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学校と狛犬達とクラスメイトそれから……神様
3 お弁当の時間だよ。どうしてここに?
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「ん? どうしているかってそれは奈夜ちゃん、お天気は良いしそれにおばあちゃんのおにぎりは美味しいからな」
そう言った神様の口の周りにはごはん粒がくっついている。
「あ、あ~それ、そのおにぎりわたしのおにぎりじゃないですか!」
わたしのお弁当箱に入っていたおばあちゃんの超特大おにぎりが一個なくなっている。中学生のお弁当を横取りする神様なんて信じられない。
「うん、ふむ、このおにぎりは美味しいぞ。ごはんに梅干しとみじん切りにした奈良漬が混ざっているな良く合うぞ」
神様はそう言ってご満悦顔でおにぎりを食べている。
「はい、梅干しと奈良漬は良く合うしシャリシャリ感もたまらないんですよ。って、違う~わたしのおにぎり食べないで!」
「奈夜ちゃん、ケチケチするんじゃないぞ。ごはんはみんなで分け合う精神が大切だぞ」
「は、はぁ……」
駄目だ神様に丸め込まれてしまう。
「うむ、美味しいな~」
神様は大きく口を開けておにぎりを完食した。
「あ、あの……か、神様もいるのかな!?」
それまで黙っていた華夜ちゃんが言った。驚きを隠せない表情になりフォークで刺していたタコさんウインナーがぽとんと落っこちた。
「う、うん。なぜか神様もいるんだよ……」
「す、凄いよ! 奈夜ちゃんには狛犬ちゃんに神様まで憑いてるんだね」
華夜ちゃんのその目はキラキラと輝いている。
「おい、そこの女子中学生」
「えっ!? はい、わたしですか? まさか神様が話しかけてくれているんですか?」
期待感が膨らむ表情をして華夜ちゃんは尋ねた。どうやら華夜ちゃんは神様の声も聞こえているようだ。
「そうじゃ、神様だ。憑いてるとは何事じゃ? まるで、悪霊や幽霊が憑いてるみたいな言い方ではないか」
神様は唇を尖らせている。どうやら気にくわないようだ。
「憑いてるは駄目でしたか。えっと、では何て言ったらいいんですか?」
「神様がついてると平仮名で言ってくれると有難いのじゃ」
「はぁ、喋り方で平仮名か漢字で言ったかわかるなんて凄い!」
華夜ちゃんは神様に尊敬の念を覚えたようだ。
「ふふん、まあ、神様だからな」
神様は得意げな表情をした。口の周りにごはん粒がまだついてるんだけどね。
「奈夜ちゃん、やっぱり凄いよ~狛犬ちゃん達に神様までついてるなんていいなあ~」
華夜ちゃんのその目はキラキラと輝いている。
「女子中学生、偉いぞ! ちゃんとついてると言い直したのだな」
神様は首を縦にふむふむと振り納得しているみたいだ。
「はい、ちゃんとついてると言い直しました。神様、わたしの名前は森竹華夜です。どうぞよろしくお願いします」
華夜ちゃんはぺこりと頭を下げた。
「ほぅ、森竹華夜か。では、華夜ちゃんと呼ばせてもらおう」
「わぁ、神様、ありがとうございます。神様に華夜ちゃんって呼んでもらえるなんて光栄です」
「ほぅ、そうかね。喜んでもらえて何よりじゃ」
「……神様、もしかしてわたしのおにぎり食べちゃいましたか?」
「うむ、華夜ちゃんのおにぎりも美味しいぞ。奈良漬けにチーズも入っておるな」
気がつくと神様は華夜ちゃんのおにぎりを頬を緩め幸せそうな表情で食べているのだった。
「はい、チーズ入りで美味しいんですよ。って、勝手に食べないでくださ~い!」
華夜ちゃんは顔を上気させ抗議をする。
