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学校と狛犬達とクラスメイトそれから……神様
狛犬ですよと今日の授業
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「奈夜ちゃんと華夜ちゃんがニコニコ笑ってるね~」
「うん、ほのぼのするね~」
狛子と狛助がそう言ってわたしと森竹さん改め華夜ちゃん(まだ呼び慣れない)の顔をじっと見てにぱーっと笑っている。
そんな狛犬の二人(二匹)がなんだか天使みたいに見えた。
「あ、説明の続きだったね。簡単に言えばわたし達は奈夜ちゃんを見守り応援する狛犬だよ」と狛子が言った。
「そして、奈夜ちゃんは僕達の姿が見えてるんだよ。だけど、華夜ちゃんには見えないんだね」と狛助が言った。
「わたしも狛子ちゃんと狛助君の姿が見たいな~」
華夜ちゃんがそう言ったその時、教室の前の引き戸がガラガラと開き先生が入って来たので話が中断されてしまった。
「あ、奈夜ちゃんに狛犬ちゃん達また後でね」
華夜ちゃんは太陽みたいな笑顔を浮かべ前に向き直った。
「わっ、授業が始まるんだね」
「楽しみ~」
狛子と狛助はわたしの隣できゃははと喜んでいる。
この日の授業は集中できなかった。もちろんその原因は狛子と狛助にある。
そうなのだ。狛子と狛助は先生が黒板にチョークで文字を書くと、「うわ~凄い!」と拍手をしたり、その黒板に書いた文字を黒板消しで先生が消すと、「ねえ、どうして文字が消えたの? すご~い!」と尋ねてくる。
わたしが質問に答えずノートを写していると、
「ねえ、どうして黒板に書いた文字が消えたのかな? あ、また新しく何か書いてるよ」
「学校て不思議だね~」
なんて言って狛子と狛助はわたしの周りで騒ぐ。質問に答えないと「ねえ、奈夜ちゃん、教えてよ~」と言って狛子と狛助はわたしの腕を引っ張ってくる。
きっと、この会話は前の席に座っている華夜ちゃんにも聞こえているのだろうな。
「ねえ、奈夜ちゃん~」
「奈夜ちゃんってば~」
ああ、うるさくて授業に集中できない。この子達が天使に見えたのは間違いだった。わたしの成績が落ちたら君達のせいだからね。
「ねえ、奈夜ちゃ~ん」
「奈夜ちゃんってばてば~」
誰かわたしに耳栓を貸してください。
「うん、ほのぼのするね~」
狛子と狛助がそう言ってわたしと森竹さん改め華夜ちゃん(まだ呼び慣れない)の顔をじっと見てにぱーっと笑っている。
そんな狛犬の二人(二匹)がなんだか天使みたいに見えた。
「あ、説明の続きだったね。簡単に言えばわたし達は奈夜ちゃんを見守り応援する狛犬だよ」と狛子が言った。
「そして、奈夜ちゃんは僕達の姿が見えてるんだよ。だけど、華夜ちゃんには見えないんだね」と狛助が言った。
「わたしも狛子ちゃんと狛助君の姿が見たいな~」
華夜ちゃんがそう言ったその時、教室の前の引き戸がガラガラと開き先生が入って来たので話が中断されてしまった。
「あ、奈夜ちゃんに狛犬ちゃん達また後でね」
華夜ちゃんは太陽みたいな笑顔を浮かべ前に向き直った。
「わっ、授業が始まるんだね」
「楽しみ~」
狛子と狛助はわたしの隣できゃははと喜んでいる。
この日の授業は集中できなかった。もちろんその原因は狛子と狛助にある。
そうなのだ。狛子と狛助は先生が黒板にチョークで文字を書くと、「うわ~凄い!」と拍手をしたり、その黒板に書いた文字を黒板消しで先生が消すと、「ねえ、どうして文字が消えたの? すご~い!」と尋ねてくる。
わたしが質問に答えずノートを写していると、
「ねえ、どうして黒板に書いた文字が消えたのかな? あ、また新しく何か書いてるよ」
「学校て不思議だね~」
なんて言って狛子と狛助はわたしの周りで騒ぐ。質問に答えないと「ねえ、奈夜ちゃん、教えてよ~」と言って狛子と狛助はわたしの腕を引っ張ってくる。
きっと、この会話は前の席に座っている華夜ちゃんにも聞こえているのだろうな。
「ねえ、奈夜ちゃん~」
「奈夜ちゃんってば~」
ああ、うるさくて授業に集中できない。この子達が天使に見えたのは間違いだった。わたしの成績が落ちたら君達のせいだからね。
「ねえ、奈夜ちゃ~ん」
「奈夜ちゃんってばてば~」
誰かわたしに耳栓を貸してください。
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