘘じゃないみたいね。じゃあ、このピーマンとにんじんは誰が入れたんだろう?」

  風子ちゃんは言いながらピーマンとにんじんがこんもり盛られたお弁当箱に目を落とし首を傾げた。

  わたしの疑いは晴れたみたいではあるけれど風子ちゃんのお弁当箱に入れられたピーマンとにんじんには疑問が残るようだ。

  困ったものだ。狛子と狛助は知りませんって感じでキャベツをぱくぱく食べ続けているし神様は奈良漬をぱりぱり食べている。

  ちょっとあなたは神様なんでしょう。どうにかしてくれませんかとわたしは神様に視線を向けて見るがニコニコと笑い奈良漬を食べ続けるのだった。

「う~ん、疑問が残るけどまあいっか食べ物に罪はないもんね」

  風子ちゃんは言いながらお箸をピーマンとにんじんに伸ばし口に運んだ。

「う~ん!  このピーマンとにんじんとっても美味しいよ。白いご飯に良く合う感じだね」

  風子ちゃんは幸せそうなほくほくな笑みを浮かべている。

「ありがとう」とわたしは思わず言ってしまった。だって、わたしのおばあちゃんの料理が褒められたのだから。

  だけど、どうしよう。また疑われてしまいそうではないか。わたしはドキドキしながら風子ちゃんの顔をチラッと見た。

「奈夜ちゃん……」

「は、はい!」とわたしはまるで先生に当てられた生徒みたいな返事をしてしまった。

「美味しい料理を食べられてわたしは幸せだよ」

  風子ちゃんは柔らかい微笑みを浮かべた。まさかの言葉にわたしはびっくりしてしまい「へっ!」と間抜けな声を出してしまった。

「ホッホッ、奈夜ちゃんのおばあちゃんの心のこもった料理が人の心を優しくほぐすんだな」

  神様は口元に手を当てて柔らかい笑みを浮かべた。

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