「奈夜ちゃんにも言ったが、華夜ちゃん、ケチケチするんじゃないぞ。ごはんはみんなで分け合う精神が大切だぞ」
神様は得意げに笑った。口の周りにはやっぱりごはん粒がくっついているんだけどね。
そう言った神様の口の周りにはごはん粒がくっついている。
「あ、あ~それ、そのおにぎりわたしのおにぎりじゃないですか!」
わたしのお弁当箱に入っていたおばあちゃんの超特大おにぎりが一個なくなっている。中学生のお弁当を横取りする神様なんて信じられない。
「うん、ふむ、このおにぎりは美味しいぞ。ごはんに梅干しとみじん切りにした奈良漬が混ざっているな良く合うぞ」
神様はそう言ってご満悦顔でおにぎりを食べている。
「はい、梅干しと奈良漬は良く合うしシャリシャリ感もたまらないんですよ。って、違う~わたしのおにぎり食べないで!」
「奈夜ちゃん、ケチケチするんじゃないぞ。ごはんはみんなで分け合う精神が大切だぞ」
「は、はぁ……」
駄目だ神様に丸め込まれてしまう。
「うむ、美味しいな~」
神様は大きく口を開けておにぎりを完食した。
「あ、あの……か、神様もいるのかな!?」
それまで黙っていた華夜ちゃんが言った。驚きを隠せない表情になりフォークで刺していたタコさんウインナーがぽとんと落っこちた。
「う、うん。なぜか神様もいるんだよ……」
「す、凄いよ! 奈夜ちゃんには狛犬ちゃんに神様まで憑いてるんだね」
華夜ちゃんのその目はキラキラと輝いている。
「おい、そこの女子中学生」
「えっ!? はい、わたしですか? まさか神様が話しかけてくれているんですか?」
期待感が膨らむ表情をして華夜ちゃんは尋ねた。どうやら華夜ちゃんは神様の声も聞こえているようだ。
「そうじゃ、神様だ。憑いてるとは何事じゃ? まるで、悪霊や幽霊が憑いてるみたいな言い方ではないか」
神様は唇を尖らせている。どうやら気にくわないようだ。
「憑いてるは駄目でしたか。えっと、では何て言ったらいいんですか?」
「神様がついてると平仮名で言ってくれると有難いのじゃ」
「はぁ、喋り方で平仮名か漢字で言ったかわかるなんて凄い!」
華夜ちゃんは神様に尊敬の念を覚えたようだ。
「ふふん、まあ、神様だからな」
神様は得意げな表情をした。口の周りにごはん粒がまだついてるんだけどね。
「奈夜ちゃん、やっぱり凄いよ~狛犬ちゃん達に神様までついてるなんていいなあ~」
華夜ちゃんのその目はキラキラと輝いている。
「女子中学生、偉いぞ! ちゃんとついてると言い直したのだな」
神様は首を縦にふむふむと振り納得しているみたいだ。
「はい、ちゃんとついてると言い直しました。神様、わたしの名前は森竹華夜です。どうぞよろしくお願いします」
華夜ちゃんはぺこりと頭を下げた。
「ほぅ、森竹華夜か。では、華夜ちゃんと呼ばせてもらおう」
「わぁ、神様、ありがとうございます。神様に華夜ちゃんって呼んでもらえるなんて光栄です」
「ほぅ、そうかね。喜んでもらえて何よりじゃ」
「……神様、もしかしてわたしのおにぎり食べちゃいましたか?」
「うむ、華夜ちゃんのおにぎりも美味しいぞ。奈良漬けにチーズも入っておるな」
気がつくと神様は華夜ちゃんのおにぎりを頬を緩め幸せそうな表情で食べているのだった。
「はい、チーズ入りで美味しいんですよ。って、勝手に食べないでくださ~い!」
華夜ちゃんは顔を上気させ抗議をする。
「奈夜ちゃんにも言ったが、華夜ちゃん、ケチケチするんじゃないぞ。ごはんはみんなで分け合う精神が大切だぞ」
神様は得意げに笑った。口の周りにはやっぱりごはん粒がくっついているんだけどね。
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